プロフェッショナル の自己管理術

第9回

星野リゾート・IT責任者 久本英司さん(上)

株式会社ネオレックス  駒井 研司

 

「仕事の仕方の設計図」を書く

 「軽井沢に住む!」-。星野リゾートのIT責任者を務める久本英司さんは、夫婦でそう決断して東京から移住し、縁あって同社に入社して10年。以来、日本を代表するリゾートホテル・旅館運営会社に急成長した同社を支えてきた、久本さんに話を聞きました。
--自己管理とは
 「『自分にできる仕事を3倍にするための取り組み』です。当社は2005年頃からホテルや旅館、スキー場などを次々と持つようになりました。こうした急拡大の中で情報システムの整備が必要となり、パソコンの導入からネットワークの構築、人事や予約管理のシステム化などを矢継ぎ早に推進。IT責任者としてはとても大変な時期でしたが、一つずつ何とか実現してきました。でも、10年頃にシステム化が一巡し『2周目』に入ると、努力だけでは足りなくなってきました」
--何が変わったのか
 「全システムの見直しが同時に発生したんです。しかし、安易にシステム担当者を増やすわけにはいかない。じゃあ自分が3倍仕事をしよう。無駄をなくし、『自分が本当にやるべき仕事・判断すべき仕事』に集中すれば、仕事量を3倍にできる。そう考えて、仕事術を中心に自分なりの自己管理を模索するようになりました」
--最初にどんなことを
 「『仕事の仕方の設計図』を書いてみました。まず10年の後半に仕事術に関する本を読んだり、ネットでさまざまな人の取り組みを調べたりしました。その上で11年の正月に、自分なりの新しい仕事の方法を設計しました」
--具体的には
 「『時間管理』『タスク管理』『情報管理』を3つの切り口とし、全ての仕事をフローチャート化し、『メール処理』や『タスク管理』『資料整理』などの各場面でどの機器とアプリを活用するかといった詳細を検討、定義しました。元来、最新機器やアプリに強い関心があるタイプではありませんが、以来MacやiPhone(アイフォーン)、Evernote(エバーノート)、OmniFocus(オムニフォーカス)、MyStats(マイスタッツ)などのツールを意識的に使いこなすようにしています」(次回につづく)
【プロフィル】久本英司 ひさもと・えいじ 星野リゾートのIT責任者。システム開発からパッケージ導入、ネットワーク構築まで同社のIT管理を一手に担い、急成長を支えている。

2012年9月17日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。


Webサイト:株式会社ネオレックス

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