中小企業の「シン人材確保戦略」を考える
筆者:一般社団法人パーソナル雇用普及協会 萩原 京二

中小企業の経営を取り巻く環境は日々厳しさを増しており、特に人材確保は多くの企業が直面する大きな壁となっています。旧来の採用方法や考え方だけでは対応が難しい現代。本コラムでは、これからの時代を生き抜くための「新しい人材確保戦略」に焦点を当て、具体的な方法や考え方を深堀りしていきます。経営者や人事担当者が直面する難題を解決するヒントや、成功事例をもとに、実践的な策を紹介します。中小企業の未来を担う人材を確保し、持続的な経営の実現に向けての第一歩を、共に考えてまいりましょう。
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第128回 中小企業がまず押さえるべき「ヒトに関する“5つの数字”」 ~ISO 30414 × 日本の法令で優先...
前回は、日本の法令・ISO 30414・ISO 30201 という三層構造で人事データを整理する考え方を紹介しました。今回はその実践編として、「中小企業が最初に押さえるべき"人の数字"5つ」を具体的に解説します。その5つとは、離職率・定着率、採用コストと採用充足率、男女別の管理職比率と勤続年数、有給休暇取得率と平均残業時間、そして1人あたり教育研修投資額です。それぞれの計算方法と、経営判断への使い方を丁寧に説明します。難しいシステムは不要です。給与ソフトと勤怠データがあれば、今日から始められます。
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第127回 人事データ開示“その先”へ――ISOで整える『しくみ・ものさし・ルール』の三層構造
女性活躍推進法をはじめとする人事データ開示の義務化が進む中、中小企業経営者が「何から手をつければよいか分からない」と感じるのは当然です。本稿では、日本の法令・指針、ISO 30414(人的資本の"ものさし")、ISO 30201(人事の"しくみ")という三層構造で整理する考え方を紹介します。特にISO 30414は、9つのカテゴリーにわたる指標群を通じて、バラバラに管理されてきた人事データを「経営の判断材料」に変える道具です。認証取得は必須ではなく、できる範囲で一歩ずつ取り入れていくことが、人手不足時代に選ばれる会社への近道となります。
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第126回 中小企業(100人以下)でも避けて通れない 女性活躍推進法の改正と「人事データ開示」の時代
2026年4月1日、女性活躍推進法の改正が施行され、101人以上の企業は「男女の賃金の差」「女性管理職比率」などの情報公表が義務の中心となります。100人以下の中小企業は努力義務が中心ですが、採用市場では規模を問わず同じ土俵で比較される時代が始まっています。求職者はすでに面接・面談の場で人事データを具体的に質問しており、答えられない会社は「把握していない会社」と見なされ、選択肢から外れるリスクがあります。対策は難しくありません。「賃金差・女性管理職比率+1指標」のミニ開示と、改善の方向性を示す短い説明文を年1回更新するだけで十分です。完璧なデータより、説明できるデータが信頼を生みます。採用が難しい時代こそ、人事データの開示が採用の武器になります。
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第125回 国保逃れ是正へ、厚労省が動いた ──個人事業主が今すぐ確認すべきこと
厚生労働省は2025年3月、「国保逃れ」スキームへの是正通知を日本年金機構に発出し、年金事務所による実態調査が本格化します。新たな基準では、①法人への会費が役員報酬を上回る場合は報酬要件を満たさない、②アンケート回答や勉強会参加は業務ではなく自己研さんとみなす、と明確化されます。維新議員6人の除名という結末は、一般の個人事業主にも同様のリスクがあることを示しています。問題が発覚した場合、数百万円規模の追徴金と延滞金、信用失墜という深刻な結果が待ちます。適法な保険料最適化には、自ら法人を設立して代表者として加入する、家族を適正雇用するなどの正攻法があります。社労士・税理士への早期相談が自分の事業を守る最善策です。
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第124回 令和8年改正を機に知る「社長の年金」の真実 ――「よくわからない」を「納得」に変え、人...
令和8年4月、在職老齢年金の支給停止基準額が51万円から65万円に引き上げられます。これは労働者の就労促進が目的ですが、結果として一部の経営者にも年金受給の余地が生まれます。しかし支給停止された年金は永遠に消滅し、繰下げ増額も停止期間中は無効です。役員報酬変更には決算・株主総会のタイミングと約4ヶ月の反映期間があるため、改正効果を得るには今すぐ自分の年金データを確認し、専門家へ相談することが不可欠です。
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第123回 退職代行「モームリ」事件が教える 経営者が知っておくべき士業紹介料の落とし穴
退職代行「モームリ」事件では、弁護士が案件紹介の見返りに「賛助金」名目で報酬を受け取り書類送検されました。士業は法律の公正運用と依頼者保護という公的役割を担うため、紹介料が厳格に規制されています。紹介料スキームが介入すると、士業が紹介元の利益を優先し、依頼者に不利な判断をするリスクが生じるためです。経営者は顧問士業が処分を受けると手続き中断や信用低下などの被害を受けます。安全な連携には、役割分担型の直接契約や固定報酬の役務契約を活用し、成果連動の報酬を避けることが重要です。法令順守の士業との透明な関係が、中小企業の持続的成長を支える基盤となります。
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第122回 プルデンシャル生命不祥事が映す成果主義の闇:中小企業が学ぶべき「追い込み営業」から...
2026年1月、プルデンシャル生命で社員・元社員約100人超が顧客約500人から総額31億円を詐取した事件が発覚しました。30年以上続いた不祥事の根本原因は、フルコミッション型の報酬制度にあります。固定給が最低賃金レベルで、月収が数百万円からゼロまで変動する極端な成果主義が、営業マンを「不正に手を染めるか、退職するか」の二択に追い込みました。「覚悟の上」での入社でも、生活崩壊の恐怖は倫理観を麻痺させます。中小企業も同様のリスクを抱えており、最低保障給の導入、プロセス評価、メンタルケア強化など、低コストで実現可能な制度改革が急務です。
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第121回 令和8年度「助成金」最新ニュース~中小企業が押さえるべき3つのテーマ~
令和8年度の雇用関係助成金は、「賃上げ」「人への投資」「中高年や子育て・介護世代の活躍」を柱とする方向が明確になりました。賃上げの幅が大きいほど助成額が増える仕組みや、65歳以上雇用の複数回利用、45歳以上向け実習型訓練の新設など、昨年度からの路線をさらに具体化しています。中小企業が取り組むべきは、計画的な賃上げと制度整備、中高年の戦力化、両立支援による採用力アップの3点です。ただし、エッグフォワード事件に見られる不正受給リスクにも注意が必要です。助成金を活用する際は、「実質無料」といった甘い言葉に警戒し、申請内容を経営者自身が確認することが重要です。
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第120回 退職願と退職届は違うのか?経営者が知っておくべき退職の法的構造とは?
SNSで語られる「退職願と退職届の違い」は法律に根拠がない都市伝説です。本当に重要なのは、退職の法的構造の理解です。退職には「合意退職」と「辞職」があり、辞職には会社の承諾は不要。民法上、2週間で成立し、会社に拒否権はありません。本気で辞めたい人間には打つ手がなく、無理な引き止めは未払残業代請求や訴訟リスクを招くだけです。「去る者追わず」が最も合理的な判断。経営者が注力すべきは退職対応ではなく、社員が辞めたくないと思える魅力的な会社づくりです。公正な評価、適切な報酬、働きやすい環境こそが、持続可能な経営の本質なのです。
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第119回 衆議院解散により先送りとなった労働基準法40年ぶりの抜本改革
労働基準法の約40年ぶりの抜本改正は、衆議院解散により先送りとなりました。連続勤務制限、勤務間インターバル11時間以上の義務化、週44時間特例の廃止などが議論されていましたが、施行時期は不透明です。しかし中小企業にとって、この猶予期間こそ準備の好機です。現行法の遵守状況を確認し、労働時間データを可視化し、就業規則を見直しましょう。特に週44時間特例を利用する事業場は、週40時間への移行シミュレーションが必須です。法改正を義務ではなく、働きやすい職場づくりと採用力強化の機会と捉え、今から積極的に取り組むことで、将来の競争優位につながります。
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第118回 維新議員『国保逃れ』事件から学ぶ-社会保険適用の『実態要件』を無視した節税スキーム...
日本維新の会の地方議員による「国保逃れ」事件では、一般社団法人の理事という名目で月額1万円程度の報酬により社会保険に加入し、年間100万円近い国民健康保険料の負担を回避していました。問題の本質は「低報酬での加入」ではなく「加入要件を満たしていない人を加入させた」点です。理事700人超、業務はアンケート程度という実態では、法人経営への実質的な参加や労働対価としての合理性が認められません。過去の裁決例でも同様のスキームは資格取消となっており、発覚時には数百万円の追徴金と信用失墜のリスクがあります。個人事業主が適法に保険料を最適化するには、自ら法人を設立し実態を伴う経営参加が必要です。形式だけのスキームは必ず否認されます。
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第117回 助成金で会社を潰さないために――20億円不正受給事件から学ぶ、正しい活用法と自衛策
2025年12月、助成金の不正受給事件が発覚しました。191社が関与し、総額約20億円。「実質無料で研修ができる」という提案の裏には、研修費用の一部が別ルートで還流する不正なスキームがありました。不正受給が認定されると、全額返還に加え延滞金・違約金の支払い、企業名の公表、5年間の助成金受給停止など厳しいペナルティが科されます。「知らなかった」は通用せず、最終責任は経営者にあります。助成金は正しく使えば中小企業の味方ですが、甘い話には必ず裏があることを忘れず、疑問点は必ず労働局に確認し、適切な労務管理を心がけることが重要です。
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第116回 【経営者必読】2026年4月「130万円の壁」新ルール:パート社員の労働条件通知書、今すぐ見直...
2026年4月から社会保険の扶養認定基準が変わります。従来の「実績ベース」から「労働契約ベース」の判定に変更され、契約に明記のない残業代は年収計算に含まれなくなります。しかし多くの事業所で使われている「シフトによる」という記載では年収が計算できず、新ルールに対応できません。労働条件通知書に「月平均○時間程度」など具体的な労働時間を記載し、通勤手当も含めた年収見込み額を明示する必要があります。正式書式の公表前でも、今すぐ見直しを始めることが重要です。
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第115回 助成金を活用したAI研修の落とし穴~営業トークに騙されない方法
「AI研修なら助成金が使える」という営業トークが増えていますが、これは誤解です。人材開発支援助成金は、特定の職務に直接関連した専門的スキルの習得を支援する制度であり、全社員向けAI入門や汎用的なChatGPT研修など、職務関連性が不明確な研修は対象外です。2026年2月の改正で「将来従事予定の職務」も対象になりますが、本質的な要件(職務関連性・専門性・計画性)は変わりません。「AI研修なら何でもOK」と断言する業者や、不支給リスクを説明しない業者には要注意。助成金は「手段」であり「目的」ではありません。まず企業の成長に必要な人材育成を明確にし、労働局や社労士に事前相談することが、不支給リスクを避ける鍵です。制度の本質を理解し、戦略的に活用しましょう。
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第114回 退職代行で辞めた社員は本当に「無責任」なのか? データが明かす意外な真実と、中小企業...
退職代行で社員が辞めたとき、経営者は「裏切られた」と感じるでしょう。しかし最新調査は意外な真実を示しています。利用者は無責任ではなく、協調性が高く責任感が強い人たち。問題は職場での孤立と、相談相手が上司だけに集中する構造にありました。正社員の6割が「職場で相談できる人がいない」現実も明らかに。本コラムでは、約20人に1人が退職代行を使う時代に、中小企業経営者が今日から始められる具体策を、データに基づいて解説します。予算ゼロでできる「人の網の目」づくりが、離職を防ぐ鍵です。
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第113回 「社長、転勤なら辞めます」が3割を超える現実 ~人手不足倒産を回避する「脱・転勤」の...
最新の調査によれば、転勤辞令に対し3割以上の社員が「拒否」や「退職」を選んでいます。背景には介護・育児・共働きの普及があり、従来の「転勤=出世」というモデルは崩壊しました。無理な転勤命令は、優秀な人材の流出や採用難を招く経営リスクです。中小企業は「人を動かさずに事業を回す」体制へ転換すべきです。具体的には、現地採用の強化やテクノロジーを活用したリモート駐在が有効です。どうしても転勤が必要な場合は、十分な金銭的補償や、配偶者のキャリア支援、多様な生活様式への配慮など、納得感のある契約が必要です。「転勤なし」を新たな採用戦略とし、社員が安心して長く働ける組織への変革が求められています。
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第112回 2026年1月から補助金申請のルールが変わる! 中小企業経営者が知っておくべき新制度のポイ...
2026年1月から経済産業省などの補助金申請が行政書士の独占業務になります。これまで誰でも代行できた補助金申請が資格制となり、無資格者によるトラブルから中小企業を保護します。一方、厚生労働省の雇用関係助成金は従来通り社労士の独占業務です。経営者は現在依頼している専門家が行政書士資格を持つか確認し、補助金は行政書士、助成金は社労士という使い分けが必要です。制度変更までに適切な専門家との関係を構築することで、申請書類の質向上と採択率アップが期待でき、経営基盤強化の機会となります。
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第111回 大阪の税理士逮捕事件から考える「士業の独占業務」とは? 中小企業経営者が知るべき専門...
2025年10月、大阪で税理士が社労士の独占業務を行い逮捕される事件が発生しました。士業にはそれぞれ法律で定められた独占業務があり、資格外の業務を有償で反復的に行うと違法となります。税理士は税務、社労士は労務・社会保険手続き、司法書士は登記が専門です。中小企業経営者は各士業の役割分担を理解し、適切な資格を持つ専門家に依頼することが重要です。無資格者への依頼は企業の信用問題にも発展するため、士業間の連携体制がある事務所を選び、契約前に業務範囲を明確にすることが経営リスク管理の鍵となります。
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第110回 いまこそAIを“社内文化”に──中小企業が未来を変える第一歩
AIはもはや特別な技術ではなく、中小企業こそ活用すべき経営の武器です。導入には大きな投資も特別な知識も不要で、社員全員で一斉に始めることで社内に自然と定着します。AIは人を減らすのではなく、人の力を引き出す“仕組み”。今日から小さく一歩を踏み出すことが、未来を変える大きな転機になります。
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第109回 中高齢者リスキリング戦略で企業競争力を強化する ~“おっさんパワー”を活用しよう!
令和8年度、政府は中高齢者のリスキリング支援を大幅に強化しました。少子高齢化で若手採用が困難な今、経験豊富な中高齢層の活用が企業の競争力強化の鍵です。特に生成AIは、プログラミング不要で言語化力があれば使えるため、知識豊富な中高齢者に最適です。人材開発支援助成金に中高齢者向けコースが新設され、訓練費用と賃金を助成します。産業雇用安定助成金による出向でのスキルアップ支援や早期再就職支援助成金なども充実しています。これらを活用し、年齢にとらわれず全社員が成長できる環境を整備することで、持続的成長を実現できます。
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第108回 「モームリ」家宅捜索から考える退職代行の法的リスクと実務対応~
2025年10月、退職代行大手「モームリ」が弁護士法違反の疑いで家宅捜索されました。退職代行は年間2万人超が利用していますが、法律行為を行えるのは弁護士と労働組合のみで、一般企業が条件交渉すると違法です。中小企業は退職代行業者からの連絡時に本人確認を徹底し、一般企業との交渉は避けるべきです。同時に、従業員が直接退職を申し出られる職場環境の整備が根本的な対策となります。法的リスク管理と労務環境改善の両面が重要です。
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第107回 特定技能外国人を雇用する場合の注意点~ 中小企業経営者が知っておくべき法令遵守と実践...
2019年創設の特定技能制度は、即戦力外国人材の受入れを目的とし、2025年には19分野に拡大します。しかし2024年の監督指導では、76.4%の事業場で労働基準法違反が確認され、機械安全基準違反、割増賃金未払い、健康診断後の医師意見聴取未実施などが多発しています。中小企業経営者は、日本人と同等の労働条件提供、適切な安全衛生管理、割増賃金の正確な計算、違約金条項の禁止など、法令遵守を徹底する必要があります。違反には刑事罰、受入停止、企業信用失墜のリスクがあります。外国人材は単なる労働力ではなく、企業の持続的成長を支える貴重な人材として、長期的視点で受入れ・育成することが重要です。
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第106回 SNSで議論が白熱!フリーランスは従業員か? 中小企業経営者が知っておくべき法的知識と実...
2025年10月にSNS上で「フリーランスを従業員にカウントできるか」という議論が白熱しました。結論として、業務委託のフリーランスは法的に従業員には該当せず、助成金申請等の従業員数カウントに含めることはできません。重要なのは契約形式ではなく実態であり、指揮命令関係がある場合は「偽装請負」のリスクがあります。フリーランス新法は契約の適正化を求めるもので、従業員扱いを義務付けるものではありません。中小企業は契約書の整備、従業員数の正確な把握、専門家との連携により、法令を遵守しながらフリーランスを適切に活用できます。SNS上の誤情報に惑わされず、正しい知識に基づく経営判断が企業の信用と成長につながります。
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第105回 経営者を悩ますパート勤務19時間問題 ~最低賃金上昇が生む「新たな壁」への実務対応~
2025年度、全国の最低賃金が時給1016円を超え、「106万円の壁」の賃金要件が事実上撤廃されました。これにより「週20時間」が新たな分水嶺となっています。従業員51人以上の企業で時給1320円以上の場合、週19時間勤務では年収130万円を超えて国保・国民年金の負担が年間32万円に。一方、週20時間以上で社会保険に加入すれば保険料は20万円で済み、将来の年金も増えます。経営者には、時給に応じた最適な働き方を従業員に正確に説明し、一人ひとりの状況に応じたアドバイスをする責任があります。制度の複雑さを理解し、わかりやすく伝えることが、人材不足時代に選ばれる会社の条件です。
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第104回 育児介護休業法の改正と助成金の活用 ~中小企業経営者が知っておくべき2025年の大きな変化~
2025年10月から育児介護休業法が改正され、3歳~小学校就学前の子どもを持つ従業員に対し、時差出勤やテレワークなど柔軟な働き方の提供が義務化されました。中小企業は5つの制度(フレックス・テレワーク・短時間勤務・保育サービス費用補助・育児目的休暇)のうち2つ以上を導入し、従業員が実際に利用すれば両立支援等助成金(1人あたり20~25万円、最大5人まで)を受けられます。この制度導入は法的義務への対応だけでなく、優秀な人材確保と従業員定着の絶好の機会として活用できます。
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第103回 スポットワーク時代の労災対策:短期雇用でも手抜きできない安全衛生管理
スポットワークは人手不足解決の有効策ですが、たとえ1日だけの雇用でも安全教育の省略は法律違反です。転倒事故が多発するスーパー業界では特に注意が必要。教育義務違反には50万円以下の罰金、事故発生時は休業補償や損害賠償、さらに刑事処分のリスクもあります。短時間で効果的な教育には動画やQRコード活用が有効。安全教育は「面倒な義務」ではなく「事業を守る投資」として捉え、継続的な改善により効率と安全の両立を図ることが重要です。
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第102回 会社を揺るがす「リベンジ退職」 今、中小企業経営者が知るべきリスクと対策
リベンジ退職とは、職場への不満や理不尽な待遇への報復として、退職時に企業へ意図的に損害を与える行為です。引継ぎ拒否、重要データ削除、SNSでの内部情報暴露などにより、生産性低下、信用失墜、連鎖退職、法的リスクを招きます。防止には、定期的な1対1面談による早期の不満察知、評価制度の透明化、ハラスメント防止、相談窓口設置が重要です。被害発生時は証拠保全を行い、専門家と連携して法的措置も検討できます。職場環境の継続的改善こそが最大の予防策となります。
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第101回 令和8年度「厚生労働省予算概算要求」から読み解く 中小企業経営者が今すぐやるべき5つの...
令和8年度厚生労働省予算は過去最大の34兆7,929億円で、中小企業への支援が大幅拡充されます。最優先は賃上げ支援で業務改善助成金が35億円に倍増、正社員転換支援も40万円に増額予定です。今すぐ取り組むべき5つの施策は、①賃上げ×生産性向上、②正社員転換、③社会保険加入促進、④従業員スキルアップ、⑤働き方改革。人手不足や賃上げ圧力を課題ではなくチャンスと捉え、国の手厚い支援を活用して競争力強化を図る絶好の機会です。まずは労働局への相談から始めましょう。
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第100回 増加する「賃金不払い」監督指導から学ぶ、中小企業が取るべき対策
2024年の賃金未払い監督指導件数は22,354件と前年より1,005件増加し、未払い総額は172億円超に達しました。商業・製造業・保健衛生業で多発しており、多くは意図的ではなく「思い込み」や「慣行」が原因です。自己申告制への依存、割増賃金計算の誤り、業務前後の作業時間除外、資金繰り難による遅延などが典型例。労働時間の正確な記録、適正な賃金計算、支払日厳守、就業規則の見直しが重要で、社労士など専門家の活用も効果的です。労務管理は「義務」ではなく人材確保・定着につながる「投資」として捉え、経営戦略の一環として取り組むべきです。
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第99回 最低賃金1,500円時代の到来~中小企業経営者が知っておくべき「生き残りの方程式」
2025年10月から最低賃金が1,118円となり、政府は2029年度までに1,500円を目標としています。これは年平均95.5円、7.6%の大幅引き上げで、中小企業には年間数百万円の負担増となります。従来の価格転嫁や効率化では限界があり、デジタル化・自動化投資、付加価値向上、事業モデル転換が必要です。業務改善助成金など支援制度を活用しながら、短期対応から長期戦略まで段階的に取り組むことで、ピンチをチャンスに変える経営が可能になります。
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第98回 AI時代を生き抜く!職業アイデンティティの再定義術
AI時代の急速な変化により、多くのビジネスパーソンが職業アイデンティティの再定義を迫られています。重要なのは、AIを脅威ではなくパートナーとして捉え、自分の仕事を「人間にしかできない部分」と「AIでもできる部分」に分析することです。税理士が記帳業務から経営コンサルティングに転換したり、町工場の職人がAIと協働して新たな専門性を築くなど、変化を機会に変えた事例が数多くあります。職業アイデンティティの再定義は、より充実したキャリアを築く絶好のチャンスなのです。
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第97回 最低賃金引上げに関する最新情報とその対応策 ~中小企業経営者が今すぐ知るべき現実と実...
2025年の最低賃金引き上げは過去最大の63円となり、政府は2029年までに1,500円を目指しています。中小企業は人件費が売上の約80%を占めるため、大企業の1.6倍の影響を受けます。対策として、デジタル化による生産性向上、従業員の多能工化、付加価値向上による価格適正化が重要です。政府の業務改善助成金やIT導入補助金を活用し、同業者との連携も効果的です。単なるコストカットではなく、この変化を経営革新の機会として捉え、従業員と共に抜本的な変革に取り組む企業が生き残れるでしょう。
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第96回 男性の育児休業取得率が企業の経営に与える影響 ~中小企業経営者が知っておくべき人材戦...
2024年の男性育休取得率が40.5%で過去最高を記録する中、Z世代の約7割が企業の育休制度を就職先選びで重視しています。中小企業では「人手不足」や「制度未整備」が課題ですが、制度導入により採用力向上、離職率低下、従業員満足度向上の効果を実現できます。初期投資はかかりますが、離職防止や採用コスト削減で2-3年で回収可能です。段階的導入と経営者の本気度が成功の鍵となります。育休制度は単なるコストではなく、人材確保競争を勝ち抜くための重要な投資として位置づけるべきです。
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第95回 人手不足を解決する新戦略「スポットワーク」 ―今すぐ始められる柔軟な人材活用術―
スポットワークは「必要な時に必要な分だけ」働いてもらう新しい雇用形態で、スマホアプリを通じて短時間・単発の労働者と企業をマッチングします。中小企業にとって人手不足解消、採用コスト削減、労務管理効率化などのメリットがありますが、労働基準法の適用、契約成立時期の理解、適切な賃金支払いなど法令遵守が重要です。事前準備を十分に行い、労働者を大切にする姿勢で臨めば、柔軟な人材活用による経営基盤強化が期待できる有効な手段となります。
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AIエージェントは「自分で考えて複数の作業を順番にこなす」新世代AIです。OpenAI社の2025年7月発表により、中小企業でも手軽に導入できるようになりました。営業報告書作成の自動化、お客様対応の24時間化、経営レポートの自動生成などが可能で、月額1万円程度から利用できます。人手不足に悩む中小企業こそ恩恵を受けやすく、社員はより価値の高い創造的業務に集中できるようになります。まずは小さな業務から段階的に導入することが成功の秘訣です。
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2025年上半期に人手不足倒産が過去最多を記録しました。中小企業は複合的な対策が必要です。採用力強化では、SNSやリファラル採用、シニア・外国人・副業人材の活用が有効。従業員定着には、オンボーディング制度やハラスメント対策、柔軟な働き方導入が重要。業務効率化では、RPAやクラウドサービス導入、アウトソーシング活用で省力化を図る。待遇改善では、食事補助や住宅手当など金銭以外の福利厚生充実が効果的。中長期的には技術継承と後継者育成が不可欠。経営者は現状分析から始め、公的支援も活用しながら小さな改善を積み重ね、持続可能な人材戦略を構築することが人手不足倒産回避の鍵となります。
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第92回 生成AIの活用と課題――中小企業経営者が今こそ考えるべき理由
大企業経営者の7割が生成AIを週1回以上活用し、業務効率化から戦略的判断まで幅広く活用している一方、中小企業の導入は遅れており、競争力格差が拡大しています。中小企業でも生成AIは業務効率化、人手不足解消、顧客対応向上などの大きなメリットをもたらします。導入時の課題として、ノウハウ不足、コスト不安、社員の抵抗感がありますが、小さな業務から段階的に導入し、法人向けセキュアなツールを選択することで解決が可能です。変化を恐れず、まず使ってみることが競争優位構築の第一歩となります。
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第91回 2025年10月開始!教育訓練休暇給付金制度が中小企業に与える影響
2025年10月から始まる「教育訓練休暇給付金」は、従業員が自発的にスキルアップする際の無給休暇中に生活費を支給する新制度です。既存の教育訓練給付金(受講費補助)との併用は可能ですが、企業主導の人材開発支援助成金とは使い分けが必要です。中小企業にとって人材育成の新たなチャンスとなる一方、人材流出リスクや一時的な人員不足といった課題もあるため、就業規則の整備、業務体制の見直し、従業員とのコミュニケーション強化などの事前準備が重要です。制度を戦略的に活用することで、従業員の定着率向上と企業競争力強化の両立が期待できます。
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第90回 離職率を改善するためのエンゲージメント調査 ~中小企業経営者に贈る「人づくり」の新た...
中小企業の深刻な人材流出問題を解決するには、従業員満足度やモチベーション向上だけでは限界があります。最も効果的なのは「エンゲージメント調査」の導入です。これは従業員の会社への愛着と貢献意欲を科学的に測定し、離職の根本原因を特定するツールです。調査結果を基に段階的な改善策を実施することで、離職率を大幅に削減できます。人材確保等支援助成金も活用可能で、経済的負担を軽減しながら導入できます。人材こそ最大の経営資源として、エンゲージメント経営による持続的な組織成長を実現すべきです。
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ピアボーナス制度は、社員同士が感謝の気持ちを込めてポイントや金銭を贈り合う仕組みです。リモートワーク普及で承認欲求が満たされにくくなった現在、Google等の先進企業で導入が進んでいます。陰の貢献者の見える化、部署間連携促進、離職率低下などの効果があり、中小企業でも低コストで導入可能です。ただし、ポイントの賃金該当性や全額払い原則への配慮、社内規程整備などの法的注意点があります。成功には公平なルール設計と企業理念との連動、継続的な改善が重要で、「ありがとう」が飛び交う組織文化の構築により業績向上につながります。
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第88回 「賃金格差は違法!」中小企業経営者が今こそ向き合うべき現実と未来への処方箋
2025年の京都地裁判決は、「賃金格差は違法」と明確に示し、中小企業にも同一労働同一賃金の原則順守が強く求められる時代となりました。人材確保や企業イメージ向上のためにも、非正規雇用者の待遇改善と賃金格差是正は不可欠です。助成金や業務効率化など外部支援も活用しつつ、公正な評価制度や福利厚生の見直しなど、できるところから着実に改革を進めることが、持続的な成長と競争力強化につながります。
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第87回 給与の支払い月1回のルールが変わる? 〜中小企業経営者が今考えるべき「働き方」と「給...
「給与は月1回」という日本の常識が変わり始めています。2023年にデジタル給与払いが解禁され、PayPayなどへの直接支払いや週払い・隔週払いが可能になりました。海外では週払いや隔週払いが主流で、日本の若い従業員からも柔軟な支払い方法への要望が高まっています。中小企業にとって、この変化は採用力強化や従業員満足度向上の大きなチャンスです。給与計算システムの導入など初期投資は50-150万円程度必要ですが、1-2年で回収可能で、競争優位を獲得できる戦略的投資といえます。変化を恐れず、従業員との対話から始めて、新しい給与制度を企業成長の原動力に変えることが重要です。
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第86回 日本特有の雇用慣行とグローバルスタンダードとの乖離 ~減給処分と定年制度を例に考える~
日本企業で普及している減給処分と定年制度は、国際的には人権侵害や年齢差別として問題視されています。減給処分はRBA行動規範で禁止され、「働いた分の賃金を払わない」ことは強制労働とみなされる可能性があります。また定年制度は欧米では年齢差別として法律で禁止されており、OECDは日本に定年制廃止を提言しています。中小企業にとっては、これらの慣行を見直すことで、人材確保や企業価値向上につながるチャンスとなるでしょう。日本の良き雇用文化を活かしつつ、国際基準と融合させた新たな経営モデルの構築が求められています。
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第85回 労働安全衛生法の改正と熱中症対策 〜中小企業経営者が知っておくべき新たな義務と実務対...
労働安全衛生法の改正により、2025年6月1日から熱中症対策が罰則付きで義務化されます。事業者は、①熱中症の疑いがある場合の報告体制整備、②作業離脱や身体冷却などの実施手順作成、③関係者への周知が求められます。対象は労働者だけでなく同一作業場の全ての作業者で、WBGT28度以上または気温31度以上の環境下で連続作業を行う場合に適用されます。義務違反には刑事罰や民事上の責任が生じるため、職場環境の見直し、連絡体制の確立、予防教育の実施など、早急な対応が必要です。熱中症は予防可能な健康障害であり、万全の対策を講じましょう。
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第84回 フリーランスも守られる時代へ~労働安全衛生法改正のポイント
フリーランスの安全を守る労働安全衛生法が2025年に改正されました。主な変更点は、すべてのフリーランスが業種を問わず労災保険に特別加入できるようになったこと、発注者に安全配慮義務が課されたこと、そして事故報告の義務が生じたことです。従来「労働者」ではないとして補償の空白地帯にあったフリーランスも、特別加入手続きをすれば業務上の事故や病気に対する保障を受けられます。ただし保険料は自己負担であり、手続きも自ら行う必要があります。この法改正は多様な働き方を支える重要な一歩ですが、制度の普及や保険料負担などの課題も残されています。
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第83回 【中小企業経営者のための人手不足対策と外国人雇用のポイント】
中小企業の人手不足が深刻化する中、外国人労働者の活用が重要な経営戦略となっています。外国人雇用は若手人材確保やモチベーションの高い人材獲得、海外展開の基盤づくりにつながります。一方で、言語・文化の壁や在留資格の法的手続き、生活支援など多くの課題も存在します。令和7年度から始まる「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」では、受け入れ環境整備費用の一部が助成されます。成功の鍵は、マニュアルの多言語化や生活相談窓口の設置など適切な受け入れ体制づくりと、社内外の多様な人材による多文化共生の推進です。外国人雇用を「やむを得ず」ではなく「選択的に活用する」戦略として位置づけ、長期的視点で組織の競争力向上につなげることが求められています。専門家や外部支援の活用も重要です。
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第82回 賃上げに負けない会社をつくる!令和7年度 業務改善助成金 活用ガイド
最低賃金引き上げが加速する中、中小企業は「賃上げできる体質」づくりが急務です。令和7年度版業務改善助成金は、賃金30円以上引上げ+生産性向上の取り組みに対し、最大600万円を助成。助成率区分の変更や生産性要件撤廃で、より申請しやすくなりました。賃上げと経営力強化を同時に実現するため、早期活用をおすすめします。
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第81回 【デジタル給与払い最前線】PayPay“100社突破”が突き付ける 中小企業の選択
PayPayのデジタル給与払い導入企業が100社を突破し、制度が実用段階に入ったことが示されました。若年層や外国人労働者への利便性、手数料削減、業務効率化などの利点が中小企業にも有効です。導入には労使協定や就業規則の整備が必要ですが、段階的導入と外部連携により対応可能です。他社サービスと比較しつつ、自社に合った仕組みを選ぶことが重要であり、「給与DX」は採用・定着力の向上にもつながる中小企業の成長戦略です。
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第80回 50人未満でも義務化へ──中小企業が取り組むべきメンタルヘルス対策
2025年の法改正により、ストレスチェック制度が50人未満の事業所にも義務化される見通しです。中小企業でもメンタルヘルス対策が求められる時代に突入し、早期の対応が重要です。本制度は、社員の不調を未然に防ぎ、離職防止や職場改善につながる“経営の武器”となります。制度導入は負担ではなく、働きやすい職場づくりへの投資です。
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第79回 「『3年以内離職率30%』を逆手に取る!中小企業の新人定着成功術」
2025年春、コロナ禍世代の新入社員が入社し、「安心感」「成長実感」を重視する傾向が強まる中、離職率30%という現実が中小企業に突きつけられています。若手離職の主因は、期待とのギャップ、心理的安全性の欠如、成長の不透明さ。これを逆手にとり、オンボーディング強化・成長の可視化・柔軟な働き方を通じて定着を図る中小企業の実例と、失敗を避けるチェックリストを紹介。離職率を組織強化の指標として活用する視点が求められています。
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第78回 「静かな退職」を防ぐ!中小企業ができる5つの具体策
最低限の仕事だけをこなす「静かな退職」現象は、中小企業にも深刻な影響をもたらします。生産性低下、チーム全体への悪影響、人材流出リスクなど、特に人材の少ない中小企業では大きな課題となります。この原因には価値観の変化、評価制度への不満、コミュニケーション不足、過重労働があります。対策として、①従業員との定期的な1on1ミーティング実施、②シンプルで公正な評価制度の導入、③可能な範囲での柔軟な働き方提供、④研修などキャリア成長機会の提供、⑤心理的安全性の高い職場環境づくりが効果的です。中小企業の強みであるアットホームさや意思決定の速さを活かし、従業員一人ひとりを尊重する姿勢が「静かな退職」防止につながります。
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2025年施行の育児・介護休業法改正は、中小企業に柔軟な働き方の導入や制度整備を求めるもので、短期的には就業規則の改定やコスト負担などの課題が生じます。しかし、適切な対応により、人材確保・定着の強化、従業員満足度向上、企業イメージ改善などのメリットが期待できます。特に育児や介護を理由とした離職防止や働き方改革の推進が可能となり、長期的には競争力向上につながるでしょう。経営者のリーダーシップや助成金活用が鍵となり、法改正を企業成長の機会として捉えることが重要です。
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HR分野でのAI活用が急速に進み、2025年現在、日本企業の約65%が導入・検討しています。ソフトバンクの動画面接AI分析による選考時間70%削減や、サイバーエージェントの「人材化学センター」によるデータ駆動型人材配置など、採用・評価・配置・従業員サポートの各領域で効果を上げています。一方で、データバイアス、プライバシー懸念、従業員の心理的抵抗、人間判断との適切な融合といった課題も存在します。AI活用の本質は、定型業務の効率化により人事担当者が戦略的・創造的業務に注力できるようにすることです。テクノロジーの進化と「人」を大切にする原点の両立が求められています。
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採用市場は少子高齢化と技術革新の影響で大きく変化しています。採用活動の早期化が進行し、学生には選択肢拡大というメリットがある一方、焦りによる不十分な意思決定や学業との両立困難というデメリットも生じています。企業と学生のミスマッチによる早期離職も深刻な問題です。これからの就活では、学生は自己理解と柔軟な対応力を養い、企業は継続的コミュニケーションと魅力的な職場環境の整備が求められます。重要なのは早期化のメリットを活かしつつデメリットを最小化し、学生の成長と企業の人材育成を両立させる方策を見出すことです。バランスの取れた採用活動は、個人の成長と企業の発展、そして社会全体の持続的発展につながります。
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第74回 2025年の採用戦略:中小企業が勝ち抜くための5つの鍵
「2025年の採用戦略:中小企業が勝ち抜くための5つの鍵」は、大手企業による初任給の大幅引き上げが進む中、中小企業が採用市場で競争力を維持するための戦略を提案しています。具体的には、①独自の魅力の発信(経営者との直接対話など)、②柔軟な働き方の提供(リモートワークなど)、③キャリア成長機会の創出(若手への重要案件任命など)、④総合的な報酬パッケージの設計(業績連動型賞与など)、⑤デジタル技術の活用(AIを活用した適性診断など)の5つが鍵となります。これらの戦略を効果的に実施するためには、現状分析と目標設定、アクションプランの策定、実行とフィードバックの3ステップが重要です。給与競争に巻き込まれず、中小企業ならではの強みを活かすことが成功への道筋となります。
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令和7年度の雇用保険施行規則の改正案が発表され、令和7年度の助成金制度の変更が明らかになりました。本コラムでは、キャリアアップ助成金、人材確保等支援助成金、両立支援等助成金、65歳超雇用推進助成金、人材開発支援助成金の主な変更点を紹介し、企業が活用すべきポイントを解説します。正社員転換の助成額の見直しやテレワーク助成の簡素化、研修助成額の増額など、多岐にわたる改正内容を詳しく説明します。人材確保・定着・職場環境の改善を進めるために、これらの助成金の活用を検討することをおすすめします。
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第72回 変革の時代:2025年労働基準法改正が描く新しい働き方の未来
2025年は40年ぶりとなる労働基準法の改正が予定されており、日本の労働環境に大きな影響を与える見込みです。主なポイントとして、①プラットフォームワーカーの法的位置づけの見直しにより、最低賃金や社会保障の適用が検討されていること、②副業・兼業に関する労働時間通算ルールの緩和により、柔軟な働き方が促進されること、③労働安全衛生法の改正により、フリーランスの労災報告義務化や小規模企業へのストレスチェック義務化が進められることなどが挙げられます。また、連続勤務制限やテレワーク管理の強化も検討されています。企業には人事管理の見直しが求められ、労働者の権利意識やワークライフバランスの向上が期待されています。
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第71回 法改正に対応!中小企業が知っておくべきカスタマーハラスメント対策のポイント
近年、カスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻化し、企業には従業員を守る責任が求められています。政府は「労働施策総合推進法」の改正により、企業に対しカスハラ対策の義務化を決定。具体的には、①カスハラを許容しない方針の明確化、②相談窓口の設置、③トラブル時の迅速な対応が求められます。中小企業でも、社内ルールの整備や研修、専門家との連携で実践可能です。適切な対策により、従業員の安心感が向上し、企業の生産性やイメージ向上にもつながります。経営者は早急に対応を進め、持続可能な職場環境を実現しましょう。
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第70回 中小企業経営者のための「賃上げ支援助成金パッケージ活用術」
本コラムでは、中小企業における賃上げの重要性と「賃上げ支援助成金パッケージ」の活用方法について解説しています。賃上げは一時的なコスト増ではなく、人材の定着や生産性向上につながる「未来への投資」です。物価高や人手不足が深刻化する中、賃上げは従業員の生活を守り、企業の成長にも貢献します。政府の助成金制度を活用することで、企業は負担を軽減しながら賃上げを実現できます。パッケージには「業務改善助成金」「キャリアアップ助成金」などが含まれ、企業の課題に応じた活用が可能です。助成金を上手に活用し、人材を大切にする企業文化を築くことで、持続可能な経営と地域経済の活性化につなげていきましょう。
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2025年春闘では、連合が「5%以上」の賃上げを要求し、中小企業に対しては「6%以上」が掲げられています。物価高や人手不足が背景にあり、大企業は積極的に賃上げを進めていますが、中小企業は人材流出や価格転嫁の難しさ、生産性向上の必要性など、厳しい課題に直面しています。解決策として、政府の助成金活用やデジタル化、従業員教育への投資などが挙げられます。中小企業が持続可能な成長を遂げるためには、柔軟な経営戦略とイノベーションが不可欠であり、社会全体での支援が重要です。
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第68回 定年延長か継続雇用か ? データから見る高齢者雇用の最適解
厚生労働省が最新の「高年齢者雇用状況等報告」を公表しました。この報告書は、日本企業における高齢者雇用の現状と今後の展望を示す重要な指標となっています。 本コラムでは、この報告書の詳細な分析を通じて、高齢者雇用に関する最新のトレンドと、企業が直面する課題を明らかにしています。65歳までの雇用確保措置はほぼ全ての企業で実施されている一方、70歳までの就業確保措置はまだ発展途上にあることがわかります。 特に注目すべきは、企業規模による対応の違いや、定年延長と継続雇用制度の選択における傾向です。これらの情報は、経営者の皆様が自社の高齢者雇用戦略を検討する上で、貴重な指針となるでしょう。
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第67回 2025年、退職代行サービス利用が過去最高に ~ 現代の労働環境が映し出す課題とは
2025年1月6日、退職代行サービス「モームリ」の利用件数が過去最高の256件を記録しました。特に正社員の利用が多く、職場環境の課題が浮き彫りになっています。背景には、過酷な労働条件やハラスメント、職場内コミュニケーション不足があり、年末年始の長期休暇中にキャリアを見直したことが決断を後押ししました。経営者には、労働環境の改善や従業員との対話促進、ハラスメント防止策の強化が求められます。退職代行が不要な職場を目指し、従業員が安心して働ける環境を整えることが、企業の持続可能な成長につながります。
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2025年の育児介護休業法改正は、仕事と家庭の両立支援を強化し、柔軟な働き方を促進します。主な改正点は、所定外労働制限の対象拡大、テレワーク導入の努力義務化、育児休業取得状況の公表義務拡大などです。企業は就業規則の見直し、制度設計、従業員への周知教育が必要です。この対応は、人材確保・定着率向上、生産性向上、多様性促進などのメリットをもたらします。将来的な社会変化も見据え、法改正を持続可能な組織づくりの機会と捉え、積極的に取り組むことが重要です。真に働きやすい職場環境の実現が、企業の長期的成長と社会発展につながります。
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第65回 「年収の壁」から「労働時間」の壁へ移行する社会保険適用の新時代(その3)
前々号、前号に引き続き「年収の壁」シリーズその3(最終稿)です。「労働時間の壁」への移行に対応するため、企業は労働契約の見直しや勤怠管理システムの導入、従業員への教育を徹底し、法改正や助成金活用に備える必要があります。労働時間管理の透明性向上により、社会保険の適用基準への適応が可能となり、従業員満足度や企業ブランドの向上、持続可能な経営基盤の構築につながります。また、柔軟な働き方の提供や専門家の活用、リスク管理を重視することで、企業は競争力を維持できます。この取り組みは、企業と労働者が協力して、公平で柔軟な社会を実現するための重要なステップです。
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第64回 「年収の壁」から「労働時間」の壁へ移行する社会保険適用の新時代(その2)
前号の続きです。社会保険の適用基準が「年収」から「労働時間」へと変わり、企業は労働時間を正確に管理することが求められるようになります。今回のコラムでは、労働時間管理の重要性や具体的な手法、そして社会保険適用拡大がもたらす未来の労働環境について解説しています。企業は、労働時間管理を徹底し、人材確保や労働環境改善の機会と捉え、社会保険適用拡大に対応するための戦略を立てる必要があります。
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第63回 「年収の壁」から「労働時間」の壁へ移行する社会保険適用の新時代(その1)
最低賃金の引き上げや労働市場の変化により、「年収の壁」から「労働時間の壁」へと移行する社会保険適用基準の改革が進んでいます。従来の「年収基準」は、働く意欲を阻害し、短時間労働者の社会保険加入を難しくしていましたが、週20時間以上の労働を基準とする新制度は、こうした課題を解消します。この移行により、短時間労働者も社会保険の恩恵を受けやすくなる一方、企業には契約や勤怠管理の精度向上、新たなコスト負担への対応が求められます。適切な対応を進めることで、企業は労働環境を改善し、持続可能な経営基盤を構築可能です。この改革は働き方の多様化を促進し、企業と労働者が協力して公平で柔軟な社会を実現する契機となるでしょう。
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女性活躍推進法の改正により、従業員101人以上の企業に対して、女性管理職比率や男女の賃金格差の公表が義務化されます。また、女性の健康課題への配慮も行動計画に盛り込むことが推奨されます。この改正は、透明性向上や課題の可視化を通じて、企業にとって競争力強化や信頼性向上の機会となります。特にデータ公開を活用し、課題を改善する取り組みは、企業文化の活性化やイノベーション促進につながります。助成金の活用などでコスト負担を軽減しつつ、多様性を受け入れる経営モデルを構築することで、持続可能な成長が可能になります。この改正は企業と社会がともに成長する重要な転換点です。
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働き方の多様化が進む中、従来の一律的な転勤制度や雇用形態では対応が難しくなっています。若い世代の転勤回避志向や中高年の介護事情などを背景に、企業は個別ニーズに応える雇用制度の導入を迫られています。当協会が提唱する「パーソナル雇用制度」は、勤務地や勤務時間、職務内容を柔軟に設定し、従業員のライフステージやキャリアに応じた働き方を可能にする仕組みです。この制度は中小企業向けに開発されましたが、大企業でも導入が広がっています。労働力人口の減少が進む中、多様な働き手を受け入れる柔軟な雇用制度は、企業の競争力向上と持続可能な成長に不可欠です。
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最低賃金1500円時代において、中小企業経営者は賃金決定に際し「標準生計費」を意識することが重要です。社員の最低限の生活を支える水準が確保されていなければ、定着率が低下し、企業の持続可能性にも影響が出ます。評価制度を活用した賃金差の設定や、同業他社との市場比較も必要です。また、連合のリビングエッジ等のデータを活用して自社の賃金水準を定期的に確認し、必要に応じて見直すことで、社員の生活と企業の成長を両立させることが求められます。
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第59回 顧客からの理不尽な要求にどう対応するか~カスタマーハラスメントの現状と対策(その3)
カスハラ対策には、従業員の記録や冷静な初動対応、企業のメンタルヘルスケアのサポート体制が必要です。企業は法的義務を理解し、弁護士等と連携して適切な対応を行い、従業員が安心して相談できる窓口を設けることが求められます。また、マニュアル整備と教育を通じ、従業員が対策を理解し実行できる環境を整え、顧客との信頼関係を築く企業文化を醸成することが重要です。社会全体でカスハラの防止に取り組む必要があります。
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第58回 顧客からの理不尽な要求にどう対応するか~カスタマーハラスメントの現状と対策(その2)
カスハラ対策には、企業がガイドラインやマニュアルを整備し、従業員への教育や相談窓口の設置を行うことが重要です。定期的なマニュアルの見直しや従業員が冷静に対応できるよう研修を行い、組織全体で支援する体制を整えることが求められます。さらに、企業には法的義務があり、労働契約法や労働施策総合推進法のもと、カスハラ防止のための体制を整備する必要があります。厚生労働省のガイドラインも参考にしながら、従業員の安全と企業の信頼性を保つ取り組みが求められます。
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第57回 顧客からの理不尽な要求にどう対応するか~カスタマーハラスメントの現状と対策
カスタマーハラスメント(カスハラ)は、顧客が企業や従業員に対して不当な要求や嫌がらせを行う行為であり、労働環境を悪化させる問題です。東京都は、カスハラ防止条例を全国で初めて制定し、企業に従業員保護の責務を促していますが、罰則はなく実効性に課題も残ります。カスハラと正当なクレームを区別することが重要で、企業は厚生労働省のガイドラインに基づき、社会通念に反する威圧的行動や違法な要求に対しては毅然と対応する必要があります。
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第56回 中小企業が注目すべきミドル世代の賃金上昇と転職動向~経験豊富な人材の採用でビジネス...
40~50代のミドル世代の賃金上昇が進む中、中小企業はこの層の即戦力としての価値に注目すべきです。スタートアップや大企業との競争が激化する一方、中小企業は安定性や柔軟な働き方、企業文化を強みとしてミドル世代を引きつけることが可能です。また、役職定年を迎えた人材や氷河期世代の採用は、中小企業にとって成長の機会となります。適切な賃金設定や職場環境の改善を通じて、競争力を強化し、持続的な成長を目指しましょう。
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第55回 中小企業が賃金制度を考えるときに知っておきたい基本ポイント
中小企業が賃金制度を設計する際、まず従業員が最低限の生活を送れるための標準生計費を基準に、適切な賃金を設定する必要があります。また、会社の支払い能力も考慮し、無理のない範囲で最大限支払える賃金を定めます。さらに、同業他社や市場の賃金水準を参考にし、競争力を維持しながら人材を引き留められる賃金制度を構築することが重要です。定期的な見直しや、福利厚生の充実を通じて、持続可能な賃金制度を目指しましょう。
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第54回 2024年10月からの社会保険適用拡大、対応はお済みですか?
2024年10月から社会保険の適用範囲が拡大され、従業員51人以上の企業では、週20時間以上働くパートタイム労働者も社会保険加入が義務化されました。これにより、企業は社会保険料負担の増加や労働条件の見直しを迫られることになります。対応が遅れると法令違反による罰則や労働環境の悪化、人材流出などのリスクが生じるため、早急に対応を進めることが重要です。社会保険整備は、従業員の満足度向上や企業の信頼性を高める機会でもあります。
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競業避止契約は、企業が退職者に対し一定期間、同業他社への転職や起業を制限する契約です。企業の営業秘密やノウハウを守るために重要ですが、労働者の職業選択の自由を制約する側面もあるため、制限の合理性が求められます。近年の司法判断では、1年以上の制限が認められにくくなり、契約内容の透明性や合理性が厳しく問われる傾向があります。企業は契約の慎重な設計と労働者への丁寧な説明が必要です。
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第52回 令和7年度 賃上げ支援助成金パッケージ:企業の成長と持続的な労働環境改善に向けて
令和7年度の助成金パッケージでは、生産性向上や正規・非正規の格差是正、賃金引き上げを支援する制度が拡充されます。企業が賃金規定や人事評価制度を導入し、離職率を低下させた場合に助成金が支給され、賃上げ5%以上で加算措置も導入されます。キャリアアップ助成金では、賃上げ率に応じた助成額の細分化と昇給制度の導入支援が強化され、企業が従業員の処遇改善に取り組むための重要な支援策となります。
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第51回 解雇の金銭解決制度とその可能性 〜自民党総裁選における重要テーマ〜
解雇の金銭解決制度は、企業が労働者を解雇した際に、復職の代わりに金銭補償を行う仕組みです。2024年の自民党総裁選では河野太郎氏がこの制度を推進しており、労働市場の流動性を高め、企業の人材運営を柔軟にする手段として注目されています。企業にとっては、解雇紛争を迅速に解決できるメリットがあり、労働者には新たな選択肢が提供されますが、労働者保護とのバランスが課題です。
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第50回 令和7年度予算概算要求:中小企業経営者が注目すべき重要ポイントと支援策
8月30日に発表された厚生労働省の令和7年度予算概算要求には、中小企業向けの支援策が多く含まれています。主なテーマは「持続可能な社会保障の実現」と「労働市場改革」で、中小企業も賃金引き上げや多様な働き方の推進が求められます。支援策には、業務改善助成金やキャリアアップ助成金などがあり、これらを活用することで賃上げや人材の定着を図り、生産性向上を目指すことができます。
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デジタル給与払いは、給与をデジタルウォレットで受け取る新しい支払い方法で、2024年8月にPayPayがサービスを開始しました。この方法は、従業員にとって即座に給与を確認・使用できる利便性があり、企業にとってもコスト削減や給与管理の効率化に寄与します。また、銀行口座を持たない従業員にも対応可能で、環境への配慮も期待されています。日本での普及が進めば、給与支払いの新たな標準となる可能性があります。
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最低賃金は、企業が労働者に対して支払うべき最低限の賃金を定めたもので、労働者の生活安定と労働条件の改善を目的としています。最低賃金には地域別と特定最低賃金があり、違反には罰則があります。賃金の計算は、時間給、日給、月給、出来高払制に応じて、最低賃金を上回る必要があり、複数の賃金形態が混在する場合はそれぞれを時間額に換算して比較します。最低賃金改定時には賃金額、賃金体系、規則の見直しが重要です。
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中央最低賃金審議会の小委員会は、2024年度の最低賃金を全国平均で時給1054円にすることを決定しました。現在の1004円から50円の引き上げで、過去最大の増加幅です。各地の審議会で最終的な実額が決まり、適用は10月中となる見通しです。中小企業は賃上げを実施する必要があり、早めの対応で「業務改善助成金」を活用できます。この助成金は、生産性向上を目的とした設備投資などの費用を助成する制度です。ぜひ積極的に活用しましょう。
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労働基準監督署の調査対応を誤ると書類送検されるリスクがあり、書類送検後は検察官が起訴・不起訴を判断します。逮捕より軽く見えますが、起訴されればほぼ確実に有罪となります。書類送検だけでは前科はつきませんが、起訴され有罪となると前科がつきます。不起訴でも送検事案は公表され、企業の信用低下や取引先からの信頼喪失、金銭的負担、社内モラルの低下など多大な影響があります。労働基準監督署の調査は非常に厳しく、軽視できません。
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労働基準監督署の調査によって書類送検された企業の事例を紹介します。大手コンサルティング会社の違法残業、人気洋菓子店の過労死ラインを超える長時間労働、賃金不払い、虚偽報告、無資格者のフォークリフト運転、外国人実習生への危険作業、検査証切れのクレーン使用、雇入れ教育の怠慢、労災かくしといった事例もあります。労基署の調査は厳しく、多くの企業が書類送検されていることが分かります。
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労働基準監督署の調査は、企業経営にとって避けては通れない重要な問題です。労働関係の法律を遵守し、適切な対応を心掛けることで、企業の信頼を守ることができます。労働基準監督官の権限や調査の種類を理解し、日頃から準備を怠らないようにしましょう。これにより、突然の調査にも冷静に対応し、労働環境の改善と企業の健全な運営を維持することができるのです。
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労働基準監督署(労基署)は、労働基準法や労災保険法などに基づいて労働条件の確保・改善、安全衛生の指導、労災保険の給付を行う機関です。経営者は税務署の調査には慣れていても、労基署の調査の重要性を軽視しがちです。しかし、労基署の調査で違反が見つかると、会社や経営者個人が書類送検されるリスクがあり、企業イメージや信用力が損なわれる可能性があります。法令遵守と適切な対応を徹底し、労基署との連携を強化することが重要です。
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パナソニックホールディングス(HD)の子会社は、2025年春から新卒社員の初任給を個別に設定するジョブ型人事制度を導入します。この制度は、従業員のスキルや経験に応じて給与を決定する「パーソナル雇用制度」と同じ考え方です。生成AIを活用し、労働時間を1年間で19万時間削減するなど、生産性向上の実績もあります。テクノロジーの進化により、働き方や人事制度は大きく変わり、企業と従業員双方にメリットをもたらす新しい雇用形態の普及が期待されます。
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第41回 高齢化社会と労働力不足への対応:エイジフレンドリー補助金の活用
日本では労働力不足が深刻化しており、高齢者の活用が重要な経営課題となっています。高齢者が安全に働ける環境を整備するためには、健康への配慮が必要です。また、健康経営への関心も高まり、従業員の健康増進が企業の人事施策として重要視されています。エイジフレンドリー補助金は、高齢者を含む全ての労働者が安心して働ける職場環境を整えるための支援制度です。労働災害防止のための設備導入、運動指導と健康チェック、健康保持増進の取り組みなどに対する費用を補助します。
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現代企業にとって人事評価制度の整備は、生産性向上や賃金アップ、離職率低下のために不可欠です。厚生労働省の「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)」を利用すれば、最大80万円の支援を受けて、経済的に効果的な制度整備が可能です。この助成金は、賃金アップを伴う人事評価制度の整備によって生産性向上と従業員定着率向上を目指しています。申請手順は、整備計画の作成・提出、制度の整備・実施、賃金アップと離職率低下の目標達成後に助成金申請を行います。
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2024年6月10日に開催された「賃上げが難しい中小企業のための採用定着戦略サミット2024」では、賃金面での競争が難しい中小企業が企業の魅力を高める方法や、多様な働き方の提供について議論されました。私たち一般社団法人パーソナル雇用普及協会は、個人契約型雇用制度の導入事例を紹介し、企業の魅力向上と情報発信の重要性を強調しました。これからは、従業員から選ばれる企業が生き残るため、柔軟な働き方と企業の魅力発信が鍵となることを確認しました。
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第38回 2025年の年金制度改革が中小企業の経営に与える影響
次回(2025年)の年金制度改革で、中小企業に影響を与えるのはパート社員の社会保険適用拡大と3号被保険者制度の廃止です。パート社員の適用拡大は保険料と事務負担の増加を招きます。これに対処するため、コスト管理の徹底、事務管理の効率化、従業員への説明が必要です。3号被保険者制度の廃止は家庭の収入構造を変化させ、働き方の柔軟性や福利厚生の充実が求められます。企業は制度改革に対応し、経営の安定と従業員の満足度向上を目指すべきです。
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第37回 クリエイティブな働き方の落とし穴:裁量労働制を徹底解説
現代の働き方改革の一環として、多くの企業が採用を検討しているのが「裁量労働制」です。この制度は、特に企画職や専門職などのクリエイティブな業務に適しており、従業員が自己の裁量で仕事を進めることができるという利点があります。しかし、その一方で、適切な管理が求められる制度でもあります。本コラムでは、裁量労働制の概要、メリット・デメリット、そして効果的な労働時間管理の方法について詳しく解説します。
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昭和世代と令和世代の価値観の違いは、働き方や仕事へのアプローチに影響しています。昭和世代は仕事第一で長時間労働を重視し、会社への忠誠心が強いです。一方、令和世代はワークライフバランスを重視し、効率的な働き方や自己実現を追求します。また、デジタルツールの活用やハラスメントに対する意識も異なります。世代間のギャップを埋めるためには、お互いの価値観を理解し、多様な視点を受け入れることが重要です。これにより、より良い職場環境が築けます。
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第35回 時代に合わせた雇用制度の見直し: 転勤と定年の新基準
日本の労働環境は大きな転換期を迎えています。トヨタ自動車をはじめとする大企業が、高齢者の雇用拡大と転勤の柔軟性向上を推進し、70歳までの再雇用を全職種に拡大するなど、従来の終身雇用や転勤制度の見直しが進んでいます。これらの改革は、技術革新の進展と共に、労働市場の柔軟性を高め、多様な働き方を可能にしており、高齢者の経験を活用しながら、若い世代にもライフスタイルに合った働き方を提供する動きが加速しています。
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第34回 合意なき配置転換は「違法」:最高裁が問い直す労働契約の本質
仕事を特定の職種に限って働く人に対し、使用者が別の職種への配置転換を命じられるかが争われた訴訟で、最高裁は労働者の同意がない配転命令は「違法」とする判断を示しました。この判決では、仕事の内容を変更する場合、職場の上司だけでなく、その変更を受ける従業員の同意が必ず必要であると明確にされました。また、労働者と雇用主が平等に話し合い、お互いの同意を基に仕事内容を決めるべきだと判断しました。この裁判の結果、日本の職場では契約の内容がより透明になり、働く人々の権利が守られるようになることが期待されます。
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第33回 経営課題は「現在」「3 年後」「5 年後」のすべてで「人材の強化」が最多
持続可能な成長は、企業に新たな経営戦略を求める現代の最大の課題です。市場のグローバル化、技術革新の加速、環境問題への意識の高まりなどの外部環境の変化に適応し、社会的責任を果たすことが企業には求められています。2023年の日本能率協会の調査では、多くの企業が「人材の強化」を最重要課題として挙げており、これは適切な人材の確保と育成が企業成長の鍵となるためです。また、デジタルトランスフォーメーションの必要性が高まっており、企業は継続的な人材育成とキャリア開発に投資し、多様な才能を育てることが急務です。
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第32回 退職代行サービスの増加と入社後すぐ辞める若手社員への対応
新年度が始まり、特に新入社員からの退職代行サービスの利用が急増しています。ある退職代行サービス会社では、4月初旬に678件の依頼があり、その16%以上が新入社員によるものでした。主な退職理由は、入社前の情報と実際の職場環境のギャップにあります。多くの若者が仕事の内容や労働条件の違いに直面し、精神的または身体的な不調を訴えています。退職代行の増加は、コミュニケーションスキルの低下や対人関係の希薄化も一因とされています。
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第31回 中小企業の新たな人材活用戦略:フリーランスの活用と法律対応
中小企業が直面する主要な課題は、適切な人材を確保することです。市場の変化により、伝統的な雇用だけでは必要なスキルを持つ人材が見つからないことがあります。この問題に対処するために、フリーランスの活用が注目されています。フリーランスとの業務委託は専門性が高く、臨時のニーズに応じて柔軟に人材を確保でき、固定人件費を抑えることが可能です。しかし、2020年秋に成立したフリーランス保護新法(2024年秋施行予定)により、フリーランスとの取引には明確な契約書の交付が義務付けられており、不当な取引の禁止など法的な遵守が求められます。また、フリーランスとの契約においては「労働者性」の判断が重要であり、指示の有無や業務の性質、報酬の形態により労働契約とみなされる可能性があります。
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第30回 「ホワイト」から「プラチナ」へ:働き方改革の未来像
現代労働市場では、「働きがい」と「働きやすさ」のバランスが重要視されています。「モーレツ企業」の高い労働意欲と厳しい条件、「ホワイト企業」のワーク・ライフ・バランスの重視といった対照的なモデルを超え、「プラチナ企業」が目指されています。これらは従業員の自立と能力開発を促し、個々のポテンシャルを引き出すことを目指しています。GoogleやSalesforce、サイボウズなどの事例から、プラチナ企業が従業員満足度と企業業績の向上に貢献していることが示されています。
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新卒の初任給競争が激化する中、一部の企業では優秀な人材を確保するために30万円を超える高額初任給を設定しています。しかし、固定残業制度の適切な管理も重要な課題となっています。この制度は、事前に定められた残業時間に対して支払われ、メリットとして給与の予測容易性と人件費管理のしやすさがありますが、長時間労働の助長や実際の労働時間との不一致などのデメリットも伴います。企業は、初任給の高騰を超えた長期的な人材投資戦略を構築する必要があり、これには継続的な教育、適正な評価制度、働きがいのある文化の醸成が不可欠です。最終的に、企業の持続可能な成長と従業員の個人的成長の実現が、真の競争力の源泉となるでしょう。
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第28回 心理的安全性の力:優秀な人材を定着させる中小企業の秘訣
心理的安全性は、チームメンバーがリスクを恐れず、自由に意見を述べることができる環境を指し、中小企業の人材定着と企業成長に不可欠です。Googleの研究によると、心理的安全性はチーム成功の最大の要因であり、創造性やイノベーションを促します。中小企業は、オープンなコミュニケーションを促進し、多様性を重視し、失敗を学習の機会として捉えることで、心理的安全性の高い職場環境を実現することができます。この取り組みは、従業員の満足度を高め、長期的な成功へと導きます。
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第27回 賃上げラッシュに中小企業はどのように対応すべきか?
2024年春の労使交渉では多くの企業が賃上げを実施していますが、中小企業にとって賃上げは大きなチャレンジです。最低賃金の上昇と社会保険の適用拡大により、企業の人件費負担は増大します。中小企業は業務効率の向上、人材のスキルアップ、価格戦略の見直し、政府支援プログラムの活用などを通じて対応する必要があります。これらの取り組みは、賃上げの波を乗り越え、持続可能な成長を遂げるための鍵です。
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日本の労働市場では、正社員を目指す代わりに、柔軟な働き方を選ぶ人が増えています。特に若年層は「自分の都合の良い時間に働きたい」という理由で非正規雇用を選んでおり、これはライフスタイルや自己実現を重視する価値観の変化を反映しています。しかし、非正規雇用の増加は、女性や高齢者などにおける不安定な雇用と社会保障の問題を引き起こしています。今後は、働き方の多様性を支える政策とともに、全ての労働者が公平な待遇を受けられるような支援体制の整備が重要となります。
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2024年10月より、社会保険の適用範囲が拡大し、従業員数51人以上の企業も含まれるようになります。これに伴い、「年収の壁・支援強化パッケージ」が政府から提供され、特に「106万円の壁」と「130万円の壁」の対応策が提案されています。このパッケージは、社会保険料の負担による手取り収入の減少を防ぐため、企業に対して最大50万円の支援を行います。支援内容には、手当金の支給や労働時間の延長などが含まれ、社会保険適用促進手当を利用した手取り収入減少の防止措置が特に注目されます。この改正は、社会保険の適用拡大に向けた企業と従業員の働き方調整を促し、経営への影響を最小限に抑えるための支援を目的としています。
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2020年4月からの労働基準法改正により、労働契約の際に新たに就業場所や業務内容の変更範囲などが明示されるようになりました。この法改正は、「年収の壁」問題にも影響を及ぼしています。この問題は、社会保険の加入条件を避けるために非正規雇用の従業員が勤務時間や収入を調整する現象を指し、労働契約の不透明さが原因で起こり得ます。改正法は、契約内容をより透明にすることで、このような状況の解決を目指しています。明確な労働契約は、双方の理解と合意のもとで安定した雇用関係を築くために不可欠です。
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2024年4月1日より、労働基準法改正で労働契約締結・更新時の明示事項に新項目が追加されます。全労働者には就業場所・担当業務の変更範囲、有期雇用者には更新上限、無期転換申込機会、無期転換後の労働条件が必須です。就業規則の確認方法も明記が必要。労働条件通知書の整備、有期契約の再確認が求められ、職業安定法も改正、求人時の労働条件明示が強化されます。
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令和3年4月から、企業は70歳までの就業機会確保に努めることが努力義務化されました。これに伴い、「65歳超雇用推進助成金」が導入され、高齢者の定年引上げや継続雇用制度導入などを行う事業主を支援します。この助成金は、65歳以上の定年引上げ、定年の廃止、66歳以上の継続雇用制度導入を含む3コースから構成され、助成額は対象社員数や施策によって異なります。高齢者の活用は、労働人口減少時代における重要な人材確保策であり、国の施策としても70歳までの就業機会確保を推進しています。助成金利用には特定の条件があり、高年齢者の雇用管理に関する複数の施策実施が必要です。
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人材定着とスキルアップのため、リスキリングが世界的に推進されていますが、教育費用は企業にとって大きな負担です。人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」を活用することで、教育や研修のコストを削減しつつ、ハイスキル人材の輩出が可能になります。この助成金は、新製品製造や新サービス提供など、新たな分野への事業展開やデジタル化、グリーン化に伴う人材育成を高率で支援します。訓練経費や賃金の一部が補助され、助成率は中小企業で75%、助成限度額は1億円に達します。
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今回のテーマは「両立支援等助成金」です。この助成金は、育児や介護をしながら働く従業員を支援する事業主に対して提供されます。主なコースは出生時両立支援コース、育児休業等支援コース、介護離職防止支援コースです。それぞれ、男性の育児休業取得、育休取得・職場復帰支援、介護休業取得・両立支援などが対象となります。令和6年1月には「育休中等業務代替支援コース」が新設され、業務代替要員の新規雇用や手当支給が支援されます。これらの助成金を活用し、育児や介護が必要な従業員を支える環境を整えることは、企業にとっても価値ある取り組みです。
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これまでに「キャリアアップ助成金」と「特定求職者雇用開発助成金」の活用方法を紹介したコラムシリーズで、今回は「トライアル雇用助成金」について解説します。トライアル雇用は、求職者を3か月試用し、その後常用雇用に移行する可能性のある制度です。企業はこの制度を使い、求職者の能力や適性を評価しながら、毎月4万円(母子家庭の母または父子家庭の父の場合は毎月5万円)の助成金を受け取れます。トライアル雇用を開始するには、ハローワークに求人票を提出し、トライアル雇用期間終了後には助成金申請を行う必要があります。この制度は、企業がリスクを抑えつつ人材を評価できる手段であり、就職が難しい人々に新たな機会を提供します。
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これまでのコラムでは、人材確保に役立つ助成金について紹介してきました。今回は「特定求職者雇用開発助成金」に焦点を当てます。この助成金は、ハローワーク等の紹介で高齢者や障害者など就職困難者を雇用する事業主に対して支給されます。支給額は対象者の類型や雇用形態により異なり、長期間にわたる雇用を条件とします。注意点としては、求職者をハローワーク等の紹介によって採用することが重要です。直接募集や「オンライン自主応募」による採用は助成対象外となります。中小企業にとって人材確保は厳しい状況であり、この助成金を活用することが効果的です。
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前回は日本企業の人材確保と定着に役立つ助成金を概観しましたが、今回は「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」に焦点を当てます。この助成金は非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を支援し、雇用の質向上を目指します。令和5年度の補正予算で、内容が大幅に拡充されました。助成金の受給には、正社員転換後の雇用定着、選考過程の明文化、賃金増額など一定の条件があります。また、キャリアアップ計画の作成と届け出が必要です。申請は複雑なため、専門家の相談への相談、厚生労働省のホームページなどで最新情報を確認するなどが必要です。
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日本企業の人材確保と定着は深刻な課題で、助成金はこれを支える重要なサポートツールです。政府や自治体は雇用創出や特定労働者層への機会提供を促す経済的援助を提供し、新規採用やスキルアップ、高齢者・障害者雇用などに助成金を使います。例えば、就職困難者を雇用する企業には賃金の一部を補助し、業界未経験者のリスクを軽減するトライアル雇用助成金や、転職・再就職支援、非正規社員の正社員化、高齢者雇用を促進する助成金があります。これらの助成金活用により、企業は多様な人材を確保し、安定した雇用を創出することで、持続可能な成長を目指すことができます。
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現代の労働市場は、リモートワークの普及と労働者の多様な働き方のニーズ増加により、変革の時を迎えています。この新しい環境下で企業が直面する主要な課題は、適切な人材の確保と継続的な定着です。解決策として注目されるのがパーソナル雇用制度です。この制度は、従業員が自身のライフスタイルやキャリアの目標に合わせて柔軟に働き方を選択できる点で優れており、特に新世代の労働者にとって魅力的です。企業にとっても、必要なスキルを持つ人材をプロジェクトベースで効率的に活用し、高い生産性を達成することが可能となります。
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現代の労働市場は大きく変化しており、従来の正社員中心のモデルから多様な働き方を取り入れる「人材シェア」への転換が進んでいます。企業は退職者、フリーランス、副業者などと複線的に関わり、自社だけでなく他社との人材共有を目指しています。ランサーズによると、フリーランスは労働力人口の約20%に達し、リクルートの調査では転職経験のない労働者は2割に留まります。これらの動向は、企業が多様な人材に活躍の場を提供し、柔軟な人材戦略を採用することの重要性を示しています。
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厚生労働省の「新しい時代の働き方に関する研究会」が報告書をまとめました。経済のグローバル化、デジタル化の進展、国際政治の不安定化により企業環境は劇的に変化しています。Web3.0や生成AIなどの技術革新は、新たなビジネスモデルを生み出し、市場の不確実性を高めています。日本の労働市場も、人口減少、少子高齢化、DXの進展により大きく変化しており、労働需要の変化によって企業は人材戦略を見直す必要に直面しています。働く人の意識も変わり、多様な働き方を求める人が増えています。これらの変化は、企業に新たな雇用管理・労務管理のアプローチを求めており、労働基準法制もこれらの変化を反映した形での見直しが必要です。
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ある就活支援企業のアンケートによると、就活生が企業研究で知りたいトップ5の情報は、実際の仕事内容、社風、給与水準、他社比較、求める人材像です。採用活動にはターゲットが求める情報の発信が不可欠です。そのためには、会社、仕事、職場、待遇の魅力を具体的にアピールする「集めない採用」戦略が重要です。会社の特長や社長の個性、仕事の成長・貢献機会、職場の人間関係や活気、労働条件などを明確に発信し、実態とのギャップがないことを確保することが求められます。表面的な魅力だけでなく、実際の職場環境と合致する真実の情報を提供することで、長期雇用につながる良質な採用が可能になります。
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最近の「Z世代」という言葉が注目されています。Z世代は1990年代半ばから2010年代に生まれた世代で、インターネットやSNSを情報源としています。彼らは社会問題に敏感で、ブランドへのこだわりより自分の価値観を優先します。また、職場へのこだわりが少なく、転職を視野に入れる傾向があります。Z世代は「多様性」を重視し、ワークライフバランスやパラレルキャリアに関心が高いです。企業にとっては、この世代が求める多様な職場環境を提供することが、人手不足を解消する鍵となります。現在の採用市場は売り手市場で、企業はZ世代の価値観に合致する職場を提供することが求められています。
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第10回 9割の中小企業が知らない「すごいハローワーク採用」のやり方(後編)
今回のコラムでは、ハローワークの求人サービスがどのように進化しているかを紹介しています。特に、ハローワークインターネットサービス(HWIS)の利用が焦点となっています。HWISは、求人者と求職者がそれぞれマイページを開設し、求人の申込み、内容の変更、応募の受付、応募者管理、通信、および選考結果の報告がインターネットを通じて行える無料サービスです。さらに、求人者は求職者情報を検索し、「直接リクエスト」によって積極的に応募者を募ることも可能です。これらの機能は特に中小企業にとって魅力的で、利用しない理由がないほどです。
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第9回 9割の中小企業が知らない「すごいハローワーク採用」のやり方(前編)
企業が採用活動を行う際、一般的に求人広告や人材紹介会社などを利用することが多いですが、最初に検討すべきはハローワークへの求人出稿です。ハローワークは厚生労働省が運営する公共の就職支援機関で、最近は進化しているため、様々なメリットがあります。これらのメリットには採用コストの削減、多数の求職者へのアクセス、求職者からの信頼獲得、求人掲載期間の延長のしやすさ、助成金の受給可能性などがあります。ハローワークを通じての採用は、広い年齢層の求職者に対して企業の信頼性を示し、費用効果的な採用活動を支援します。
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第8回 中小企業のための「集めない採用」~ まだ穴のあいたバケツに水を入れ続けますか?
中小企業は採用に悩んでおり、伝統的な大量の応募者を集める方法に疑問が生まれています。早期退職が多いのは、労働環境や条件の不備から来る「穴のあいたバケツ」現象のためです。解決の鍵は「働きやすい環境」の整備と、企業の価値観に合った「集めない採用」へのシフト。この方法は、採用の「見えないコスト」を削減し、真に必要な人材を獲得する効果が期待されます。
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第7回 そもそも「正社員」って何ですか? - 新たな雇用形態を模索する時代へ
日本の労働市場で「正社員」は長く優越的位置を占め、安定した雇用や福利厚生と引き換えに会社のあらゆる指揮命令への従順が求められてきました。しかし、これが現代の多様なニーズやライフスタイルに合致しているかは疑問です。特に、長時間労働や家族とのバランスの問題が浮き彫りになっています。最近、働き方や労働時間に制約を持つ「限定社員」という新しい雇用形態が登場しています。しかし、「正社員」の定義が曖昧になってきており、「正規」「非正規」という既存の区分は時代遅れとなりつつあります。新しい雇用形態を模索する時代の中で、私たちは「パーソナル雇用制度」を提案しています。
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第6回 成功事例から学ぶ!パーソナル雇用制度を導入した企業の変革と成果
現代の多様な働き方を求める社会に応える形で、「パーソナル雇用制度」の導入が注目されています。この制度は、企業が従業員一人ひとりのニーズやライフスタイルに合わせた働き方を提供するもので、多くの企業で実践されています。今回のコラムでは、このパーソナル雇用制度を取り入れて実際に成果を上げた企業の具体的な事例を3つ紹介しています。それぞれの事例からは、企業が従業員の多様なニーズに柔軟に応えることで、優秀な人材を確保したり、離職率を低減したりするメリットが明らかになりました。従業員の満足度を高めることは、生産性や業績の向上に繋がるという実証も得られました。この制度の導入は、持続的な企業成長のための新しいキーと言えるでしょう。
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日本の労働市場は「売り手市場」へと移行しており、企業の採用戦略も変革を迎えています。その象徴として「パーソナル雇用制度」が注目される中、大手金融機関「日本生命保険」が高度な専門性を持つ人材に最大5000万円の年収を提示する方針を打ち出しました。一方、中小企業では高額報酬よりも「働きやすさ」を競争力として、優秀な人材を惹きつける必要があります。パーソナル雇用制度は、今後の採用戦略のキーとなると考えられます。
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労働人口の減少と安定志向の求職者増加で、中小企業の採用は厳しさを増しています。しかし、これからの採用戦略は年収だけでなく、働き方の柔軟性がキーとなります。従業員のライフスタイルを尊重した「パーソナル雇用制度」を採用し、柔軟な働き方を提供することが、中小企業の新しい魅力となるでしょう。
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第3回 プロ野球選手の年俸更改を参考にしたパーソナル雇用制度
「パーソナル雇用制度」は、プロ野球の年俸更改・FA制度を参考にした新しい雇用の形です。この制度では、年毎の個別契約更新が基本となり、より有利な労働条件を選べます。ただし、契約に合意できない場合の対応が課題となり、それを解決するためのバックアップシステムの導入が考えられています。
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第2回 パーソナル雇用制度とは? 未来を切り開く働き方の提案
現代の多様なライフスタイルやテクノロジーの進化に応じ、働き方の新しい形として「パーソナル雇用制度」が浮上しています。これは個人のニーズやキャリアに合わせた個別の労働契約を基にする制度で、従業員と企業が毎年条件を交渉する仕組みです。従業員の自主性やモチベーション向上の利点がある一方、契約管理が複雑化するという課題も。しかし、技術の活用でその課題も乗り越えられる見通しです。この制度は、新しい時代の働き方を切り開く可能性を持ち、企業と従業員の成長の鍵となると期待されています。
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これからの日本は労働力人口が減少し、企業において従業員の確保をすることが難しくなる「労働供給制約社会」に突入します。また、コロナの影響でテレワークや副業が増え、働き方も多様化しています。そんな中、中小企業ではどのように優秀な人材の確保・定着を図ればよいのでしょうか?この問題を解決するための新しい雇用制度のご提案をしています。
プロフィール

一般社団法人パーソナル雇用普及協会
代表理事 萩原 京二
1963年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒。株式会社東芝(1986年4月~1995年9月)、ソニー生命保険株式会社(1995年10月~1999年5月)への勤務を経て、1998年社労士として開業。顧問先を1件も持たず、職員を雇わずに、たった1人で年商1億円を稼ぐカリスマ社労士になる。そのノウハウを体系化して「社労士事務所の経営コンサルタント」へと転身。現在では、200事務所を擁する会員制度(コミュニティー)を運営し、会員事務所を介して約4000社の中小企業の経営支援を行っている。2023年7月、一般社団法人パーソナル雇用普及協会を設立し、代表理事に就任。「ニッポンの働き方を変える」を合言葉に、個人のライフスタイルに合わせて自由な働き方ができる「パーソナル雇用制度」の普及活動に取り組んでいる。
Webサイト:一般社団法人パーソナル雇用普及協会