プロフェッショナル の自己管理術

第22回

自らをプロデュースするブランドオーナー 野辺一也さん(下)

株式会社ネオレックス  駒井 研司

 

人生目標に「具体的な時間軸」設定

 2012年は、150日以上海外にいたという野辺一也さん。SONOKOブランドのアジアでの展開に取り組むとともに、ヨーロッパの老舗ブランドとの連携にも取り組んでいます。前回は「自己管理とはSelf Produce」という考え方と、20代のうちにえりすぐりの本を3度読みする、という勉強法で知識を身に付けたという話を伺いました。 

--30代の取り組みは 

 「SONOKOの社長に就任して以降、経営に関する知識や経験だけでは不十分で、より大きな機会を逃してしまう怖さを感じるようになりました。例えばヨーロッパのブランド関係者と話すときには、日本での肩書や経歴は役に立ちません。食事をしながら会話をする中で、ビジネスを共にできる相手かどうかを見定められます。ブランドオーナー相応のマナーや立ち振る舞いに関する知識を持っていなければならないし、服装もTPOに合わせた間違いのないものとする必要がある。文化や歴史の知識も持ち、相手と同じセンスでさまざまな会話を楽しむことができる。そうして初めて認められ、仕事の話ができるようになります」

--どう対応するのか

 「経営の知識や経験を生かす手前の段階として、相手にどのような印象を与えるか、どのような人間として認識されるかを意識し、管理できなければならないと考えました。以来、料理やワイン、服、礼儀作法などについて知識を得、経験を積み、センスを磨くよう心がけています。またこうしたセンスは、商品開発やイベントなどを共にするデザイナやアーティストと感覚を共有したり、自分がクリエーティブでいるためにも非常に重要と感じています。そこで、自分のアンテナの感度を高めるために、現場での上質な情報や感覚が得られる場所や都市に積極的に出かけ、さまざまなものを五官で感じるよう心がけています」

--自己管理のアドバイスは

 「人生の目標に『具体的な時間軸』を設定することです。明確な目標と日程がなければ現状を正しく評価できず、目標とのギャップを認識できません。従って、自己管理をすることができません。何歳までに何をするという明確な目標。これが、自己管理において最も大切なことだと思います」 

【プロフィル】野辺一也 のべ・かずや  ITから戦略立案、事業再生など経営のさまざまな分野においてコンサルタントとして活躍した後、化粧品ブランドのSONOKO社長に就任。


2013年1月21日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。


Webサイト:株式会社ネオレックス

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