端末料金を軽減するトリスマ0 ニューズドテックが顧客開拓を本格化 10月から個人向けも
中古スマートフォンなどモバイル端末の買い取り・販売などを手掛けるニューズドテックは、利用時間で支払う料金が変わる従量課金システムを採用した中古スマホレンタルサービス「トリスマ0(ZERO)」(写真)の顧客開拓に本格的に乗り出す。7月の法人向けサービスの開始に続き、10月から個人向けも始める。貸し出す端末も現行のAndroidに加え、来年度中にはiPhoneも投入する。
トリスマ0は「端末代金を削減したい」という法人からの要求に応じて開発した。事前にスマホにインストールした自社アプリ「トリスマアプリ」で利用時間を計測し、利用分だけ課金する。10分ごとに加算され、月100時間以上で一定額となる。ライトプランの場合、最大600円(税別)だ。0円からスマホをレンタルできることから、使わなければ0円(レンタルによる端末保証として月額300円が発生する)ですむ。
使っていないスマホのコストを最小限に抑えられるため、「利用頻度は高くないが、スマホが手元にないと困る」という顧客に打ってつけのサービスといえる。
また運用開始後は一定割合で故障が発生するが、そうした面倒な対応も不要という。トリスマアプリは利用時間の料金管理に加え、それぞれの端末内部の状態を把握できる診断機能を備えているからで、利用者自らがチェック。最も心配するバッテリーの劣化状況も含め不具合が見つかるとアプリ上で交換手続きを行える。管理担当者は端末管理システムを閲覧することで、どの端末が交換申請を行ったか分かる。
トリスマ0のターゲットは利用時間が月100時間以下で、Wi―Fiを主に使う人。国内市場規模は約3500億円を見込む。このため7月の提供開始に合わせ、法人の管理部門のほか、イベントや旅行、研修などスマホの利用頻度が限られるサービスを手掛ける企業・団体を対象にアピールしてきた。
中でも導入効果が大きい中小企業への売り込みに力を入れる。社員10人の場合、端末購入をトリスマ0に切り替えることで月額3万円超のコストダウンを図れるという。すでに約20社と契約し、140台の中古スマホを貸し出している。
今後は、社員が1000人を超える大企業も狙う。訪日外国人客(インバウンド)が利用するホテルなどを第1ターゲットとして営業攻勢をかける。
同社は持続可能(サステナブル)な社会の実現に向け、中古スマホ市場の拡大に取り組んできた。SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりや、品質が良い製品を安く長く使いたいという顧客ニーズが増えていくとみているからだ。そのために「モバイルによって起きる不便をなくす」をミッションに掲げ、「中古はいつ壊れるか分からない」「動作に不安がある」「バッテリーの劣化が早い」といった消費者の中古スマホに対する不安や不便の解消に精力的に取り組んでいる。