中小企業にSNS採用が「今」必要な理由

第3回

現役プロボクサーが中小企業のSNS採用支援で大活躍

一般社団法人 大人のインフルエンサー協会  秋山 剛

 

TesTee Lab.の「SNS利用に関する調査【学生対象】」によると若者の約98%がSNSを利用していることがわかりました。

 若者の情報収集はSNSを中心に回ることとなり、テレビからSNSへのメディア視聴の移動が想像できます。
SNSが当たり前の時代に、中小企業が若い人材を獲得するための「SNS採用戦略」の成功事例を本コラムでは紹介します。

今回は、現役日本ランカーのプロボクサーで中小企業のSNS採用支援で動画企画や編集をプロデュースする馬場龍成 氏にお話を伺いました。




自己紹介

ボクシングでは元アマチュア全日本チャンピオンからプロデビューして、現在日本ランカーとして世界チャンピオンを目指しています。

SNSの事業としては、若者採用につながるショート動画企画や編集制作支援を中心に中小企業のSNS採用支援をしています。

SNSを始めたきっかけ

SNS発信をはじめたきっかけは、自分自身がプロボクサーとして沢山の方々に自分を知ってもらい、試合に来てもらいたいと思い始めました。

自分のSNSのフォロワー数が増え、影響力が付いてくるにつれて、プロボクサー以外にSNSを利用して何かに貢献できるのではないかと考えているところ、飲食店や整骨院の方からお店を知ってもらうためのSNS運用サポートの依頼がきました。それがきっかけでSNS運用サポートの仕事を始めました。


主に使用しているSNS

主にはTikTokを使用しています。若い世代をターゲットにするのであればTikTok、中年層だとInstagram、全体的だとYouTube、などとターゲットに合わせて使用するSNSを変えています。

撮影、編集、台本の作成に関しては全てiPhoneを使用しています。画質がいいからといってたくさんの人に動画が拡散するわけではないので、高価な撮影機材が必要というわけでもなく、スマホ一台あれば影響力は伸ばせることができると思います。

プロボクサーとしてSNSが効果的だと感じますか?

SNSを始めて、最初は手探りで正直あまり期待をしていなかったのですが、試合が決まりチケットを販売する際に格闘技を見たことない方や、全国から20名以上のファンが自分の試合を見たいと集まってくれた時、SNSの凄さを実感しました。

人や会社がファンづくりをしていくうえでも、これからの時代、SNSは必須だと思います。

中小企業がSNS採用を始めることによる可能性

かなり可能性があると思います。

今、若者はSNSで情報収集をしているので、この会社で働きたいと思うと絶対と言っていいほどSNSでその会社の情報を検索して調べています。
最近だと会社に入ってもすぐに辞めてしまう若い世代の方も多く、会社側も採用コストばかりかかって、リスクが高くなっています。しかしSNSからの応募だと入社前に会社の雰囲気をSNSで見て判断しているので会社と求職者のミスマッチになりにくいと思います。

入社後にすぐに辞めてしまう原因とは?

求人媒体からの応募だと給与など待遇は入社前からわかっていることなので、入社してみないとわからない「人間関係」がほとんどの原因かと思います。

働き方が多様化したため給与に期待している人よりも、社長や働く人の人柄や会社の雰囲気や「自分らしく働ける会社か」を重視しているということもあり、入ってみて会社の雰囲気が自分の想像していたのと違うと感じて辞めてしまうのではないでしょうか。

Z世代はSNSでなにを見ている?

SNSを視聴する目的は「暇つぶし」の人が多いので、偶然に流れてきた動画をパッと見て、この会社の人たち楽しそう、こういう会社で働きたいな。とファンになる人が多いです。Z世代にファンになってもらう動画を作る際に、まずは視聴者を楽しませることを意識するといいと思います。

全くSNSをやっていない中小企業は何から始めるべきか?

例えば、飲食店であれば同じ飲食店で人気の動画(いいねが多かったり、再生回数が多い動画)をたくさん見て、企画や動画の構成、編集の仕方などを真似てみることから始めてみるのがいいと思います。

動画作成が慣れてない中で、自分流のオリジナルの動画では、なかなか視聴者に手をとめて見てもらうことが難しく、拡散されにくいので同業種でうまくいってる動画を検索して、出てくる動画で、自分たちでも出来そうな企画から真似ていき、慣れていく中で「自分たちの会社の魅力をどんなふうに表現していくか」を社内で考えて、会社の光るもの(運送会社さんならカッコいいトラックや飲食店だと面白い店長など)を求職者に届けていくためにもいろんな動画を投稿していくのは大切だと思います。

動画が初めての方はどのような動画が撮影しやすいのか

会社内でのインタビュー動画は簡単に作成できます。

「入社何年目ですか?」「会社のいいところは?」など先輩に質問・対話形式の動画は視聴者も分かりやすいです。あとは社員が会社の紹介文を見せるような、順番に指差しして「会社の名前は?」「何をしている会社?」とかを順番にテロップで出していくような動画も簡単ではあります。

なぜショート動画がいいのか

「SNSが当たり前の時代」時代の流れ的に、Z世代と言われる子どもの頃からスマホとSNSに触れてきた若者は、Google検索よりもSNSのショート動画(TikTok・Instagramリール)で検索する人が多い。タイムパフォーマンス重視の若い世代には、短い時間で情報が伝わるショート動画が見られやすくなっています。

文字や画像だけでは雰囲気が伝わりにくいですし、長い動画は見ている途中に離脱されやすいので、30秒くらいのショート動画で勝負して見てもらうことを重視しています。

応募するまでにどういったアクションを取るのか

SNSを見てこの会社に入りたいと感じた方は、SNSからその会社のHPや採用ページに飛び、「どんな会社なのか」をいろいろ調べて応募する流れが多いと思います。

とくに若い世代はSNSからDM(ダイレクトメッセージ)を直接送り、採用について問い合わせたりもします。また、会社の採用ページにTiktokなどのSNS埋め込んで、投稿をしていたり掲載していると、若者視点でSNSにも取りんでいる柔軟な会社に見えて、今の若い世代は職場の雰囲気も確認できますし、安心するので求人の応募に効果があると思います。

SNS発信を躊躇している中小企業にメッセージ

ショート動画で「自分たちの会社の魅力」を世に発信することだけでも価値があると思います。

若者の採用や自社のブランディング、地域や世の中に自社のファンをつくっていきたいのであれば、まずは、いきなりハードルの高い動画や企画をしようとするのではなく、無理をせずに自分の会社で発信できる動画から発信してみると可能性が広がるかと思います。

高価な撮影機材を揃えたり、何十万もかけてクオリティの高い動画を作らなくてもスマホ1台で、誰でも始められるので「SNSが当たり前の時代」にSNS発信で自社の魅力発信に取り組んでいかれてみてはいかがでしょうか。

今後のビジョン

ボクシングでは世界チャンピオンになることが今後の目標です。

中小企業のSNS採用支援の仕事では、SNS動画のサポートをすることで社会の役に立っているとすごく感じています。

魅力的な会社を、より多くの方々に認知させ「若者」と「企業」を繋いで、自分らしく働く若者も増え、動画サポートを通して社会貢献をこれからもして行きたいと思います。


馬場龍成 TikTokアカウント
https://www.tiktok.com/@ryusei9341

 

プロフィール

一般社団法人 大人のインフルエンサー協会
代表理事 秋山 剛

1976年大阪生まれ。18歳で父親になり、仕事をしながらプロボクサーも経験。

電気工事会社、ボクシングジム、結婚相談所の異なる事業で様々な集客・採用方法を試行錯誤し、各事業で億単位の売上をあげる。

コロナ禍で業績が最悪の状況に転ずるなか、オンライン事業、TikTokを開始。売上ゼロの状態から半年で年商1億円の事業を構築、すべてSNSで集客。企業経営者、起業家6000名以上に SNS集客、ブランディング、SNS採用を支援。SNS運用の書籍4冊出版。現在は、厚生労働省管轄 認定訓練校として中小企業のSNS採用担当者育成のための「SNS採用プランナー」認定研修を実施。若者が自分らしく活躍できる社会づくりに取り組んでいる。

【著書】


企業のSNS運用

Webサイト:一般社団法人 大人のインフルエンサー協会

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