プレスリレーションを考える

第3回

番組の裏側で「求む!神対応」

株式会社エムシーストラテジー   槇 徳子

 

プレスリレーション構築の第一歩

毎日のニュース番組の報道現場では、様々な識者の方々に放送が差し迫る中でのコメント、出演依頼をしなければならない状況が多々あったことは前回触れたとおりですが、特にスタートしたばかりの知名度の低い番組の場合や、経験が浅い場合は切羽詰まることばかりでした。そのような状況下で、依頼相手からポジティブな返答を得られることは僥倖そのものです。「承知しました、〇時までならコメントできます」「残念ながら出演は無理ですが電話でしたら何とかOKです」といった神対応に何度救われたことでしょうか。

今回は企業など法人のリレーションについて振り返る予定でしたが、もう少し経験を振り返ってみます。


快諾のその先

番組担当者にとって出演者、コメンテーターが決まって終わりではありません。次は放送で出す画面コンテンツの準備があります。その方から頂くコメントに合わせて出すフリップ(キーワード、グラフ、まとめなど)やテロップについて、限られた時間の中で確認、確定しなければなりません。こうした準備段階で快く的確な助言を下さる方も多くいらっしゃいました。専門家として放送で出すべきグラフや資料を提供下さり、トーク内容の概要まで事前に共有頂くなどの神対応は本当に有難いことでした。スタッフに寄り添い何かと頼りになる方の出演回数が多くなる傾向にあることはご想像の通りです。


番組コンテンツサポートとプレスリレーション

前職を離れて15年以上たちましたが、四半世紀前にスタートした金融マーケット番組、ニュースモーニングサテライトは実に多くの専門家の方々の多大なるサポートと知見で成り立ってきたと感慨深いものがあります。98年当時はネットで簡単に得られる金融経済情報はほとんどなく、特に債券市場や為替市場を取り巻くニュースや日々の動きなどについては専門家に頼ることばかりでした。生活情報とは違って、金融マーケットが動く材料について基本知識、経験知がなければニュースにできません。こうした共通言語、共通認識を得るのに半年はかかった記憶ですが、専門家の方々のご出演を通して勉強させて頂くことばかりでした。

さて「番組でコメントしたい」をメディア側からみれば、専門性の高いテーマ・特集において、快く親切に知見を提供して下さる方にお願いしたいということになります。Win-Winのプレスリレーションについてご参考になればと思います。

 

プロフィール

株式会社エムシーストラテジー
代表取締役 槇 徳子

20年に渡りCBC、テレビ東京に勤務、あらゆる時間帯のニュース番組を担当。今も続くニュースモーニングサテライトの立ち上げ等、10年以上金融情報番組に携わりました。報道する側の経験を基に2008年エムシーストラテジーを起業、経営者や研究者を対象にテレビ出演はじめインタビューなどをサポート。クライアントのセミナーやオープニングパーティーなどイベントでも情報発信戦略に関わり、HP等自社メディアコンテンツからプレスリリース文言まで、あらゆる側面から情報発信アドバイザリーをしています。


2022年、2023年 日経新聞広告賞審査員

2022年~(株)ミンカブ・ジ・インフォノイド社外取締役


Webサイト:株式会社エムシーストラテジー

プレスリレーションを考える

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