水星の速度と逆行で仕事の風向きを読む

今回は太陽に最も近い惑星、水星の効果を紹介します。

水星の動きを読むことで、日々の進捗管理やプロジェクト達成に役立つため、情報通信時代の社長様やビジネスパーソンの方々はご記憶されることをおすすめします。

１．水星についての基礎知識

まずは天文学の視点からおさらいします。

水星の公転周期は88日、太陽に近いため太陽との最大離角は28度です。

占星術において、水星は天空のネットワークエンジニアやインフラ管理者とでも言うべき位置付けです。会話・メール・メッセージ、通勤や通学お出かけのような移動、そして荷物を運ぶ運輸運搬等が主な管轄です。

古代においては言葉や運輸などが管轄でしたが、現代社会においてITの情報通信が加わり、日々の動きに注目されるようになっています。

水星は重大な現象は引き起こさないと考えられていますが、日常生活レベルへの影響は顕著であり、情報通信が一般化した現代社会では無視できません。

２．天動説的な順逆進行と影響

実は惑星の移動方向は、占星術において非常に重要です。

まず、黄道軌道を東から西へ動く太陽の向きを「順行」と呼称します。位置関係から、速度変化や停止、太陽と逆に進む等々、見かけ上の動きが変わる減少もあります。

太陽と逆方向に移動する現象を「逆行」と呼称し、物事の進行度に当てはめる手法が存在します。惑星が軌道を逆向きに動く事などあり得ませんが、占星術では天動説の視点で捉え、見かけの動きも判断に使います。

この惑星順行・逆行の概念を以下に図解します。


ちなみに太陽と月以外は逆行現象が発生します。

３．逆行時になにが起こるのか？

水星の順行逆行は、日々のビジネスの調子や風向きを読むために使う事ができます。

逆行でどのような現象が誘発されるかを列挙します。

　水星逆行現象

　・プロジェクトや作業状況の風向きが変わる
　　→お客様や上司等の方針が変わる
　　→物事の進みが遅く感じられたり、様々な要因で遅延し始める
　　→問題が発見され、手戻りや調整が必要になる
　・運輸や交通におけるトラブル解決負担が普段より増加する
　　→遅延や遅配の原因が深刻である点が判明する

上記は水星の例ですが、他の天体でも効果は近似的です。

実際には運行する星座によるブレンド、他の惑星との状況等を総合的に判断します。

人や組織等の出生時における惑星配置状態、逆行中の惑星との位置関係等で影響の大小が変化します。

４．逆行をビジネスに役立てる

逆行をビジネスで利用するための、具体的な手段を列挙します。

　・水星の速度に意識を向ける
　　→早い際は多忙さの負荷に注意する
　　→速度低下時は進捗速度の低下に注意する
　・シャドー期間は後々の手戻りを念頭に置いて作業を進める
　・逆行、順行タイミング近辺は、顧客・上層部等の方針転換、問題発覚等を警戒する
　・逆行期間は以下の現象に心構えて作業する
　　→遅延、遅配、復旧までの時間増加
　　→手戻り、やり直しの必要性発覚
　　→進捗が進まない不安・ストレス等
　　→メールやメッセージの誤送信
　　→間違って伝わる意図、コミュニケーション不足
　・逆行中は、約束や契約締結を避ける
　　→ミスや見落としが隠れている可能性が高い
　　→後になってからやり直したくなる事もある

社会人や経営者であれば、どれも体験されたことがあるはずです。

当然ながら、逆行に関係なくこのような現象は常に発生します。が、逆行中はこれらが「誘発」されたり「深刻化」しやすくなるという点が特徴です。

水星逆行は占星術師の間でも評判が悪く、買い物や旅行等は逆行前に済ませるよう、警告記事が発表される事もしばしばです。幸いにも、人生を変えるほどの影響となる程の影響は出にくいのですが、積み上がるミスは避けたいものです。

５．逆行を軌道補正のチャンスと捉える

水星公転周期は88日と短いため、逆行は年に数回発生します。

そして実はこのコラムを発表した近辺は既にシャドー期間に入っており、逆行直前です。

シャドー期間は水星の速度が低下し、他の惑星との位置関係等によっては計画が間延びしたり先延ばしが出やすくなる事もあります。

しかし逆行は、行き過ぎたり誤った方向に進む計画や作業状態を軌道補正・調整できる良いチャンスでもあります。逆行中に限界を感じたり、進むのが難しいと感じたのなら、周囲を見渡すことが賢明です。

また、逆行期間中の努力と献身は、順行に戻る近辺で経験値として大きく役立ちます。仕事に詰まった時、まだ先に進める可能性を検討し、スケジュールを再調整するかどうかの判断・決断にも有効です。

反面、逆行だからどうせ進まないと諦めてしまった場合、順行に戻った際に問題が悪化するケースもあります。

６．逆行中の対策

実は逆行時において、問題を切り抜けるコツのようなものが伝承されています。

・過去に成功し安定した手法や手段を使う
・言葉遣いに注意し、誤解されるような含みは取り払う
・急がば回れの精神で、心と作業計画に余裕を持つ
・メールやメッセージ送信時、宛先はしつこい位再確認する
・出勤通学お出かけ出張は、余裕を持って迂回路を準備する
・契約書の隅っこに記載された、小さい注意書きを見落とさない

ちなみに牡牛座とブレンドされた水星逆行は、財政支出や価値観等を見直し、健全な収支への軌道修正が推奨されます。

７．現実世界での利用例

私自身も当コラムで怪しい講釈を垂れるのみではなく、実践で利用しています。

お客様の迷惑にならない程度に判断し、進まない時のスケジュール指標に留める事は守っていますが。それでも水星逆行中のIT機器操作、セキュリティ設定等は用心深く対応しています。逆行中にITサービスが突然停止、機器類のトラブルが深刻化する等といった経験もありました。

冥王星等と比較すると症状が軽めなので、逆行時の強烈な記録はあまりありません。が、水星逆行はアメリカの選挙で影響が発生したケースがあります。2000年のゴア候補の敗退、トランプがらみの大統領選集計ミス等に逆行時期のトラブルが伴っていることが濃厚です。

ちなみに私の知人は、卒業論文で水星逆行に遭遇し再提出となりました。１からやり直し、順行化近辺でOKを頂けたとのことです。

また、弊社の占星術サイト では、水星が逆行時の期間や解説等を掲載しております。
無料ですので宜しければご覧ください。

８．次回予告

次回は「木星視点で計画する年間目標と精神面の成長」を予定しています。

１年で１つの星座を移動し、ビジネスの拡大と発展を司る幸運の星を紹介します。

今回はここまでとなります。お付き合いありがとうございました。
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