6つの不安がなくなれば あなたの起業は絶対成功する

第3回

起業のお金の不安をなくすには?

一般財団法人 立志財団   坂本 憲彦

 
起業を志す人がぶち当たる不安は、いくつかあります。その中でも大きな不安は、お金についての不安です。お金は起業する前も、起業した後も、非常に不安の大きいものです。今回はその中でも特に起業前のお金の不安である「資金」についてお話しします。

この「資金が用意できない」ということが解消できず、いつまでも前に進むことができない人も、実は多いのです。この解決の方法は「具体化」です。

「資金」について、具体的に考えると、「開業資金」「運転資金」の2つに分かれます。そしてそれぞれを更に具体的にリストアップします。

前者の例として、「店舗や事務所を借りる時の敷金・礼金・家賃」「内装」「電話回線」「名刺」「パソコン」「ドメイン」など多岐にわたります。

実際に必要なものを具体的にリストアップしていくらかかるのが、概算で結構ですので、算出することで、この「開業資金」は、ある程度、具体化されます。もちろん、1円単位まで算出するのは難しいので、少し多めの概算を出せば問題ありません。

「運転資金」も同様です。発生するものを具体的にリストアップして、それぞれがいくらくらいかかるか、算出することで、ある程度具体的な金額が把握できます。「運転資金」の場合は、「給料」「リース代」「家賃」「消耗品」「ネット利用料」「仕入れ金」などが該当します。用意すべき「運転資金」を、何か月分を見ておくのかも、合わせて、考えましょう。人によっては、3か月分であったり、半年分であったりします。これで、「資金」が把握できるようになります。

次に行うのは、「資金集め」ですが、開業当初は、把握した金額の倍の金額を「資金」として用意するのが、私の経験上、必要です。

というのも、開業当初は特に、想定外のことが沢山出てきます。起業家にとっては、避けて通れないことなのです。

開業当初において、成功できる起業家と、続けられない起業家の違いは、想定外のことが起きたとき、追いつめられてしまうか、落ち着いて対処できるかが、その分かれ道のようです。想定外のことが起きたときに、資金的に追い詰められてしまうと、焦燥から、正しい判断ができず、足掻けば足掻くほど、仇となり、最後は続けられなくなるのは、容易に想像できます。せっかく苦労して資金を集めて開業にこぎつけたビジネスを、あっと言う間にあきらめざるを得ない起業家が多いのは、実は、ここに大きな原因があります。

お金の話は、どうしても、ロジカルになりがちで、人によっては、面倒に感じる方もあると思います。そんなときは、「無計画は失敗を計画している」という言葉を思い出してください。
さて、「資金」を計画できたら、それを集めることになります。豊富な貯金や財産があれば、その必要はありませんが、そのような人は、あまり多くはありません。

私は、元銀行員でして、お金を貸す側にいました。銀行には、いろいろな目的で、お金を借りに来る人がいました。慈善事業ではなにで、どうしても、お貸しできる人が限られてしまいます。その経験から、お貸しできる人の特徴を挙げると、「計画性」は欠かせない要素です。今の時代、「資金」を集める方法は、銀行融資だけではありません。例えば「クラウドファンディング」もあります。どの選択肢を取るにしても、お金を借りることのできる人は、「何に使うお金が、どのくらい必要か」が明確です。

ぜひ、お金を理由にあなたの起業を諦めることなく、あなたの起業を成功させてください。
 

一般財団法人 立志財団 理事長
坂本 憲彦


西日本シティ銀行で営業・融資を担当。その後、30歳で独立し10年間で1万人以上の起業家を指導する。現在は志ある起業家を育成する立志財団の創立者として講演や指導を行っている。著書「6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する」は紀伊国屋書店新宿本店で単行本週間ランキング2位となる。


Webサイト:一般財団法人 立志財団

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