第4回
間違った行動分解とは
【問題】 次の設定を行動分解してください。
目の前に「冷えたビンビール」と「冷えたグラス」と「栓抜き」があります。
誰でもおいしいビールが注げるように、グラスにビールをおいしく注ぎ終えるまでの行動を分解してみましょう。
多く分解出来れば良いとは一概に言えない。抱えている組織のメンバーによって、適正な分解量が異なる、というところまで前回お話をさせて頂きました。
問題を実施すると、びっくりするような回答が出てくることがあります。よくある間違いは大きく分けて4つです。
1、ゴールを間違える人
この行動分解のゴールは、おいしいビールを注ぎ終えることです。
問題文で、わざわざ「注ぎ終えるまで」とお伝えしているにも関わらず、最後が「グビグビと一気に飲み干す」などとしてしまう方がいらっしゃいます。
2、スタートを間違える人
問題文で『目の前に「冷えたビンビール」と「冷えたグラス」と「栓抜き」があります。』
とお伝えしているにも関わらず、なぜか 「1.グラスを冷やす」 という人がいらっしゃいます。
3、「栓抜きで栓を叩く」という人
私共のお客様に大手ビール会社様がいらっしゃいますが、「栓抜きで栓を叩く」ことはお止め頂きたいとのことです。理由は、味に何ら影響はないし、場合によってはガラスの破片がビールに混入してしまい危険性があるそうです。結論として、目的に対して無意味な行動をしていることになります。
4、ビールの注ぎ始めにグラスを斜めにする人
実は、注ぎ始めはグラスを垂直にするのが美味しいビールを注ぐコツだそうです。
最初に、意図的に泡を立てて、時間の経過と共に炭酸ガスがグラスから抜けないようにする。実は、私もビール会社のお客様より教わるまでは、知らなかったのですが…。
この話を 『営業』 に置き換えてみると、どうなるでしょう?
参考文献一覧
・「90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術」(東洋経済新報社)
・「成果にこだわる営業マネージャーは『目標』から逆算する!」(同文館出版)
・「これだけ!Hou Ren Sou(報連相)」(すばる舎リンゲージ)
・「ITメディア記事」
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プロフィール
プロセスマネジメント財団
代表理事 野部剛
1996年、早稲田大学卒業後、野村証券へ入社。本店勤務。4年間一貫して、リテール営業。トップ営業マンとして活躍。2005年5月、ソフトブレーン・サービス入社。執行役員を経て、10年7月に代表取締役社長に就任。営業マーケティングに関するセミナーを多数開催している。著書に「90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術」
Webサイト:一般財団法人 プロセスマネジメント財団
- 第15回 営業目標予算達成の為に必要な「4つ」のこと
- 第14回 「計測」はすべての原点
- 第13回 営業力=質×量×効率化×戦略
- 第12回 「KPI」をより具体的に設定する方法
- 第11回 目標から逆算してKPIを設定する方法
- 第10回 そもそも「KPI」の設定が間違っている?
- 第9回 「KPI」と「KGI」の違い?
- 第8回 あなたの会社の「セールスのツボ」は何ですか?
- 第7回 「プロセスマネジメント」だけでは業績が上がらない?!
- 第6回 「プロセスマネジメント」とは結果を最大化する手法
- 第5回 “営業”における間違った行動分解とは
- 第4回 間違った行動分解とは
- 第3回 結果が出ないのは、能力が足りないからではない
- 第2回 プロセスマネジメントの必要性
- 第1回 初めに ~長時間働くのが好きな日本人~