ピーエムグローバル・木暮知之代表取締役
グローバルなプロジェクトマネジメント(PM)に特化して事業を展開するピーエムグローバルは5年後をめどに、売上高を現状の1億円から10億円に引き上げる。従業員も現状比10倍の100人まで増やす。木暮知之代表取締役は、計画達成に向け「ラグビーワールドカップ(W杯)日本代表のようなワンチームを作る。そのため研修会などを開きリスペクト、オープンマインドといった会社のコアバリューの徹底を図っていく」と語った。
「2005年に『お客さまのプロジェクトをグローバルにサポートする』をコンセプトに創業。コミュニケーションを重視しながら現場主義に徹した問題解決のプロ集団として約100件のプロジェクトに取り組んできた。『炎上するPM(計画段階で確保していた予算や納期が決定的に足りなくなったプロジェクト)』専門集団とも言われ、悪くなっている状態から参加することが多いが、それだけ問題を解決しプロジェクトを前に進めさせる力をつけた」
--海外案件に強い理由は
「日本企業と海外ベンダーが一緒のプロジェクトを扱うわけだが、日本企業はプロジェクトマネジャーを育てようとしないので、われわれに白羽の矢が立つ。英語を話して文化の違いを踏まえてコーディネーターとして仕切るのが得意。こうした異文化も企業での立場も超えて、お客さまとワンチームになってプロジェクトを進め成果を導き出す能力が評価されている」
--日本との文化の違いをどのようにクリアするのか
「日本文化といえば『察する』『かゆいところに手が届く』『行間を読む』で、相手もそれを期待する。だが海外では通用しない。契約社会であり、契約書に載っていることしか手掛けない。このため日本のお客さまには『相手が契約以外のことまでやるとは思わないこと』と伝えている」
--両者の仲を取り持つ
「海外の異文化にぶつかり悩むとストレスがかかる。言い換えると、文化の違いを理解すれば現場のストレスは減る。私もラグビーをやっているので分かるが、W杯日本代表が素晴らしいのは多国籍ながら目的を共有する仲間同士が対等の立場で戦ったこと。これこそがワンチームで、各自がリーダーシップを発揮しながら互いにリスペクトしあう。自分の意見ばかり主張しても進まない。相手の意見を尊重することが大事になってくる。日本のグローバル企業もワンチーム化を目指すべきだ」
--5年後の目標については
「売り上げを増やすため、マーケティング活動を強化する。大学時代のネットワークなどを使ってお客さまを紹介してもらい、経営相談にのってもらえる方々と知り合う機会を積極的につくる。一方、社員を増やすには魅力的な会社になる必要があり福利厚生を拡充する。フレックス制度導入や各種資格手当などのほか、ワーキングマザーをサポートするため時短制度の導入や休日保育の費用負担などの支援を行う。採用に向けては来年度からインターン(就業体験)を実施し、外国人材の活用にも取り組む」
【プロフィル】木暮知之
こぐれ・ともゆき 上智大学比較文化学部卒。1991年東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。ITコンサルタント会社のセピエント日本法人を経て、2005年2月ピーエムグローバル設立し代表取締役。52歳。神奈川県出身。
【会社概要】ピーエムグローバル
▽本社=東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町4階
▽設立=2005年2月28日
▽資本金=1400万円
▽従業員数=10人
▽事業内容=プロジェクトマネジメント、海外事業サポートなど
「フジサンケイビジネスアイ」