外国人材採用への道

第8回

【エコロジー促進事業協同組合】代表理事:仲澤大さん

株式会社アゴラ  柏木 太郎

 

コラム「外国人材採用への道」は、外国人材のプロフェッショナルである「監理団体」や「登録支援機関」の代表に外国人材採用に関するノウハウを教えていただくインタビューコラムです。今回のインタビューは、入国後も日本語教育サポートを徹底している、エコロジー促進事業協同組合の仲澤代表理事に外国人材採用に関するお話を伺いました。

世界から選ばれる企業作り

代表理事:仲澤大さん

異業種から監理団体代表理事へ

前職はマーケティングリサーチの仕事をしていました。誰もが知っているような大手企業の新商品開発等、顧客データを取り、集計し、分析する仕事ですね。当時は外国人技能実習制度のことはあまり良く知りませんでした。

きっかけは前職の代表からの紹介です。代表の知り合いの組合が高齢化していて、新しい風で組織を変えていきたいという希望があり、始めは役員として参加し、5年間しっかり勉強しました。今は代表理事を務めています。

今まではデータを扱う仕事をしていましたが、今度は人を扱う仕事です。当然思うようには行きませんが、新しいトラブルがあるたびに苦労もしますが、新たな経験や学びを得る嬉しさと遣り甲斐を感じています。

監理団体も連携が必要

交流会や勉強会には今も積極的に参加し、同業者(組合)との繋がりを作るようにしています。この業界は横の繋がりが少ないので、考え方の近い組合との連携は、情報交換の場であったり、困ったときに仕事を回しあったり、有意義なものになっています。今は10組合程度で連携し、チャットで連絡をとったり、月に1回集まって焼肉を食べたり交流を深めています。



特徴①:フィリピン人をメインにしている点

フィリピンを8割とメインにしている点です。フィリピンは手数料を本人から取れない国です。ベトナムなど、酷い場合には100万円以上の借金を背負ってくる実習生もいます。

フィリピン人の特徴は、①英語を話せる方が多いこと、②明るい性格、③日本人と打ち解けやすいこと(フレンドリー)が挙げられると思います。

デメリットを挙げるなら、明るい性格が悪い方法に振れると「いいかげん」になってしまう可能性があることです。他国と違い実習生が借金を背負うことがありませんので、失踪も圧倒的に少ないと思いますし、決定的に悪い事はしません。

業種は工業系の製造業がメイン。車の工場、機械部品工場、精密機械工場などが多いです。

特徴②:リアルなサポートにこだわっている

組合から受け入れしてくださる企業の拠点ごとに1人、現地スタッフを配置しています。近くに住んでいる方で、外国人のサポートやボランティアに興味を持っている方と提携しています。週末はアパートに行ってもらい日本語の勉強会を開催しています。

ときには企業の会議室や公民館などを借りて勉強会を行うこともあります。毎週末必ず勉強会をすることで実習生の日本語能力は確実に上がっています。入国した後も継続的に日本語を勉強していく。企業にとっては日本語がうまくなってくれた方が仕事もしやすく喜ばれています。1年目で日本語検定4級、残りの2年で日本語検定3級の取得をサポートしています。

また現地スタッフが毎週末に訪問しコミュニケーションをとることで、実習生の悩みを素早くキャッチできるというメリットもあります。小さい悩みでも、現地スタッフから本部に連絡が入り、受入れ企業に報告することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができています。



エコロジー促進事業協同組合のビジョン

今は技能実習がメインですが、今後は特定技能に積極的に力を入れたいと思っています。

国内の日本語学校と提携し、留学生から特定技能へ移行させていきたいです。

日本語学校への留学生の3割は就職できますが、残りはせっかく日本語を覚えても帰国してしまいます。私たちが出口をしっかり確保することで、特定技能への道が切り開けると考えています。またこうした取り組みが上手くいくと、より留学生が日本を選ぶ可能性も高まります。

外国人材の採用を考えている企業へ

外国人がいつまでも日本に来てくれると思わない方が良いです。また、企業が選ばれるかどうか考えていかないといけないと思います。今はまだ日本も企業も実習生を選ぶ側ですが、近い将来、選ばれる側にまわるのは間違いないと思います。

すでに、ベトナム自体が発展してきており、業種によっては集まらなくなっているのが現状です。とにかく、選ばれる会社にならなければなりません。

今の時代、SNSで繋がっているので、良い評判も悪い評判もすぐに広まってしまいます。逆に言えば、良い企業である、良い会社であると伝われば、小さい会社でも結構人材は集まります。

良い会社のポイントは、実習生を大切に育てることです。技能実習生を受け入れる企業のトップは外国人に対する偏見はありませんが、現場レベルで偏見を持たないよう、実習制度の内容を共通認識とし、全員で育てる気持ちが大事だと思います。言葉に苦労することはありますが、わざわざ外国から来ていることを理解し、受け入れる企業は大切に育てていって欲しいと思います。

エコロジー促進事業協同組合は広域で活動しています。採用のご相談あれば、お気軽にお問い合わせください。


情報

エコロジー促進事業協同組合
東京都千代田区神田小川町3-8メアリヒト御茶ノ水ビル8階
代表理事:仲澤大

送出し機関紹介
モンゴル注目の送出し機関
MONGOL YAPONY GUUR LLC
モンゴル・ヤポニー・グール

 

プロフィール

株式会社アゴラ
柏木 太郎

様々な業種業態(異業種)と交流し、共同で新規プロジェクト立上げに参加する。



Webサイト:株式会社アゴラ

外国人材採用への道

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