第10回
そもそも「KPI」の設定が間違っている?
前回お話をさせて頂いた「KPI」、適切な指標として設定してゆくために、どんなことを考えればよろしいでしょうか?
例えば、前年度目標予算を達成しなかった会社の経営者と営業マネージャーがご相談に来られました。「部下には1日3件訪問するように指導してます」ということだったのです。私が「なぜ1日3件なのですか?」と尋ねると、「いや、なんとなく3件くらい回れていれば結構頑張っている方かなと思ったので」とのことで、全く根拠がありませんでした。
目標から逆算してみると、実際には、「1日3.7件(≒4件)訪問」しないと目標達成できなかったのです。部下はやるべき行動を実行してきたわけですから、ある意味、目標達成できなかったのは、営業マネージャーによる責任が大きいものとなります。
さて、このようなことが起きぬよう、経営者や営業マネージャーは目標から逆算して考えなければなりませんが、どうすれば良いのでしょうか?
【練習問題】です。
営業マン数8名、月間目標受注額=5000万円、平均受注単価=200万円のある会社があったとします。
その会社の営業プロセスをシンプルに分解すると、(1)初回面談→(2)ヒアリング→(3)提案・見積もり→(4)受注、という4つになっています。
初回面談からヒアリングに至る歩留まり率「案件化率」=20%、ヒアリングから提案・見積もりに至る歩留まり率「見積率」=80%、提案・見積もりから受注に至る歩留まり率「成約率」=30%だったとします。
この会社の「KPI」を「1日当たりの訪問件数」「1週間当たりの見積もり件数」で設定する場合、それぞれ、どうなりますか?
※ただし、小数点以下は切り上げて整数で解答してください。また、前提として、商談期間は1カ月以内、1カ月間の営業稼働日数は20日間、各プロセスにおける必要訪問回数は1回とします。
参考文献一覧
・「90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術」(東洋経済新報社)
・「成果にこだわる営業マネージャーは『目標』から逆算する!」(同文館出版)
・「これだけ!Hou Ren Sou(報連相)」(すばる舎リンゲージ)
・「ITメディア記事」
【プロセスマネジメント大学 無料見学会開催中】詳細は、電話(03-6214-1860/担当:小林)にてお問い合わせください。
プロフィール
プロセスマネジメント財団
代表理事 野部剛
1996年、早稲田大学卒業後、野村証券へ入社。本店勤務。4年間一貫して、リテール営業。トップ営業マンとして活躍。2005年5月、ソフトブレーン・サービス入社。執行役員を経て、10年7月に代表取締役社長に就任。営業マーケティングに関するセミナーを多数開催している。著書に「90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術」
Webサイト:一般財団法人 プロセスマネジメント財団
- 第15回 営業目標予算達成の為に必要な「4つ」のこと
- 第14回 「計測」はすべての原点
- 第13回 営業力=質×量×効率化×戦略
- 第12回 「KPI」をより具体的に設定する方法
- 第11回 目標から逆算してKPIを設定する方法
- 第10回 そもそも「KPI」の設定が間違っている?
- 第9回 「KPI」と「KGI」の違い?
- 第8回 あなたの会社の「セールスのツボ」は何ですか?
- 第7回 「プロセスマネジメント」だけでは業績が上がらない?!
- 第6回 「プロセスマネジメント」とは結果を最大化する手法
- 第5回 “営業”における間違った行動分解とは
- 第4回 間違った行動分解とは
- 第3回 結果が出ないのは、能力が足りないからではない
- 第2回 プロセスマネジメントの必要性
- 第1回 初めに ~長時間働くのが好きな日本人~