■「顔修正」プリクラ撮影アプリ 海外有料配信でアジア浸透に力
プリクラ写真がスマホで撮影できるアプリ「ロピカ」英・韓・中の3カ国語版を投入し、21の国・地域での展開を進める
海外から注目を集める日本のサブカルチャー。そのキーワードの一つ「カワイイ」を体現しているのが、中高生を中心に若者に人気のプリクラだ。インフォコムのスマートフォン(高機能携帯電話)向けアプリ(応用ソフト)「Lopicca(ロピカ)」は、顔修正機能を搭載したプリクラ写真撮影アプリで、今年6月、英語、韓国語、中国語の3言語版の有料配信を始めた。日本のサブカルチャーへの支持が厚いアジアでの浸透に期待をかけている。
ロピカはゲームセンターなどに置かれるプリクラ機のように、写真にフレームや絵を付けてデコレーションできる。ソフト開発会社と組んでプリクラ機向けの顔認識機能を搭載。撮影後に、顔や目の大きさ、肌の色などを修正し、美顔を創り出すことができる。どのような印象にしたいか、キュート、ギャル、ナチュラルから選択、顔加工を手軽に行える。キュートなら人形のようにかわいく、ギャルなら目がぱっちり見えるように目が大きくなるなどだ。
2012年3月に無料配信を開始、国内では配信2週間で20万ダウンロードされるなど、中高生などの若年層女性から口コミで人気を集めた。しかし、顔修正機能に対する改善や機能強化要望が多く集まった。このため、顔認識ソフトを一新するなど大幅な機能改善を行い、13年1月に現行のロピカを国内向けとして配信した。顔や目の大きさなどの調整機能や画像加工後の背景などの改善に加え、歯の美白、アイラインやチークなどの化粧も施せるようにし、デコレーション素材も増やした。
また、撮影画像をスマホ本体へ保存したり、友人同士で画像を交換する機能も新たに搭載。高機能化に伴い、都度課金や月額課金を盛り込み、収益化を進める。国内は今年度200万ダウンロードを目指し、プロモーション活動を展開する方針だ。
一方、初代ロピカで英語版を当時投入してみたところ、「台湾や韓国、中国でもダウンロードされていた。プリクラ写真アプリは海外でもニーズがあり、アジア向けの言語対応が必要だと考えた」とネットビジネス事業本部ネットサービス第一事業部事業開発グループの肥後隼人さんは振り返る。
このため、現行ロピカの海外向けは英・韓・中国(繁体字)の3言語化し、6月に配信を始めた。これまでは無料だったが有料(500円)での売り切りに切り替えた。北米・欧州やオセアニア、韓国・中国・台湾・シンガポールのアジアなど計21の国・地域での展開だ。韓国を拠点に、アジアでアプリ配信するユビヌリとの提携関係を活用するなどし、浸透を図る計画だ。(日野稚子)
「フジサンケイビジネスアイ」