今更聞けない?!技術屋が語る、話題のChatGPTで人手不足解消
第2回
ChatGPTの驚くべき能力
株式会社ANGEWORK 桐生 雄洋
日本語を理解し、日本語を出力する頭の良さ
ChatGPTを始めとする自然言語処理AIは、日本語への理解が非常に優秀です。
トークンと呼ばれるパケット制限のような概念は、日本語より英語の方が少なくなり効率的です。しかし日本人としては、やはり母国語で相談するほうが確実です。
詳細は省きますが、この進化はBERTと呼ばれる言語解析と感情表現の基盤システムによるものです。今までも様々なチャットAIが生まれては消えていきましたが、この文節解釈に改革を起こしたと言っても過言ではありません。
Word/Excel/PowerPointに時間を掛けるのは無駄?
今年の春、Microsoft 365 CopilotというChatGPTベースの新機能が発表されました。
Microsoft 365 Copilot をリリース – 仕事の新たな形を創造
https://blogs.windows.com/japan/2023/03/28/introducing-microsoft-365-copilot-a-whole-new-way-to-work/
提案書作成、メール生成、スライド作成、グラフ描画と分析、それらの編集や要約そして書き直し等も自由自在です。
コラム執筆時点(2023年6月8日) では提供開始時期未定ですが、Officeに時間を掛けるのは古いとまで言われてしまいそうです。
画像、映像生成の驚くべき性能
巷では既にAI生成した漫画が商業デビューする程の活況です。
ChatGPTは単体では画像を生成することはできません。が、手段は存在します。開発元であるOpenAIは、GPTベースの画像生成サービスを発表しました。
DALL・E(デリー)
https://openai.com/research/dall-e
画像の生成には支払いが必要となります。クレジットという単位で購入し、消費する形で生成を行います。
生成された画像の例:
LINE社は画像生成をするAIと友達になると、生成機能が使用できるサービスをリリースしています。
GPT AIチャット
https://page.line.me/670bvrny?openQrModal=true
また、アスキーアートなら無料版でもある程度生成できるようです。掲示板で見るような本格的なものは不可能でした。
手塚治虫プロダクションは、GPTで作成したブラックジャックの新作を公開予定です。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/12/news168.html
楽曲生成や歌詞も自由自在
楽曲は歌詞とメロディに分類されます。
歌詞は文章生成なのでChatGPTが元々得意とするところです。
しかし楽譜やmp3を出力するまでには至っていません。ですが、音楽の教科書やMIDI音源等で使われている、C:ド D:レ E:ミ、、、といった「コード」での情報を出力する事が可能です。
国家管理と法律規制は時間の問題
生成系AIの問題は明確です。
著作権で保護されたり、善意で成り立っているネット上で公開された情報を、勝手に取得し学習データとして利用しているという点は重要です。
特にクリエイターや同人誌等を販売するビジネスでは、既にAI生成作品を分類したり排除しており、危惧している事が伺えます。
フェイク情報や詐欺に応用されており、制限が入るのは時間の問題です。しかしそれは生成系AIが廃れる事を意味しません。正しい方向に向かっているという見方も可能です。
内閣府はすでに戦略会議を開催しており、注目度の高さが伺えます。
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui069/haihu-069.html
プロフィール
株式会社ANGEWORK
代表取締役 桐生 雄洋
株式会社ANGEWORK 代表取締役。
大手電力会社・家電メーカーのSEを経てIT開発専門会社を設立。今も現役として日々設計実装をこなし、有名企業から駆け込み寺として、AI、ドローン、LiDAR、光学・医療機器関連他のIT開発依頼を多数請け負う。
己の器を覚るため魔術・占術を幼少より独学で研究。SEとして培った知識を活かし自社サイトにて占星術自動計算システムを公開中。先の見えない現代に占術をビジネス活用の指針として実現させる事を目指す。
Webサイト
株式会社ANGEWORK
ANGEWORKの西洋占星術