あなたの夢を叶える事業の作り方「ビジネス成功の5サークル」

第4回

弱みを徹底的に活用して事業を作る

一般財団法人 立志財団  坂本憲彦

 
 事業を作る時に、ミッションの次に大事なのが「自分の強み」を知るということです。自分の強みを知るというのは、何が得意で、何ができるのかということを正しく認識することです。
 
 私も起業してから、長年マーケティングに携わってきましたがUSP(独自の強み)を打ち出すことは、事業を作る上でとても大切でした。お客様がなぜ他社と違って自分の商品を選んでくれるのかを正しく理解していないと売上を伸ばすことはできませんでした。ですから、自分の強みを理解することはとても重要です。そして、ここで大切なのは、自分の弱みも自分の強みになるということです。
 
 例えば、経営の神様と呼ばれている松下幸之助さんは、身体が非常に弱い方でした。でも、その身体の弱さがあったからこそ、人を使うということを覚え、一代で1500社以上の会社を作ることができました。これが身体の丈夫な人で、なんでもできてしまう人だったら、ここまでの成功に繋がっていたかは分かりません。

 事業を作る時には、やらなければならないことが沢山あります。全てを自分で行うことはできません。自分ができることと、できないことを明確に分けることが大切です。弱い部分を無理にやろうとしても上手くいかきません。大切なのは弱い部分を徹底的に活用するという考え方です。弱い部分を克服するのではなく、弱い部分を弱いままで成果を出すことはできないかを考えることです。

 ある起業家の言葉に「弱みを克服するのは自己満足、強みを伸ばすのは社会貢献」という言葉があります。ビジネスはまさに社会貢献なので、弱みを克服することよりも強みを伸ばすことのほうが求められています。自分の弱みこそ、強みになります。そして、大切なのは自分の弱みを自分で否定しないことです。

 例えば、世間一般には、マイナス思考は止めてプラス思考になりましょうと言われます。ただ、人間には生まれ持った素質というものがあります。オギャーと生まれた時から、備わっている先天的な素質があります。マイナス思考やプラス思考という素質も生まれ持った性格です。それを無理やり変えようとすると大きなストレスになってしまいます。事業を作っていくときに大切なのは、ありのままの自分で勝負することです。綺麗に着飾った自分で勝負すると、一時的には良いかもしれませんが、長期的にはストレスで耐えられなくなってしまいます。

 自己否定する必要はありません。逆にあなたの弱み徹底的に活かして事業を作ることこそが成功への近道になります。


2016年1月27日 フジサンケイビジネスアイ掲載
 

プロフィール

株式会社ナレッジアクション
代表取締役 坂本憲彦


ビジネストレーナー。
銀行を退職後、30歳で起業し複数の事業を立ち上げる。
その経験をもとに77業種2000名以上の起業家・経営者の指導を行う。
「ビジネス教育で人々を幸せに」を理念に、起業家育成を行う坂本立志塾を主宰している。


Webサイト:一般財団法人 立志財団

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