エックスモバイル、企業とのコラボケータイで攻勢 応援や特典など新しい選び方を提案
「エックスモバイルの『X』 は、コラボレーションの『X』 」―。独立系格安携帯事業を手掛けるエックスモバイル(東京都港区)は、スポーツやエンターテイメントなどファンを多く抱える企業と連携したコラボケータイを積極展開する。価格やスペックだけでなく、「応援できる」「特典が付く」といった新たな選択肢を提供し大手通信キャリアに挑む。
「何かとモバイルを掛け合わせること(〇〇×モバイル)で、新たなケータイの選び方を提供する」。設立10周年を迎えた10月10日の発表会に、実業家でタレントの「ホリエモン」こと堀江貴文氏と登壇した木野将徳代表取締役はこう宣言した(=写真)。
これまでの10年を「やれることが増え、独立系として生き残ることができた。ただ10年前に描いた姿ではなく、満足ではない」と振り返りながら、今後の10年について「ケータイキャリアの選び方を変える」と強調した。
その一つが、堀江氏がプロデュースするコラボケータイ「HORIE MOBILE」だ。「参加できる、応援できる、未来に加速するLCCモバイル」をコンセプトに3月に開設した。堀江氏が展開するコンテンツのほか、プロデュースするベーカリー「小麦の奴隷」のカレーパンを毎月1個進呈するなどユーザー限定の特典が受けられる。
同日に堀江氏が登場したのは新たなコラボを発表するためで、第2弾として「ホリエのWiFi」を披露した。月間300ギガバイトの大容量データ使用料を月額3800円(税抜)と業界最安値で使用できるだけでなく、ドコモなど3大キャリアの通信回線を確保。また世界151カ国・地域で使用可能という。
もちろん、堀江氏によるユーザー限定オリジナルコンテンツも無料で利用できる。こうした特典が受け入れられ、発売後も利用者は順調に増加しており、WiMAXユーザーの1%(約40万件)の獲得を目指すという。
この日は出版社の幻冬舎とのコラボも表明した。「幻冬舎と一緒に作家を応援しよう」をコンセプトにしたサロンモバイルで、料金の一部を日々の執筆活動に寄付することができる。また新作情報をいち早く入手できたり、出版記念イベントの優先招待を受けたりと好きな作家を応援できる。
コラボケータイはこのほかに、メンタリストDaiGoとの「DXモバイル」を提供しているほか、ライブドアとも近く始める予定。木野氏は「今後も様々なパートナーと組んで、月間2、3ブランドを投入していく」と意気込む。このためインフルエンサーやアイドル、作家・漫画家、スポーツ選手らのほか、エンタメやコンテンツ業界、流通・スーパー、ホテル・観光などファン・愛好者を抱える企業などに声をかけている。
エックスモバイルがコラボ戦略に注力するのは「利用者の多くはプラン、料金など正確に把握することなく、CMを見たり、アイフォーンだからと決めている」(木野氏)という現状に対し「価格やスペックに加え、特典が付いたり、応援できたりして毎日ワクワク楽しいという選択肢があってもいい」との思いがあるからだ。利用者から受け入れられると確信しており、「コラボケータイで勝ち組になる」と強気だ。