Jトラスト、地方企業のインドネシア進出支援 現地の買収行と西京銀が業務提携
Jトラストは、中小企業のインドネシア進出支援を強化する。2014年に買収した現地子会社のJトラスト銀行インドネシアが培ってきたネットワークを生かし、経済成長が著しい同国における事業機会の創出に意欲的な企業を後押しする。
その第1弾として同行は10月10日、西京銀行と業務提携契約を結んだ(=写真)。インドネシアに進出する西京銀の取引先に対し、資金調達・運用など幅広い金融取引を中心に、ビジネス展開における課題解決などをサポートする。インドネシア経済の発展にも貢献する狙いもある。
インドネシアは人口が約2億7000万人と世界4位で、さらに今後40年強にわたり人口ボーナス期に入ると予想されている。50年にはGDP(国内総生産)で日本を追い抜くともいわれ、国内市場の持続的成長が最も期待されている。
Jトラストは同国の将来性に着目。インドネシア進出を目指す取引先を抱える地方銀行に業務提携を呼び掛けており、複数の銀行から同様の提案を受けているという。早期に西京銀に続く業務提携先を見つけ、取引先とインドネシアの地場企業とのビジネスマッチングを加速させたいとしている。
西京銀の営業基盤である山口県は人口減少や大手企業の事業縮小・撤退の動きもあって、地域経済が疲弊化。新たな成長市場として海外を目指す取引先が増えると予想される。
特に中小企業経営者の世代交代が進み、若い経営者は地元だけでなく日本の市場縮小を懸念、海外志向が高まっている。中でも取引先として多い建設施工会社やインフラ事業者は日本で培った技術を、建設・インフラ関連需要などが旺盛なインドネシア市場で生かしたいという。
西京銀はこうした動きを受け、今年11月に「海外進出サポート室」を新設。海外進出に向けた市場調査や法規制への対応、現地視察ミッションの展開などサポート体制を整備・強化していく考え。今回のJトラスト銀との業務提携はこの一環。
Jトラスト銀は同国20州31都市に45支店を展開。全土の90%強をカバーするローカル銀行でありながら、日本資本がほぼ100%という日系銀行の強みと意思決定の早さが強み。新たな機会にも柔軟に対応できる。
これを生かし日系企業と地場企業のビジネスマッチングに精力的に取り組んできた。西京銀を皮切りに、業務提携先から紹介を受けた中小企業の事業展開支援にも積極的に取り組む考えだ。