第8回
あなたの会社の「セールスのツボ」は何ですか?
松下幸之助氏、曰く、「経営者は、いつも将来というものが頭にないといけない。そのうえで、今どうしたらいいのかを考えるのが、経営者としての発想である」。
セールスプロセスを設計してゆく上で、重要な考え方は、<目標から逆算する思考>です。
先日も自動車ディーラーのトップセールスマンの方とお話しする機会がありました。その際に、車を売るコツをお聞きしたところ、「車を売ろうと考えるのではなく、まずは試乗してもらおうと考える」ことが大切だそうです。他の自動車ディーラーのトップセールスマンからも同様のお話をお聞きしておりますので、本当です。つまり、自動車における「契約」「受注」という結果の前に、ある種"セールスのツボ"として「試乗」というセールスプロセスがあるということです。「試乗」さえしてもらえれば、6~8割のお客様が購入してくださるそうです。
以前、ウェディングプランナーのトップの方に、挙式や披露宴を売るコツをお聞きしました。コツは、決めてもらうよりもまず、「仮予約」を頂戴することが大事だそうです。つまり、ウェディングにおける「契約」「受注」という結果の前の"セールスのツボ"として、「仮予約」というプロセスがあるそうです。
ゼクシィの調査によれば、1組のカップルが見学する会場の数は3~4件だそうです。普通に考えれば、成約率33.3%~25%ということになります。ところが、「仮予約」をして頂いたお客様の成約率は、70%を超えるそうです。だからこそ、接客するウェディングプランナーは目を¥マークにして接客することなく、最低でも「仮予約」を入れておいてもらおうと心がけることが大切なのだそうです。
こうしたセールスのツボは、どのような営業スタイルの会社にも存在します。トップセールスマンは全員意識して行動できています。「どうすれば、その得たい結果が得られるのか?」という逆算思考によりそれを導き出すのです。
参考文献一覧
・「90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術」(東洋経済新報社)
・「成果にこだわる営業マネージャーは『目標』から逆算する!」(同文館出版)
・「これだけ!Hou Ren Sou(報連相)」(すばる舎リンゲージ)
・「ITメディア記事」
プロフィール
プロセスマネジメント財団
代表理事 野部剛
1996年、早稲田大学卒業後、野村証券へ入社。本店勤務。4年間一貫して、リテール営業。トップ営業マンとして活躍。2005年5月、ソフトブレーン・サービス入社。執行役員を経て、10年7月に代表取締役社長に就任。営業マーケティングに関するセミナーを多数開催している。著書に「90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術」
Webサイト:一般財団法人 プロセスマネジメント財団
- 第15回 営業目標予算達成の為に必要な「4つ」のこと
- 第14回 「計測」はすべての原点
- 第13回 営業力=質×量×効率化×戦略
- 第12回 「KPI」をより具体的に設定する方法
- 第11回 目標から逆算してKPIを設定する方法
- 第10回 そもそも「KPI」の設定が間違っている?
- 第9回 「KPI」と「KGI」の違い?
- 第8回 あなたの会社の「セールスのツボ」は何ですか?
- 第7回 「プロセスマネジメント」だけでは業績が上がらない?!
- 第6回 「プロセスマネジメント」とは結果を最大化する手法
- 第5回 “営業”における間違った行動分解とは
- 第4回 間違った行動分解とは
- 第3回 結果が出ないのは、能力が足りないからではない
- 第2回 プロセスマネジメントの必要性
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