プレスリレーションを考える

第4回

企業取材の心構え ①

株式会社エムシーストラテジー   槇 徳子

 

企業ドキュメンタリー

専門家からコメントを頂いたり、スタジオ出演して頂くような場合の個人のプレスリレーションにフォーカスした経験談を前2回共有させて頂きましたが、今回は企業など法人を取材対象とする場合にも目を向けたいと思います。

テレビ東京が2002年に放送を始めたガイアの夜明け、2006年からのカンブリア宮殿など、企業・NPO法人によるプロジェクトに密着するドキュメンタリー番組がスタートして20年経ちました。認知度も高くなっていることから、よくガイアやカンブリアで取り上げて頂きたいといったご要望を聞くこともあります。ガイアの夜明けの企画にコミットした経験がありますが、1時間番組への企業取材がどんなに大変であるかのお話は次回にしたいと思います。


取材とロケでも不可欠な「多大なるご協力」

企業への取材といっても趣旨や番組の長さとスタイル、内容によって千差万別です。30分、1時間といったニュース番組内の「特集」として数分取り上げられるのか、ガイア・カンブリアのように番組全体でその法人(そのプロジェクト)を取り上げるかで、取材の手数や時間は大幅に異なりますが、ディレクター等制作に携わる側の良いコンテンツにしたいという想いと拘りが大きい分、取材の手間も期間も掛かりロケ・撮影実現のための取材先さまの文字通り大変なご協力が必要になってきます。


ロケ先でのお叱り

前職時代、年末のニュース取材で各局が恒例として訪れる商店街で「この前もうちの○○を放送局に撮らせたけど、この角度から撮りたい、これをどけて欲しいあれを動かしてほしいと散々注文付けられて、全部カットされていた」「夜景も撮るからと夜まで撮影に付き合ったが、放送では夜景は数秒だった」など、よくけん制のような小言・お叱りを頂いたものです。しかしながら実際2、3時間も撮影にお付き合い頂いたのにアウトプットが1分2分のとなることは当たり前でした。ロケ立ち合いの大変さを知っている取材先からは「繁忙期なのでテレビ取材は厳しい」とお断りされることもありました。


質の高い映像づくりと取材の手間

2日がかりの旅ロケが1時間枠に編集された旅番組を御覧頂ければ、膨大な撮影時間をご想像頂けるのではないでしょうか。豊富に映像があればあるほどハイライトになるシーンを撮影できてストーリー展開に彩りが加わります。そして何より編集のオプション素材が増えます。良い作品・番組にするために制作側(放送局側)にとっては当たり前のこととして叩き込まれている「常識」を、取材ご希望の法人ご担当者様にはよくご理解頂く必要があると常々感じています。


 

プロフィール

株式会社エムシーストラテジー
代表取締役 槇 徳子

20年に渡りCBC、テレビ東京に勤務、あらゆる時間帯のニュース番組を担当。今も続くニュースモーニングサテライトの立ち上げ等、10年以上金融情報番組に携わりました。報道する側の経験を基に2008年エムシーストラテジーを起業、経営者や研究者を対象にテレビ出演はじめインタビューなどをサポート。クライアントのセミナーやオープニングパーティーなどイベントでも情報発信戦略に関わり、HP等自社メディアコンテンツからプレスリリース文言まで、あらゆる側面から情報発信アドバイザリーをしています。


2022年、2023年 日経新聞広告賞審査員

2022年~(株)ミンカブ・ジ・インフォノイド社外取締役


Webサイト:株式会社エムシーストラテジー

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