首都圏を走る私鉄各社の鉄道車両の整備と点検を行う堀江車輌電装(東京都千代田区)は、作業マニュアルをデジタル化し社員の教育研修、技術向上に役立てる。第1弾は鉄道車両のブレーキの分解・修繕・組み立て作業工程で実施、2020年3月末にデジタルマニュアル化を完了、同4月から試験的に導入する。今後3~5年かけて全工程をデジタルマニュアルに切り替える考え。
ホロレンズを装着してデジタルマニュアルの使い勝手を調べる社員
作業マニュアル「デジタルマニュアル」は、マイクロソフトの複合現実(MR)ヘッドセット「ホロレンズ」などウエラブルデバイスやタブレットなどを活用。従来の紙のマニュアルや手順書にはない、熟練技術者の経験に基づくノウハウを洗い出して整理し、デジタルマニュアルに反映させる。
最新の技術やデバイスを使ったデジタルマニュアルを導入することで「作業に興味関心を持たせ、モチベーションを上げるだけでなく、新しい人材が入ってくるきっかけになる」(堀江泰社長)と考えた。
当初は、担当者や熟練社員が技術指導としてタブレットなどを使って研修を行う予定。最終的には人材確保が難しいといわれる中で、作業を知らない新入社員や担当外の社員でもデジタルマニュアルのみで作業を覚えられるようにするのが目標という。
「フジサンケイビジネスアイ掲載」