あなたの夢を叶える事業の作り方「ビジネス成功の5サークル」

第5回

自分軸と顧客主義から売れる商品を生み出す

一般財団法人 立志財団  坂本憲彦

 
 「売れる商品をどのように生み出すのか?」これは多くの起業家・経営者の悩むところです。たとえ今ヒット商品を持っていたとしても、時代の変化に合わせて新しい商品を作っていく必要があります。

 そこで今日は売れる商品の作り方について解説していきます。売れる商品を考えるときに、大切なのは自分軸と顧客主義という2つの視点です。自分軸とは自分のミッションと自分の強みからできています。ミッションは自分の人生の目的です。事業のすべてはこのミッションを中心に構成されています。そして、自分の強みは、自分が一番力を発揮できることです。

 自分の人生の目的にそって、自分の強みを最大限に発揮していくこと。これが自分軸になります。事業を作っていく起業家や経営者は、この自分軸をしっかりと腹に落とし込んでおくことが重要です。

 そして、この自分軸が定まったら、次に大切なのが、顧客主義です。事業を成功に導くためには、徹底的に顧客の声を聞くことが重要です。私もこれまで2000名以上の起業家・経営者をサポートしてきましたが、成果を出している方は結局「顧客の声を取り入れて、ひたすら改善を繰り返す」ということだけを行っています。多くの方が顧客の声を聞かずに事業を行っています。自分の頭で考えるだけでは売れる商品は生まれません。

 大切なのは、顧客の生の声を聞くことです。

 アンケートやヒアリング調査はもちろん、できれば直接お客様と会って話を聞かせてもらうのが一番です。経営者が顧客の声を聞くことを怠ってしまうと、顧客から離れた経営になってしまいます。そうすると徐々に売上や利益が下がっていくのです。売れる商品を生み出すためには、ひたすら顧客の声を集め、商品開発やマーケティングに活かしていくこと。この一点につきます。ただ注意しなければいけないのは、顧客に振り回されないようにすることです。顧客は実にわがままです。好き勝手に要望を言ってきます。そのすべての要望を聞いていたら、事業は成り立ちません。ですから、時には顧客の要望を断る必要があります。その時の判断の基準になるのが、ミッションや自分の強み、すなわち自分軸です。

 自分軸がしっかり確立しているからこそ、できることと、できないことの線引きが明確になります。自分軸が明確になっていないと、顧客のどんな要望にも答えようとします。そうすると、どんどん顧客のわがままに振り回されてしまいます。その結果、自分自身が疲弊してしまいます。

 自分軸をしっかりと確立し、その上で徹底した顧客主義を貫く。これが売れる商品を生み出し続ける秘訣なのです。


2016年2月3日 フジサンケイビジネスアイ掲載
 

プロフィール

株式会社ナレッジアクション
代表取締役 坂本憲彦


ビジネストレーナー。
銀行を退職後、30歳で起業し複数の事業を立ち上げる。
その経験をもとに77業種2000名以上の起業家・経営者の指導を行う。
「ビジネス教育で人々を幸せに」を理念に、起業家育成を行う坂本立志塾を主宰している。


Webサイト:一般財団法人 立志財団

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