西武信金 地域連携スチューデントアワード 最優秀賞に亜細亜大学チーム
西武信用金庫は11日、東京・中野の本部で2024年度「地域連携スチューデントアワード」を開催した。今回から地域企業の独自技術・サービスにフォーカスし、学生の斬新な商品アイデアと融合させ、新事業の創出を図る形に進化させた。最優秀賞には亜細亜大学のチームが輝いた。コスモテック(立川市)の「水を使わない感圧型の肌に貼れる転写シール」を活用した商品アイデアとして「迷子安心シール事業」を提案し、評価された。
今回のアワードには、地域企業5社と6大学14チームが参加した。審査開始に先立って西武信金の高橋一朗理事長は「これまでは大手企業の開放特許をテーマに学生目線の新ビジネスを競ってきたが、11年目の今回から中小企業が温めたノウハウ、スキル、アイデアを学生目線でバージョンアップし事業化を目指すことにした。中小企業は小回りが利くので商品化につなげてほしい」と挨拶した。
各チームは8分のプレゼンテーション時間内で練り上げたアイデアを紹介。それに対し審査員が講評しながら審査を進めた。終了後には、学生が商品アイデアを考案する商品・サービスを提供した企業が登壇。「履き心地とファッション性に優れたサンダル用トングカバー」を提供したNIYAGO(武蔵野市)の田吹俊介代表取締役は「モノを造ることばかり考えてきたので学生の斬新なアイデアは参考になった。参加した学生は貴重な体験をしたと思う。経験は何よりも大事なこと」と話した。
また、キャリアコンサルティング(千代田区)の髙松僚部長は、学生に提供した「普段使いできる伝統工芸品ブランド『これいい和』」の新商品アイデアが優秀賞を獲得したことに触れ「(美濃和紙と琉球ガラスという)産地と産地の掛け算による商品アイデアは価値あるモノを造るというストーリー性がある」と評価。その上で「商品化を前向きに考えたい」と語った。
最後に審査員を代表して鈴木康之OPIC代表が総評。「接戦で審査に苦労した。各チームとも10月の中間発表時より内容が素晴らしくなった。発表で終わりではなく、企業と連携して商品化、社会実装という次のステップに動いてほしい」とエールを送った。
各賞の受賞チームとアイデア名は次の通り(カッコ内は提供企業と商品・サービス名)。
▷最優秀賞=亜細亜大学ダンゴムシ「迷子安心シール事業」(コスモテック、水を使わない感圧型の肌に貼れる転写シール)
▷優秀賞=東京経済大学コブシ「痴漢防止未然機能」(Yolni、防犯アクセサリー「Yolni(ヨルニ)」)、昭和女子大学おにぎり「大和」(キャリアコンサルティング、普段使いできる伝統工芸品ブランド「これいい和」)
▷審査員特別賞=嘉悦大学レスキューステッカーズ「避難所向け転写シール」(コスモテック、水を使わない感圧型の肌に貼れる転写シール)、東洋大学TEAM YAMAMOTO「クラフトミルクコンセプト提案」(武蔵野デーリー、CRAFT MILK)