第13回
若者採用ができるSNS採用の運用手順
一般社団法人 大人のインフルエンサー協会 秋山 剛
日本商工会議所によれば、2024年4月の新卒採用を予定していた中小企業の74%が、計画通りには確保できなかったと発表したとのことです。
本コラムでは、数々のSNS採用で若者採用に成功している中小企業の取材や運用支援から成功のポイントを考えていきます。
SNS採用の運用の始め方
SNS採用の運用手順として
① 採用人数・ターゲットの決定
② SNSの選定
③ SNSアカウントの立ち上げ
④ コンセプト・発信軸の決定
⑤ 採用ページへの導線設計
⑥ 継続投稿していくための体制づくり という順序ですすめていきます。
SNS採用の目的は自社が求める人材へ会社の魅力や仕事の内容、社員の雰囲気をSNSで届け、会社に興味をもってもらいファン化してミスマッチなく採用につなげていくことになるので、自社が求める人物像を明確にしておくことはとても大切なポイントになります。
間違ったSNS運用をしている企業は多い
多くの中小企業のSNS採用の相談や成功事例を見ていく中で「ついで仕事」でSNS運用をしている企業が多いことを実感しています。
例えば「SNSの詳しい若い社員にまかせっぱなし」「日々の仕事が忙しいのでSNS発信できるときだけ発信している。」など、正直、このような状況では、本気で若者採用に向けてSNS運用をしている企業のコンテンツと比べられた時に、やはり選ばれるのは本気で取り組んでいる会社のSNSの発信になります。
SNS採用にはリスクもある
SNS発信をはじめていない企業が採用でSNS運用をはじめるときに懸念されることで多いのが「炎上しないか」「マイナスイメージの発信にならないか」ということです。
この問題に関しては、企業としての運用体制( 例えば、投稿内容の二重チェック、運用ルール、マニュアルの作成 など )や炎上リスクがおこる原因についての教育や、トラブルがおきた場合の対処法を社内で共有しておく必要があります。
ただSNS発信はリスクがあるからやめておこうという場合ではなくなってきています。
総務省の2022年のデータでは、10代後半から20代前半のSNS利用率はほぼ100%に近いことが確認されています。
特に、InstagramやTikTok、Xなどがこの世代に人気だということです。この世代は、インターネットやSNSを日常的に使いこなしており、情報を得る際にSNSを第一の手段としています。SNSを通じて採用情報を提供することで、彼らが慣れ親しんだチャネルで自然に情報を届けられます。
若者採用ができるSNS採用の運用手順
若者採用ができるSNS採用の運用手順をもう一度おさらいしておきます。
まず、
① 採用人数・ターゲットの決定 を明確にします。
例えば求める人材が20代業界未経験者と40代の経験豊富な専門職の方だと戦略は全く違ってきますし、採用人数やどれくらいの時期に何人採用したいのかの状況によっても戦略は違ってくるので明確にしましょう。
② SNSの選定 になります。
例えばZ世代未経験者の採用であればInstagramやTikTokなどのショート動画が効果的です。エンジニアなど専門職やハイクラスな人材へのアプローチならLinkedInが効果的など選ぶSNSを間違えると採用につながりません。
③ SNSアカウントの立ち上げ。
それらを踏まえアカウントを立ち上げ、運用体制や担当を決めて取りかかります。
そして一番肝になるのが、
④ コンセプト・発信軸の決定。
会社としてどのような発信をしていくのか、誰がでて、どんな内容を届けていくのか。若い求職者は、社員の雰囲気を重要視していますので透明性ある発信でミスマッチなく自社とあった人材がファンになってくれます。
そして、興味をもってくれた人がスムーズにエントリーできるよう
⑤ 採用ページへの導線設計が必要になります。そして、
⑥ 継続投稿していくための体制づくりを「SNS採用に本気で取り組む」
という覚悟をもって取り組んでいくことで自社が求める若い人材が継続的に採用できるようなSNSアカウントに育っていきます。
わたしは中小企業のSNS採用支援事業もおこない、電気工事会社も25年経営しており、半月前に自社の電気工事会社も本格的に若者採用に取り掛かるべく、TikTokアカウントを立ち上げ、1投稿目で25万再生以上になりましたので、そちらのアカウントのリンクも共有しておきます。
SNSが当たり前の時代に若者採用にはSNSは今後さらに必須になると感じています。
有限会社秋山電気 社員のTikTok発信
プロフィール
一般社団法人 大人のインフルエンサー協会
代表理事 秋山 剛
1976年大阪生まれ。18歳で父親になり、仕事をしながらプロボクサーも経験。
電気工事会社、ボクシングジム、結婚相談所の異なる事業で様々な集客・採用方法を試行錯誤し、各事業で億単位の売上をあげる。
コロナ禍で業績が最悪の状況に転ずるなか、オンライン事業、TikTokを開始。売上ゼロの状態から半年で年商1億円の事業を構築、すべてSNSで集客。企業経営者、起業家6000名以上に SNS集客、ブランディング、SNS採用を支援。SNS運用の書籍4冊出版。現在は、厚生労働省管轄 認定訓練校として中小企業のSNS採用担当者育成のための「SNS採用プランナー」認定研修を実施。若者が自分らしく活躍できる社会づくりに取り組んでいる。
【著書】
Webサイト:一般社団法人 大人のインフルエンサー協会
- 第14回 電気屋日本トップクラスの「X採用」
- 第13回 若者採用ができるSNS採用の運用手順
- 第12回 年間500名以上の圧倒的な応募数を集める採用手法!
- 第11回 電気工事士YouTuberにインタビュー
- 第10回 「自分らしく生きる人」を増やしたい!
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