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健診で安全・安心 看板やスマホの劣化予測で顧客の不安解消

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突然のトラブルに襲われて唖然とする事態は誰もが避けたい。こうしたニーズの顕在化を察知して、劣化予測という新ジャンルで市場創出に挑むベンチャー企業が元気だ。看板の状態を点検して事故防止と補修につなげたり、携帯端末の機能診断により交換時期を知らせたりするサービスを提供して顧客獲得につなげている。

看板ドックで危険を予知

病気の早期発見・治療を目的とする「人間ドック」ならぬ「看板ドック」で看板の安全を確かめるサービスに乗り出したのがレガーロ(東京都世田谷区)」だ。

看板には突然、落下したり、燃えたりする危険が付きまとうが、常に上を向いて歩くわけにはいかない。同社は「万が一」がないよう危険を予知することで「看板で悲しむ人をゼロにする」ことを使命に掲げる。

提供しているサービスは、看板の劣化状況をカルテで報告する「看板ドック」、その結果をもとに補修・延命を図ることで大幅コストダウンを可能にする「看板リペア」などで、「事故を防ぎたい」というコンビニなど大手チェーン店を中心に需要が顕在化。牛めしなどを販売する松屋フーズは「地球温暖化による強風で樹木や看板が倒れる事故が増えている。事故回避は社会的使命。レガーロに頼めば看板の困りごとが一気に片付く」(担当者)と信頼を寄せる。

レガーロの高倉博代表取締役は「カルテで危険度を数値化し、現場の写真を見せるので『(企業の)稟議も通りやすい』という声を担当者から多く聞く」と手応えを口にする。

今夏には、ある企業からの数十件という受注も無事にこなすことができた。これまでクリアしていた品質と価格に加え、最後の課題だった納期も完遂。これを機に「サステナブルサインのレガーロ」として第2フェーズに移行する。

「アピールネス診断」と呼ぶサービスで、設置した看板が適切に訴求・誘導できているか測定する。無駄な看板をなくすのが狙いで、視認性(看板が見える)、可読性(読める)、判読性(理解できる)で判断し数値で報告する。

3つのサービスとも安全・安心に加え、コストダウン・投資効率アップを実現できるため、「看板の主治医」としての地位を確立できると判断。2年後の2025年度をめどに市場シェアを現状の10%から25%に引き上げる考えだ。そのためのサービス拡充に引き続き力を注ぐとともに、チェーン展開する企業を中心に営業攻勢をかける。その上で地域に根付く同業他社とのネットワーク化を推進しエリア拡大に取り組む。

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故障前に買い替え通知

「スマートフォンなど携帯端末の健康診断で故障前に買い替えを促し不便を解消する」

中古携帯端末を扱うニューズドテック(東京都千代田区)の粟津浜一代表取締役CEO(経営最高責任者)はこう話す。そのために開発したのが、22年に発表したバッテリー劣化予測の「スマホカルテ」であり、そこから生まれた端末交換モデル「トリカエスマ保証」だ。

これらを23年5月に「トリスマ」に集約。機能・バッテリー診断でNG(具合が悪い)がでたら、次の機種を安く買える仕組みで、故障前に不調を気付くことでデータ移行ができなくなったり、営業などビジネス機会を失ったりすることを防ぐ。

いわばスマホの見える化で、無料アプリによるスマホ診断は自分で行う。スピーカーやマイク、タッチパネルなど8項目を調べることで故障の予兆を知ることができる。1つでもNGがあれば「近く故障する可能性があるとアナウンスでき買い替えにつなげる」(粟津氏)という。

今年5月のリリース以降、9月末までに1万5000超のダウンロードがあり、手応えを感じている。「自分のスマホに不安を感じる人は多い」ことから、トリスマの継続的開発に取り組む考えで、問い合わせの多い法人向けアプリの開発にも着手した。

さらにバッテリーの充電回数や時間などをモニタリングしたり、収集したデータを管理システム側でAI(人口知能)分析してユーザーに最適な使い方やスマホを売買するタイミングなどを通知したりすることにも乗り出す。顧客の不満・不安を解消するトリスマで新市場を創出する考えだ。

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