web3への挑戦

第5回

分散金融(その1)

株式会社SOBAプロジェクト  乾 和志

 


過去の話をしてきましたので、現在についても触れたいと思います。

2020年頃から、仮想通貨の取引を行っています。ただし、ビットコインではなく、いわゆるアルトコインに焦点を当てています。仮想通貨界では、ビットコイン以外の仮想通貨のことをアルトコインと称します。また、日本国内では仮想通貨の公式な呼称は「暗号資産」となっています。

仮想通貨の入手方法には様々なものがありますが、一般には、日本国内の暗号資産取引所に口座を開設し、そこに日本円を振り込むことから始めます。そして、その日本円で仮想通貨を購入します。

このプロセスは、株式を購入する際に証券会社の口座にお金を振り込み、株を購入するのと同様です。

例えば、暗号資産取引所で日本円をビットコインに交換し、保持しているだけで、ビットコインの価値が上昇すれば利益が、下落すれば損失が発生します。

暗号資産取引所では、仮想通貨を日本円に再交換することも可能ですので、ビットコイン価値が上昇した際に日本円に交換すれば利益を得られます。

日本の暗号資産取引所では、ビットコイン以外にも多様な仮想通貨を扱っており、それらを日本円で購入することができます。

ただし、日本の暗号資産取引所で取り扱われている仮想通貨は、世界に存在する仮想通貨のほんの一部に過ぎません。数千種類以上のアルトコインがあり、これらは主に海外の暗号資産取引所で取引されています。

暗号資産取引所には、中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の2種類があります。日本国内の取引所はCEXに分類されます。これは、日本国内でDEXの運営が法律的に認められていないためです。

海外にはDEXが多く存在し、無数のアルトコインが扱われていますが、その中には詐欺的なものも少なくありません。実際、私自身も何度か騙された経験があります。

一般的に、DEXでは仮想通貨を預けることで利息を得られる仕組みになっていますが、利息率が数パーセントから数千パーセントに及ぶDEXも存在し、高収益を目指すと詐欺のリスクに直面することがあります。

DEXで取引をすることを「分散金融」というのですが、次回は、これらの話題についてさらに詳しく書いてみたいと思います。


 

プロフィール

株式会社SOBAプロジェクト
代表取締役社長 乾 和志

広島大学 卒業後、立石電機株式会社(現 オムロン株式会社)に入社し同社のコンピュータ系の研究所に勤務。オペレーティングシステムの研究などを経て、産官学共同プロジェクト「SOBAプロジェクト」開始。株式会社SOBAプロジェクトを創業し、その後 代表取締役に就任。


Webサイト:株式会社SOBAプロジェクト

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