第3回
コンピュータとの出会い
株式会社SOBAプロジェクト 乾 和志
私が最初にコンピュータに触れたのは、いつごろだったでしょうか。思い返せば、それは中学生の頃、友達の家に遊びに行った際のことでした。彼の家にはApple IIがあり、私たちはそのパソコンでゲームに興じたのです。当時、パーソナルコンピュータはまだ珍しい存在で、個人が所有しているのを目にすることは稀でした。それが、私とコンピュータとの最初の出会いだったと思います。
現代では、ゲーム機やスマートフォンを始め、日常生活のあらゆる面でコンピュータ技術が使われています。私たちの生活は、コンピュータなしには考えられないほど、それらに依存しています。
高校時代、私はコンピュータから離れた生活を送りましたが、大学で研究室に所属した際、その世界に足を踏み入れました。研究室にはコンピュータがあり、私はその上でプログラムを作成し、卒業論文を執筆しました。使用したのは、いわゆる8ビットマイクロコンピュータで、CPUは確かIntel 8080でした。オペレーティングシステム(OS)にはCP/Mを使用し、フロッピーディスクを挿入し起動する際の特有の音は今でも耳に残っています。
卒業論文の研究では、画像処理に関するプログラムを開発しました。このプロジェクトでは、8ビットのマイクロコンピュータ上でアセンブリ言語を駆使し、画像処理を行うプログラムを作成しました。
最近のプログラマーは、主にインターネット関連の開発に従事しており、弊社のプログラマーも例外ではありません。しかし、コンピュータがどのように動作しているかを理解している人は少ないように感じます。一方で、具体的な動作原理について深く理解していなくても、様々なサービスを開発できる時代になったため、それはあまり問題にはならない今日だと思います。
このように、私のコンピュータとの関わりは、単なる遊びから学術的な研究、そして現代のプログラミングの現場まで広がっています。時代が変わり、技術が進化しても、その魅力と可能性を私は相変わらず感じています。
プロフィール
株式会社SOBAプロジェクト
代表取締役社長 乾 和志
広島大学 卒業後、立石電機株式会社(現 オムロン株式会社)に入社し同社のコンピュータ系の研究所に勤務。オペレーティングシステムの研究などを経て、産官学共同プロジェクト「SOBAプロジェクト」開始。株式会社SOBAプロジェクトを創業し、その後 代表取締役に就任。
Webサイト:株式会社SOBAプロジェクト