株式会社 全就連 代表取締役   萩原 京二

労働契約管理に特化したシステムで労務支援

人事労務支援の全就連は、社員一人一人の人事データを適切に管理する「人事データ活用支援サービス」の提供を始めた。労働契約の状況を正確に把握できるため、労働条件の変更・更新が簡単にできるほか、勤務履歴からスキルなどが分かり適切な配置と育成も見込める。労働契約管理に特化したシステムは日本初という。企業にとって人材確保が大きな経営課題となる中、萩原京二代表取締役は「優秀な人材の確保と定着、それによる生産性向上とコンプライアンス(法令順守)を実現できる」と話す。

――システム開発に着手した理由は
労働環境の変化が激しく、特に中小企業にとって人材確保や労働環境の改善は喫緊の課題であり、優秀な人材を確保し定着させることはますます重要になっている。一方で2024年の労働基準法改正で、労働条件の明示義務が強化された。面倒な労働条件通知書の発行も必要になり、WordやExcelでの手作業が増え、契約内容を確認するのも大変だ。更新条件や契約期間の管理、勤務履歴の把握なども手間と時間がかかり、それだけミスが発生しやすい。こうした課題を解決するためシステム開発に乗り出した。法律改正にも速やかに対応できる。
――働き方も多様化しており、人事データを正確かつ効率的に管理・活用する必要が出てきたというわけか
人事データ活用支援サービスは契約データを一元管理し、労務管理を効率化。透明性の高い労働条件通知書の発行と人事データのリアルタイム管理を可能にする。入社時からの労働契約に関する情報をデータ化し表やグラフで把握できるほか、どの社員がいつからいつまでどの部門で、どの役職で、どんな仕事をしたとか、給与はいくらだったかといった社員一人一人の契約データ履歴を管理できる。
このように契約履歴や勤務状況を簡単に得ることができ、問題となる長時間労働の特定や人員構成の最適化が図れる。社員のキャリアアップの軌跡も分かるので実務経験の証明や転職時の支援にも役立つ。このため優秀な人材の確保と定着だけでなく、企業の生産性向上とコンプライアンスを同時に実現できる。
――システムの特徴は
登録した社員情報や契約情報、資格などの情報は各社員の「社員詳細ページ」に反映され、ダウンロードすることができる。社員の賃金や等級の推移、賞罰、資格などの履歴を出力できるわけだ。また社員ごとに社員番号、契約種類(有期か無期か)、入社日、勤続年数、社員区分(正社員、パートなど)、契約発行・満了日などが一目で把握できるので契約内容を認識できる。例えば社会保険未加入の社員、○○日以内の契約満了の社員、有期契約の契約期間が通算4年の社員、定年が近い社員が分かる。
また人事データの統計情報を可視化でき、貸借対照表や損益計算書といったお金の決済書のような人事の決済書を作れる。これにより社員の年齢構成、等級別人員構成、勤続年数構成、管理職数、役職内訳などを表示できる。それを月次レポート、年次報告書、そしてデータが蓄積した3年後から経年変化報告書を作成できる。
――システムを提案したい企業は
求人情報を出しても欲しい人材がなかなか集まらない中小企業だ。有期雇用のパート社員が多いところにもアピールしたい。パート社員も適切に管理しなければならず、例えば社会保険に入りたくなければ週20時間未満の就労に抑えなければならない。有期雇用の契約期間が通算5年を超えると無期に転換されるが、労働条件、例えば賞与は?退職金は?などがあいまいなまま移行すると後々のトラブルに発展する可能性がある。防ぐためにも人事データ活用支援サービスを導入してほしい。
そもそも中小企業は人事データが整備されていない。新型コロナウイルス禍における雇用調整助成金があまり使われなかったのは社員個々の契約内容がをよく理解していなかったからともいえる。パート社員は時給に興味があっても、有給休暇があるのに何日使えるか知っている人は多くない。企業も社員も互いに知らないのでトラブルにならないというのはおかしな話だ。社員情報を収集して検索・分析すれば、「どんな社員が働いているのか?ワークライフバランスは?」といった入社希望者の気になる情報、知りたい情報を開示でき、採用につながりやすい。
――「いい会社」が採用の決め手になる
「いい会社の根拠は何か」となるが、我々が提供するサービスを使えば残業時間や昇給、有給休暇の取得状況など知りたい情報を取得してデータ開示できるので、「いい会社」としての信憑性が高まる。例えば女性の採用を増やすには、実際にはどれだけの女性が管理職として活躍しているか、男女の賃金格差はどうなっているかを示す必要がある。産休・育休明けからスムーズに職場復帰できるかも重要だ。女性にとって働きやすい環境が整備されていることをデータで示すことができれば入社意志が高まる。
――そのためにもデータ収集・分析で現状を把握する必要がある
人材不足の今、企業が社員を選ぶのではなく社員が企業を選ぶ時代だ。しかもジョブ型が普及してきた。収集・分析したデータから「いい会社」と認められにくいと判断すれば改善に乗り出せばいい。長時間労働は社員の健康確保の観点から避けなければならない問題だが、残業が多い社員はいる。その原因は何か。能力に問題があるのか、仕事量が多すぎるのか、それともマネジメントが悪いのか。この会社の離職率が20%で他社は15%ならば、その差をもたらす原因を洗い出して改善することだ。データとして根拠があるので説得力がある。データは課題解決をもたらす「宝の山」といえる。活用しない手はない。
――導入した企業の評価と今後の展開は
労働契約管理が複雑で特に契約更新時のミスが多発していたというメーカーは「契約データが一元管理され、更新時期の通知も自動で行われるので、安心して業務に集中できるようになった」と評価してくれた。このように社員一人一人の人事データ管理は難しい。導入企業は数社にとどまるが、4月からデータ分析による人事決算書の機能を付加するので、これを販売促進のチャンスととらえ25年度は50社への導入を目指す。
我々のサービスを企業に紹介するのは社会保険労務士が担っており、現在は約20の社労士事務所がいわば代理店として活動している。人事や労務管理の専門家として社労士がデータを分析し入力する。そのうえで適切なアドバイスを送るので企業の労務管理は大幅に改善される。社員も安心して働けるのでエンゲージメント(愛社精神)が高まり定着率は上昇、生産性も向上する。企業の困りごとに応えることができるので社労士の付加価値も高まる。3年後には100の社労士事務所をパートナーとして迎えたい。
――サービスを通じてどんな企業が増えればいいと考えているのか
働きやすさと働き甲斐を両立させるプラチナ企業を目指すにはうってつけのサービスと自信をもって言える。導入によって人事データが可視化されるので「見える人材、見える契約、見える未来」につながるはずだ。我々のミッションは「中小企業が優秀な人材を確保し、安心して働ける職場環境を提供するために最適な労働契約管理をサポートする」こと。働きやすさと働き甲斐のある職場環境は企業、社員ともに求めている。我々が提供するサービスで、企業は優秀な人材の確保・定着とそれに伴う業績向上、社員は自らのライフスタイルに合った柔軟な働き方、つまり働きやすさと働き甲斐を得られる。ニッポンの働き方を変える仕組みが人事データ活用支援サービスだ。プラチナ企業を増やすことで「働く人」よし、「企業」よし、「顧客(社会)」よし、「未来」よしの「四方良し」の社会を実現できる。

萩原 京二(はぎわら・きょうじ)

株式会社 全就連 代表取締役

1963年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒。株式会社東芝(1986年4月~1995年9月)、ソニー生命保険株式会社(1995年10月~1999年5月)への勤務を経て、1998年社労士として開業。顧問先を1件も持たず、職員を雇わずに、たった1人で年商1億円を稼ぐカリスマ社労士になる。そのノウハウを体系化して「社労士事務所の経営コンサルタント」へと転身。全国に約200の会員事務所を擁する。2024年10月、労働契約データを管理することで人事情報の分析レポート(人事決算書®)が自動的に作成できるクラウドシステム「JCデータバンク」をリリース。本システムを利用した「人事データ活用支援サービス」を提供。現在は、「ニッポンの働き方を変える」を合言葉に、働くことの基本知識(ワークリテラシー教育)の普及にも尽力している。

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