マーケッター山本康博の気になる商材と先取りトレンド分析

第2回

少子化待ったなし!対策として結婚新生活支援事業の一環で世帯最大60万円がもらえるかも

株式会社 ビジネス・バリュー・クリエイションズ  山本 康博

 
厚生労働省の最新の人口動態2024年速報値で、都道府県別の合計特殊出生率は8年連続で1.20となり、すべての都道府県で前年よりも低くなっています。メディアでも大々的に取り上げられている通り最も低かったのは東京都で0.99と初めて1.0人を下回りました。低いのは次いで北海道1.06、宮城県1.07、秋田1.1と北海道東北が比較的低くなっていて、逆に高いのは沖縄県1.60、宮崎県、長崎県1.49、鹿児島県1.48、熊本1.47,福岡1.46と西日本が若干高めの傾向となっています。

それにしても国は戦後、どの時代でも“少子化対策は待ったなし”と言い続けているが、現実には有効な対策ができていないのは問題だと感じる。出生率が戦後3.0超えから1955年頃には全国平均2.0付近と激減してから現在の1.2までほぼ横ばいで昨年比0.06微減と、それほど急激には変わっていない状況です。

東京都だけで限ると1960年代は戦争終了による団塊のジュニアが成人になるころに3.0程度と少子化しないレベルとなっていますが、全国平均でみると1950年代後半に2.0付近になったのは変わりません。特に失われた30年といわれる1991年バブル崩壊から30年間も含めてほとんど上がっていません。少子化は明確に結婚との相関関係があり、婚姻率低下とともに出産、子育ての負担が大きいと感じられていることが最大の原因になっていると考えられます。

婚姻率低下は、切実な経済的不安、終身雇用制度の現実終了や社会の不安定性、教育費高騰、女性の社会進出、そして都市集中化による生活コストの増加などで結婚する人が減ったのが原因だと考えられます。現に、令和2年人口問題研究所、国が行った調査では、結婚に踏み切れない理由に結婚資金と回答した男性43.3%、女性41.9%と回答していて半数近くにのぼることがわかっています。
(以下筆者作成 婚姻率、出生率グラフ参照)




実数値で出生数は62万人で死亡者数は125万人となり、一日当たりに換算すると、生まれたのが1,700人、死亡3,430人と産まれる倍以上の国民がなくなっています。年間では、86万人も減少しています。86万人とは、広島県85万人、兵庫県84万人、静岡県78万人と同程度です。毎年これ以上の人口が減っているわけです。

筆者が考える少子化対策としては、社会の安定や所得の倍増は当たり前としても、日本の将来に希望が見えるような施策を国家として行い、告知していないからではないかと感じる。現在、東京都などでは婚活アプリなど提供して婚活支援を行っていますが、それよりも結婚をしたら経済的にこんないいことが待っているというような実利が得られるもののほうが即効性は高まると思います。

2021年から結婚助成金として要件が若干緩和され世帯年収540万円未満で39歳以下、それ以外もすべて満たせば30~60万円貰えるなどはありますが共働きであれば所得制限を超えてしまう人も多いでしょう、結婚支援金でも問題は現在全国市区町村1,700のうち300ほどでしか実施していないという現実となっており、東京都など都市部のほとんど該当しません、これでは抜本的な解決には程遠いでしょう。もっと積極支出を検討しないと現実的には婚姻数は増えません。

婚姻数を増やすために、例えば結婚したら子ども手当のように夫婦手当として子どもが成人になるまで月5万円支給などこれくらいならできるはずだと感じます。現在、主眼として少子化対策と言っても生まれた世帯=選挙権のある人に充実した補助を行うという状態で、婚姻や出産に関しての補助は少ないと思わざるを得ません。


※本記事の内容は公開時点の情報ですので各種法令や詳細要件情報などは更新されていることがあるので、各自治体へ最新情報を確かめてください。

※参考 内閣府資料ページ 令和4年 リンク:

*参考:日本国年齢別人口数




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プロフィール

株式会社ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表
山本康博(やまもとやすひろ)

1965年東京都出身、21歳でアメリカ留学から中途帰国でサラリーマン、伊藤園、日本コカ・コーラ、JTと20年間勤務。2020年損害保険ジャパンにて顧問。何も無いところから、お客様が気づいていないヒット商品やブラマネ組織を作り出す達人。常にクライアント経営側を意識してお客様視点から商材を立案。予算ゼロでもヒット新商品を世に出した叩き上げキャリアブランドマーケッター、現在でも複数のメーカーにて現役ブランドマネージ指導、マーケティング顧問として活動。潜在ニーズ研究家。東京オリンピック2020フィールドキャスト、2022年読者が選ぶビジネス書で総合グランプリ受賞した”1日1話365人の仕事の教科書”の中の一人として8月1日を執筆。

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