家具小売りを軸にeコマース事業展開

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家具・インテリアの商品企画から販売までを自社で手掛けるネット通販専業のベガコーポレーションは、手ごろな価格と高品質を売り物に順調に業績を伸ばし、6月に東証マザーズへの上場を果たした。認知度向上とともに、グローバル市場向け事業の拡大を目指す。浮城智和社長は「ITを駆使してeコマース事業を幅広く展開する」と意気込んでいる。

--事業の強みは

「商品企画から海外工場での委託製造、輸入、ウェブページ制作運営、受注、発送までを一気通貫で行うことで、手ごろな価格で高品質の商品を提供している。売り上げの90%以上がプライベートブランドだ。消費者の要望を的確に反映させる商品開発力が評価されている。例えば『座椅子のパイプ部分が背中に当たって痛い』という声にはすぐに対応し、改良を加えてよりよい商品にした」

--顧客目線を大事にしている

「ソファの場合、予算が限られていたり、従来の商品だと大き過ぎて部屋に入らないという声があった。しかしコンパクトで自由にパーツを組み替えて、部屋に置くことができるソファセットを開発し、低価格で販売してヒットした。このようなきめ細かい対応は一気通貫だからできる。顧客の要望に素早く応じるため、コールセンターのオペレーターは外注せずに正社員、派遣社員を配置している」

--3月に東京支社とともにショールームを開設した

「もともとネット専業で実店舗を持たないことで、家賃や人件費などの運営コストを抑えてきた。しかし昨年、楽天のイベントで出店したところ多くの人が来店し、『実物を見ることができなかったので、買うのに躊躇(ちゅうちょ)していた。安くてセンスがいいので今後購入したい』という声が寄せられたことから、ショールームをつくった」

--グローバル市場向けeコマースサイト「DOKODEMO(ドコデモ)」を昨年12月に立ち上げた

「今後は海外での顧客基盤が必要になる。しかし家具は家屋の広さや国ごとの文化、生活習慣の違いもあり、商材として最適ではないと考えている。そこでドラッグストアなどで扱っている化粧品や医薬品をテスト販売したところ、予想以上に好調だったので本格参入した。海外ユーザー、在外日本人、インバウンド(訪日外国人観光客)に向けて化粧品や医薬品のほか、ベビー用品、キッチン用品、日用雑貨などを取り扱い、40カ国以上に発送している」

--今後の成長戦略は

「家具小売り事業を基盤としていく。新技術などを活用し、幅広くeコマースの市場シェアを押さえていきたい。現在、売上高は約83億円でほとんどが国内だが、海外事業を新たな柱として育てていく」

【会社概要】ベガコーポレーション

▽本社=福岡市博多区祇園町7-20 博多祇園センタープレイス4階

▽設立=2004年7月

▽資本金=8億6763万円

▽従業員=145人(16年7月末時点)

▽売上高=83億4026万円(16年3月期)

▽事業内容=家具・インテリアなどのインターネット通販、グローバルeコマースサイト運営など

                   ◇

【プロフィル】
浮城智和うきしろ・ともかず 九州国際大経済卒。家具輸入商社などを経て、2004年7月ベガコーポレーションを設立し、現職。39歳。福岡県出身。

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