起業1年目の教科書

第2回

弱みよりも強みを徹底的に伸ばす

一般財団法人 立志財団  坂本 憲彦

 
「起業したのですが、なかなか売上が伸びません」こんな悩みを、よく相談されます。起業した当初は、思ったように売上が伸びないことがあります。そんな時に売上や利益を伸ばしていくには、自社の強みを徹底的に伸ばしていくということが大切です。

私も1700名以上の起業家予備軍の方に指導を行ってきましたが、多くの方が、売上高の少ない商品の売上を伸ばそうと努力されています。ただ、短期間に業績を上げたいのであれば、最初に取り組むべきことは、今すでに売上が多いところを伸ばしていけないか考えるべきです。
例えば、1000万円売れている商品と、100万円売れている商品の売上を、10%ずつ増やすと、それぞれ、100万円と10万円の売上増になります。ただ売上を10%増やす労力は、どちらも大差はありません。ですから、まずは自社の中で売上比率の高い商品の売上を伸ばすことが、重要になってくるのです。

会社を立ち上げた当初は、人・モノ・金などの経営資源が非常に限られています。ですから、徹底的に自社が強みを発揮できるところに、資源を集中させていくことが大切になってきます。

実際に私も、強みに資源を集中させた結果、業績が上がった経験があります。取り扱っていた商品は、能力開発の教育プログラムです。当初は、体験会やセミナーなど、対面での直接指導が中心でした。でも、なかなか売上は増えていきませんでした。そんな中、eラーニングで学べる講座を開発しました。そうすると、徐々にですが、利用者が増えるようになったのです。
そこで、私は思い切って強みに集中するために、それまでに行っていた体験会やセミナーなどを中止しました。そして、eラーニングの受講者を増やすところに人員と広告費を集中させたのです。
その結果、体験会やセミナーからの売上は、ほとんど無くなりましたが、eラーニングからの売上が大幅に増加し、前年の2倍以上の売上を上げることができました。また、別の教育プログラムの販売でも同じように、売上の伸びている商品に、人とお金を集中させたことによって、前年比で30%以上の売上を増加させることができました。

このように自分の強みに集中していくことは、起業当初の会社の業績をアップさせるには、とても有効です。弱みを克服することも大切ですが、強みを伸ばしていくことこそが、起業当初の業績を一気に伸ばす起爆剤となるでしょう。
 

株式会社ナレッジアクション
代表取締役 坂本憲彦

銀行を退職後、「好きなことをして、自由に生きる人を育成する」を理念に、1700名以上に起業家教育を行う。自身も起業家として、オンライン講座の運営、ビジネスセミナーのプロデュースなどを行う。


Webサイト:一般財団法人 立志財団

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