第9回
【アンドワーカー協同組合】代表理事:籠重誠二さん
株式会社アゴラ 柏木 太郎
コラム「外国人材採用への道」は、外国人材のプロフェッショナルである「監理団体」や「登録支援機関」の代表に外国人材採用に関するノウハウを教えていただくインタビューコラムです。今回のインタビューは、人と人を繋ぎ地方企業の活性化を目指す、アンドワーカー協同組合の籠重代表理事に外国人材採用に関するお話を伺いました。
人と人を繋ぎ、地方企業を活性化する
監理団体を始めた経緯
以前から、国際貢献や人材育成に興味があり、いつか業務に携わりたいと考えていました。
全国でおこる様々な事件や失踪する案件に、実習や就労に来日している外国人だけが悪い訳ではなく、(もちろん問題を起こした本人にも責任はありますが)雇用する側、監理団体にも問題があるのではと、友人でもある副理事の木田が外国人の登録支援業務をおこなっていたので、相談をしてみたところ、同じ思いで登録支援を始めたことを聞いて組合の設立に踏み切りました。
私たちは、企業としても、人材を育成して、海外で日本語が話せ、実習で学んだことを自国でも生かせるように海外にも会社を立ち上げ雇用できるように将来設計を企業様とも話し合って進めています。その為一緒に視察にも同行し、5年ごとに計画をたて、活動しています。非営利団体で組合は赤字ですが、もともとが、経営者の集まりで起ち上げているため、企業の活性化と実習生とのつながりを大事に、地方の企業を活性化させたいという強い想いがあります。
監理団体の特徴
まだ、認定がおりて1年足らずの組合ですが、和歌山・大阪を中心に活動しております。受入れ国はベトナム・インドネシア・ネパールからの受入が可能となっております。新たに検討中の国として、ラオス・ブータン・モンゴル等を検討しています。
企業ニーズに合わせ受入国を増やす
各国それぞれの職業分野の強みがあります。また、近年ではベトナム人の評価が日本で下がってきているのも事実です。報道が流れたら、大丈夫?と相談は受けますが、日本人でも悪いことをする人もいれば善良な人がいるのも同じで風評によります。
当組合は上記でも述べたように実習を終え、母国での就労先の事を考え、企業様が進出出来そうな受入れ国を基準に増やしています。
監理団体のビジョン・ミッション
悲しい現状として、外国人がおこす事件や失踪は、起こした本人だけで無く、雇用する日本の企業側、監理団体にも責任があると考えており、私どもは実習生を我が子と思い、寄り添いながら、組合に加入される企業様にも賛同して頂いた上で組合員になって頂いております。お互いに向上し、助け合いが出来ることを期待し、実習生を受け入れている企業様同士、実習生同士で交流するイベント等を企画しています。
その為に、監理団体が理事、社員共に掲げた理念を曲げることなく向き合っていくことが重要だと考えております。
アンドワーカー協同組合の強み
①交流イベント
イベントの目的としては、近くの実習生同士で助け合う意味もあります。日本での思い出作りや、日本の文化を知ってもらうために行います。また、実習先の実施者様同士、取引先拡大や事業展開を拡大する等の意見交換の場となることを期待しています。
イベント内容としては、現在企画中ですが、1月に餅つき大会・9月バーベキュー祭り・11月熊野古道世界遺産巡り・11月奉納祭への参加(神輿や獅子舞)各国の料理対決(地域の方参加型)等を計画中です。実習生は組合が違っても希望者や友達等呼ぶことは可能です。
②受入れ企業独自のカリキュラム
当組合は実習生の入国後講習で、個別授業を行い配属される職種に寄り添った授業を行うことから、事前に企業様独自用語を作成し、授業に取り入れています。
③企業見学
各自分の実習先を見学に行きます。見学することにより、仕事の流れや一緒に働く人に会える等、メリットは大きいです。事前に見学することにより、道具を見ながら言葉を勉強したり、どのような時に使用するかを理解すると、言葉に出来なくても意味は分かるようになります。また、会社の雰囲気や、服装など目視で学べるメリットがあります。
外国人材採用に関する注意点
【送出し機関に支払う授業料はいくらか】
実習生が一生懸命働いたお金が日本へ来るための借金に消えていくことは悲しいことです。面接に合格してしまえば、そこでの授業料が借金となります。所属する監理団体がそういったブローカーを排除しているかどうか、確認されることをお勧めします。
【なぜ実習先に日本を選んだか】
面接時、なぜ技能実習生として日本を選んだのか、聞いてみると良いと思います。
【求人企業のことをきちんと理解しているか】
日本に来てから、怖い、大変、イメージしていたのと違ったという周りの声を取り入れ、まず、時給の金額だけでなく、差し引かれる金額(社会保険や厚生年金等以外の家賃・光熱費等)、手元に毎月残るお金はいくらか・仕事内容、労働条件(休日・働く時間等)実習指導員はどんな方か位は理解しておいてほしいと思います。分からないことは面接で質問するように通訳にも話しています。
【日本語の語学力】
面接で話せることはまずないです。ほとんどの面接希望者は面接に合格してから入校します。実際現地でも実習先が決まっているという子しかいません。現実問題として、意思の疎通が出来ないと、いらだちを覚えることがあります。日本語が話せなくて困るのは本人だけで無く企業様も困る要因であると思います。面接では話せるか話せないかではなく、本人がどれだけ前向きに意欲があるかを見させて頂いてます。
これから外国人採用を考えている企業へ
日本人も海外に行けば外国人です。自身が海外で困っている時に助けてもらったら、ずっと記憶に残ると思います。
同じように言葉の壁でイライラしたりすることもあると思いますが、助け合いの気持ちを忘れず、他に頼れる人がいないことを理解して支えになってください。雇用した実習生が問題を起こすことは企業様の会社にとっても不利益となります。優良な企業様のところには優秀な人材がその後も就労者として残るケースが多いです。
そのことを同じ職場で働く人たちにも理解して頂くことが大切だと思います。まず、実習生を受け入れる前に社内での話し合いをすることがいじめなどをなくす取組みにつながります。
アンドワーカー協同組合は、料金的にもリーズナブルで企業様にも明確に金額が表示されるためご安心頂けます。採用をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
情報
アンドワーカー協同組合
和歌山県西牟婁郡上富田町朝来2576-1-2F
代表理事:籠重誠二
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モンゴル・ヤポニー・グール