イノベーションの結節点が始動
東京都が主催するイノベーションの結節点「Tokyo Innovation Base(TIB)」が5月の本格稼働を前に、スタートアップ(SU)やその支援者向けコンシュルジュサービス(個別相談)や登録制による一般利用などを始めた。
TIBはイノベーションを起こす多様な国内外のプレーヤー(SU、大企業、ベンチャーキャピタル、自治体など)がつながりあい、革新的なアイデアや技術で社会を前進させる挑戦者を生み出す場。「グローバル」「グロース」「コラボレーション」「コネクト」という4つのキーワードを掲げ、昨年11月にプレオープン。140社を超えるパートナーが3月までに50超のイベントを開催し7000人超が参加する見込みという。
5月の本格オープンまでに機能を拡充、ハード系SUのプロトタイピングをサポートする「FAB」、テストマーケティングの「SHOP」、ビジネスプランの壁打ち「STUDIO」、支援機関や投資家、企業などが交流できる「SALON」などを設ける。
2月14日に開催したメディア向け説明会に登場した東京都の宮坂学副知事は「都は5年後にユニコーンを10倍、起業家を10倍、協働実践数を10倍にする10×10×10のイノベーションビジョンを掲げている。そのNODE(結節点)がTIBであり、(人が集まり、つながる)プラットフォームになる」と話した。
続いて登壇した経済産業省通商政策局の松尾剛彦局長は「SUが世界で活躍する場を、大企業はSUとのオープンイノベーションを求めているが、もっともっと加速する必要がある」と強調。その上で「(TIBを主催する)東京都の役割は大きい」と指摘した。
東京都はTIBの本格オープに合わせて、5月15、16日に東京・有明の東京ビッグサイトで、持続可能社会をテクノロジーで実現するイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」を開催する。
「未来の都市とイノベーションを構想する」「テクノロジーの未来を語る」「スタートアップを育む」の3つの観点から30超のセッションを実施するほか、世界43カ国・地域から507社の応募があったピッチコンテストを行う。東京都スタートアップ・国際金融都市戦略室の吉村恵一室長は「多様なプレーヤーが世界から東京に集まる。都市の持続可能性について複合的な切り口で議論する。アジア最大規模のイベントになるので盛り上がる」と参加を呼び掛けた。