一般社団法人ベストライフアカデミー 代表理事   前田 出

応援者が豊かになる社会を作る

「応援する人が豊かになる社会を作る」をミッションに掲げて活動する一般社団法人ベストライフアカデミー。代表理事の前田出氏は、人生100年時代に活躍するコミュニティーリーダーという働き方を提唱する。成功事例を増やして活動領域を広げると意気込む。

――ベストライフアカデミーの設立前に、新たなビジネスモデル「協会ビジネス」を立ち上げた
2008年の法改正で、NPOと株式会社の中間に位置する非営利法人「一般社団法人」が誕生した。これを機に一般社団法人「協会ビジネス推進機構」を設立した。主に女性が育児・家事や仕事をしながら自分の好きなこと、得意なことを生かして自宅でカルチャースクールなどを開く認定講師を約2万5000人養成するとともに、協会を設立して理事長に就任することをサポートする。設立に直接かかわった協会は約200で、1億円を超える売り上げの協会も現れた。
――成功事例は
協会ビジネス設立以前だが、コロネットという会社を立ち上げて『好きを仕事にしよう』をテーマに4万7000人の女性起業家を養成した。中でもホビークラフト界では最大のコミュニティーを構築し、年商9億円の協会に成長させた。結婚式のブーケを押し花にする押し花クラフトやビーズアクセサリーで一大ブームを巻き起こした。
11年にオールアバウトに売却して協会ビジネスを立ち上げたわけだが、未来を確定させて、逆算で目標を立てて達成していく『逆算思考』のメソッドで指導。先生の養成と『協会を設立して運営し人(認定講師)を集める』方法を教えてきた。2人の小さな子供をもつ主婦が理事長を務める協会は1万人のインストラクターを育成して成長を続ける。
――ベストライフアカデミーでの活動は
協会ビジネスは17年に息子に事業承継したが、人生100年時代を迎え、最高の人生を見つけ成長していくことをサポートするのがベストライフアカデミーだ。コミュニティーリーダーになれる人と応援する人が豊かになる社会を実現するサクセスナビゲーターの養成に注力している。競争は周りが全てライバルだが、応援してくれる人が周りにいれば居心地がいいし、何でも話せる。力の付け方も教えてくれる。
――そのために必要なことは
人には自己顕示欲と自己開示欲がある。SNS(交流サイト)などで『目立ちたい、すごいといわれたい』と自己顕示欲を出すより、『私はすごい』という鎧を取ることが重要だ。それでは疲れるだけ。それより自己開示して『できない』『困っている』を伝えて『助けて』『応援して』といって関係性をつくるほうがいい。自分1人では何もできないので、トップなら右腕を育成することが求められる。
――仲間づくりが重要ということか
先ほど話したビーズアクセサリーの協会も老人ホームを訪れて押し花教室を開いているが、収入が全てではない。もちろん認定講師は収入が増えると喜ぶわけだが、仲間、スキルアップ、やりがい、働き甲斐という目に見えない報酬を受けることがベストライフといえる。外出したがらない高齢者を『花摘みに行きましょう』と誘えば、歩くし手を動かす。高齢者も最初は億劫だった散歩が楽しみになる。これが認定講師にとってやりがいになる。
――会社の組織づくりにも言える
従業員が幸せだと感じて働くと労働生産性は1.3倍高く、創造性は3倍高まるという。欠勤率は低く離職率も低い。しかし社員が幸せと感じるためにはまず、社長が幸せだと感じなければいけない。社長が先に幸せになるとビジネスも成功する。変化が激しく、先が読めない時代では不安が不安を呼ぶ負のスパイラルに陥りがちだ。社長自らが強い意志を持って自分軸を作ることが重要になる。
――シャンパンタワーの法則が生かされるわけか
シャンパンタワーとは、シャンパングラスをピラミッド型に並べ、1番上のグラスからシャンパンを注いでいくセレモニーだ。1番上のグラスがいっぱいになると2番目、3番目に流れていく。そこで1番上のグラスを社長、2番目を社長の家族、3番目を従業員、4番目を顧客とすると、社長自身のグラスが満たされてこそ、周りも満たされる。誰かに何かを与えるとき、自分が豊かでないと空回りすることが少なくない。自己中心の欲は悪い、弱みは見せられないと思いがちだが、そうではない。社長がしんどいと感じる会社に成長はない。
前田 出(まえだ・いずる)
一般社団法人ベストライフアカデミー 代表理事 人生・事業を成功に導く サクセスナビゲーター®創始者
「好きを仕事にしよう!」をテーマに、 ホビークラフト界では最大の25000名のコミュニティーを構築。年商9億円の企業に成長させ、 結婚式のブーケを押し花にする押し花クラフト、 ビーズアクセサリーの一大ブームを巻き起こす。58歳でM&Aで上場企業に売却。新たなビジネスモデルとして、 一般社団法人を母体とした事業「協会ビジネス®」を構築し、10年間で200協会の設立、運営指導に関わる。 未来を確定させ、逆算で目標を立てて達成していく 「逆算思考」のメソッドで10万人を超える企業や協会、経営者を指導。2~3年で年商1億円を超える組織を多数輩出。この事業を息子に事業承継し、3回目のシニア起業。「夢を応援する人が豊かになる社会を作る」を理念に、 一般社団法人ベストライフアカデミー設立。人生100年時代に活躍するコミュニティーリーダーという働き方を提唱。 著書に『一気に業界NO.1になる「新・家元制度」顧客獲得の仕組み』(ダイヤモンド社)、『「学び」を「仕組み」に変える新・家元制度』(アチーブメント社)等。

おすすめコンテンツ

商品・サービスのビジネスデータベース

bizDB

あなたのビジネスを「円滑にする・強化する・飛躍させる」商品・サービスが見つかるコンテンツ

新聞社が教える

プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。

広報機能を強化しませんか?

広報(Public Relations)とは?

広報は、企業と社会の良好な関係を築くための継続的なコミュニケーション活動です。広報の役割や位置づけ、広報部門の設置から強化まで、幅広く解説します。