あなたがこれから起業をしたいと思うなら、ぜひ知っていただきたいことがあります。
100人が今年、起業家デビューしたら、10年後には、4人程度しか生存できないのが、今の日本の現状です。なぜ、起業家が長くビジネスを続けることができないのでしょうか。
今まで、1万人の起業家を育成してきた中で、ある6つの共通する不安やカベがあることに気が付きました。このコラムでは、6回に分けて、1つずつ、解決のお手伝いをしたいと思います。
1回目の今回は、「流行りの商品であっても、コレが抜けると売れなくなる」というテーマでお届けます。
あるところに、二人の起業家がいました。二人とも、生まれも育ちも似たような環境でした。学歴も性格もよく似ていました。その二人が、同時期に起業をしました。その時に流行していた、海外のアンティーク調の食器を日本に輸入して、転売をするビジネスでした。
3年後、二人はたまたまバッタリと出会いました。一人は、10年後はおろか、来月まで持つか、胃の痛い毎日でした。もう一人は、商売が繁盛していて、利益も出ていて、充実した毎日でした。能力に差があるわけではなく、ともに当時の流行の商材を扱っていたこの二人の起業家に、天地ほどの違いを生み出したものは、いったい何だったのでしょうか?
正解は、「コアコンセプト」が明確かどうか、です。
コアコンセプトという言葉、あなたは、お聞きになったことありますか?
文字通り、ビジネスのコア(核)となるべきものです。
具体的には、
①誰に(どんなお客様に)
②何を(どんな商品やサービスを)
③USP(どんな独自性で届けるのか)
という3要素で構成されます。
この3つが、きちんと整合性が取れていて、明確になっていれば、デビューしたての起業家でも、大企業の商品であっても、経験の長さに関係なく、売れます。逆にどれだけ流行りのものを扱っていても、このコアコンセプトができていなければ、売れるということはありません。コアコンセプトがビジネス成功に必須ということを、先の輸入転売を例に取り、ご紹介します。
次の2社を比較して、どちらが売れると思いますか?
A社は「誰に」は、輸入した食器が欲しい人です。「何を」は輸入した食器。そして「USP」はネットで買えるという点です。
一方、B社は「誰に」は、高級感を出したい喫茶店、ホテルのラウンジ、その市場が相手の商社などです。「何を」は、輸入した食器で、「USP」は他社よりも早く届くという点です。
私が実際に、輸入食器の転売をしているわけではないので、このコアコンセプト自体が正しいかどうかは、実際に売ってみないとわかりません。ご理解いただきたいのは、「コアコンセプトが大切」ということをお伝えしたいがための例として挙げました。
この2社を比較すると、AよりもBの方が、売れる可能性が高いように感じませんか?あなたがこれから起業するのであれば、やみくもにやるのではなく「まずコアコンセプトだけを考えた後に」細かい作業に入ることをオススメします。
このひと手間が、あなたの起業を成功に導いてくれることでしょう。
最後に1つ、ご紹介します。
コアコンセプトは、1回作ったら終わりではありません。むしろ、積極的に見直しを重ねていくことで、磨かれていきます。そのためには、シンプルですが、「お客様の声を聞く」ということが非常に有効です。最初は机上の仮説ですが、お客様の声をもとに、修正し続けることで、あなたのビジネスを成功に導くコアコンセプトに磨きあがります。
ぜひお試しください。あなたの起業の成功を応援しております。