ビジネスを続けるコツ~士業の巻

第2回

ビジネスを続けるコツ~士業の巻 プロになると決める

アイリス行政書士法人  角野 浩

 

どの業界にも既に「プロ」がいる

 私がかつて良く読んだビジネス書の著者の一人に斉藤一人さんがいます。その一人さんの「人生が全部うまくいく話」の中に「サラリーマンの人が、脱サラしたとき、『赤提灯の燒鳥屋くらいできるだろう』と思ってやるけど、それじゃ駄目なの。」 という話があります。「燒鳥屋さんだって、プロがいっぱいいるんだから。プロの燒鳥屋になるってのは、長年の年季もあれば、お客とのかけあいもあるし、もうね、仕入もあるし、味付けもあるし。大変なことなの」と書かれています。 

    これを読んで、「行政書士」という仕事も同じだと思いました。私が行政書士を開業した、1997年8月の時点でも、先輩の行政書士がいて、「プロ」と呼ばれる方がいて、その中に全く未経験の者がその中に入って行くわけです。当然既に、一定の分野で行政書士の分野で依頼をされている会社や個人の方がいて、元々私「行政書士」という仕事を始めなくても、その世界では、いわば足りている状態なのです。「もう間に合っています。」ですね。

    ですが、それならば、新規参入者がその一定の分野で顧客やサービスの受注を受ける可能性がゼロかというと、実はそうではありません。

 例えば、既にある行政書士に依頼しているのだが、どうも行政書士に満足していない、よく言われる「顧客満足」ができていないことがあります。その場合、その顧客は機会があれば、他の行政書士に依頼する可能性があります。 

    あるいは、まだこれまでの行政書士が手を付けていない分野を自分の得意分野にすることで、顧客を獲得することも考えられます。「すきま」「ニッチ」戦略と言い換えても良いかもしれません。

     ただ、新規参入者には、いかせん実績がありません。そこでどうするか。「プロ」となれる分野を作るため、どうするか。

「プロになると決める」

     私はこれまで先輩の行政書士が手がけていない分野を決め、その手続きの宣伝チラシを一定の業界のみに向けて飛び込み営業で配ることを考えました。ちょうど当時法改正などの動きが出ている、業界の人達も非常に関心のある分野でした。飛び込み営業の方法は、前回書きました、タウンページを使ってのものです。もちろん門前払い的なところがほとんどでしたが、中には飛び込みであったにもかかわらず、会社の中に通され、20分くらい話ができる場合もありました。


     その中に本当にわずかでしたが、ある会社ではその分野に非常に興味があったようで、後日事務所に電話がありました。「話をもう少し詳しく聞きたい」とのこと。もちろんすぐに飛んでいきました。

 また、別の会社の営業所長は、「自分はこの会社を辞めて独立したいと考えている。話を聞きたい」ということで、やはり後日電話がありました。そして、当時手狭だった私の事務所にその方が訪れました。

     これらは、その後話が進み、業務の受注に至ります。そして、前者の会社とはその後いくつかの手続きの依頼が続き、また後者の営業所長は、その後独立の際に会社設立のお手伝いをし、許認可のお手伝いも行うことになり、約20年経った今でもお客さんで、お付き合いが続いています。 今は、従業員数十人の会社の社長さんになっています。

    【今回の教訓】

どの業界にも「プロ」が既にいる。そのプロに勝つために自分も「プロ」となれる分野を決めること。 


 

アイリス行政書士法人
代表社員 角野 浩


1961年8月28日生まれ乙女座 血液型A型
兵庫県神戸市出身
1980年兵庫県立兵庫高等学校 卒業
1984年関西大学法学部政治学科 卒業
1997年「角野行政書士事務所」を開業
2008年 アイリス行政書士法人設立、代表社員に就任


大学時代、ゼミ論でドイツ政治史を書き、関西大学法学会誌に入賞し賞金2万円をもらったことが唯一の自慢。
高校生、小学生2児の父親でもあります。趣味 ジャズレコード収集、スポーツクラブなどで体を動かすこと。中学時代のブルースリーの影響もあり、少し前まで格闘技系のエクササイズにはまっていましたが、最近は、ヨガにはまっています。


【役職・保有資格】
行政書士登録番号平成9年第97265601号
大阪府行政書士会会員番号第3962号
法務省入管申請取次行政書士阪行第06-198号
IBS事業協同組合顧問
日下部機械株式会社顧問
株式会社ソルテック顧問
株式会社ブレインズワン顧問
株式会社エイチ・アイ・シー 顧問


Webサイト:アイリス行政書士法人

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