第6回
【農業ネットワーク高知協同組合】代表理事:鍵山浩一さん
株式会社アゴラ 柏木 太郎
コラム「外国人材採用への道」は、外国人材のプロフェッショナルである「監理団体」や「登録支援機関」の代表に外国人材採用に関するノウハウを教えていただくインタビューコラムです。今回のインタビューは、地域農業に特化している、農業ネットワーク高知協同組合の鍵山代表理事に外国人材採用に関するお話を伺いました。
一度受入れると、実習生の有難みがわかる
監理団体を設立するまで
監理団体を設立する前は、別の組合に入っていました。その監理団体が遠方地であることから、緊急時の対応などを考えた場合、直ちにサポートしてくれるのか不安を感じ、それならば私たちで立ち上げた方が後々のことを考えると良いと判断し、設立に至りました。
農業関係者で立ち上げた監理団体です。現在、組合員は70名、実習生・特定技能を含め、受入れ人数は140名ほどになりました。
特徴①:農業に特化
農業者の集合体ですので、農業に特化した受入れを中心に行っています。介護の特定技能も、若干受入れています。サポート体制としては、SNSを活用した、相談の受付や農家との話し合いについては、理事長の私がJAのOBなので、上手に橋渡しを行っています。
特徴②:1時間以内が目安
うちの組合員は、監理団体事務所から1時間以内で対応できる範囲に限定しています。アフターの時間を大事に考えているので、トラブル処理を含めた、相談などに対応するには、遠くなるのはダメだと考えています。緊急対応が遅れると、組合員に対するサービスの低下と平等性に欠けてしまいます。
受入れ国により特徴・個性がある
農業で実習生を受け入れる際は、語学力も大事ですが、本人のやる気が一番だと思います。気が利いて農業経験がある子は教えやすいですし、帰国後も働きやすいと思います。
また、受入れ国によって、特徴や個性があります。相対にレベルが高いと感じるのはフィリピン人です。ベトナム人の農業レベルは高いですが、いろんなトラブルの割合が高いので、最近では敬遠されるようになっています。インドネシア人は真面目でおとなしく忍耐強いですが、手先の仕事はフィリピンや、ベトナムより劣る子が多いです。本年からミャンマーの実習生も受け入れて、比較するようにしています。
作業の手が早い、遅いは有りますが、全体的には喜ばれており、一度受け入れると、元には戻せなくなると皆行っています。
監理団体のミッション
私たちは組合員ファースト、実習生ファーストをスローガンに、やり過ぎないサービスに努めており、事務所から1時間以内での完結をモットーに活動しています。組合員、実習生の信頼獲得のために日々努力しています。
監理団体も人材不足。その対策について
労働者不足は、監理団体スタッフも同様です。他の監理団体も同じような問題を抱えていると思います。今後も各業界、実習生の受入れ人数は増加すると考えていますが、今度は監理団体スタッフの確保が厳しくなっており、受入れ人数を増やすのではなくて、組合員及び実習生に対するサービスの質を落とさないために、受入れをセーブしないといけないのではないかと考えております。実習生20人~30人に日本人スタッフを1名配置するようにしていますが、中々スタッフが集まらないのが現状です。その対策として、JAからの出向などを通じて人員確保を考えています。
技能実習生の採用を考えている方へ
監理団体を選ぶポイントとしては、急なトラブルが発生した場合でもすぐに対応できるところが良いと思います。SNSを活用した情報共有、企業や実習生の悩み・相談をしっかり受け付けてくれることも、選ぶポイントとしては大事な要素です。
実習生を選ぶ際のポイントとして、アドバイスするならば、その子の目の輝きだと思います。やる気は目に出てきます。受入れ後は、甘やかさず、強く叱らずじっくり話し合ってそれぞれが抱える問題点を解決するために話し合うことではないでしょうか。
実習生を受入れた後は、分からないときにも、強く叱るのではなくて、愛情を持って諭していく。自分の身になって考えて指導していくことが大事ではないでしょうか。異国に来てさみしい思いをしながら、頑張っていることを考えて接して貰いたいですね。ただし、甘やかしてはダメです。
そして、出来るだけ働かしてあげること。許される範囲での時間外があれば仕事させて上げて、手取り給与を確保して上げることが、1番のトラブル・失踪防止です。次には職場雰囲気が、彼らの居心地の良い職場であることです。環境整備には出来るだけお金を掛けて、職場だけでなく、住居環境も整備してあげてもらえたらと思います。
情報
農業ネットワーク高知協同組合
高知県香美市土佐山田町加茂799-4
代表理事:鍵山浩一
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