第5回
ミャンマーの教育は!
合同会社ジーフロッグ 木村 賢嗣
ミャンマーは発展途上国ですが識字率は 92% です。
インド 76%、カンボジア 76%、ラオス 69%、バングラデシュ 56%
ミャンマーでは国立学校が主体で、小中高まで同じ学校になっていることが多いです。
先生の制服は、緑のロンジーと白いシャツです。男女比率は、女性が 80% 以上と言われています。
確かに、私が訪問した学校には男性の先生は、いませんでした。
識字率が高い背景には、寺院学校の存在があります。日本の寺子屋のようなイメージです。
主に両親のいない孤児を、お坊さんが養育しています。全てが寄付とボランティアによって運営されています。
教育は学校の先生がボランティアとして、子供達を教えています。
寺院学校では、伝染病になった子供を隔離する部屋が無いため、他の子供達にも伝染してしまうことが課題と聞いています。
真剣に手を合わせて聞いている姿に、心を打たれました。
学校制度
幼稚園 1年 5才~
小学校 4年 6才~
中学校 4年 10才~
高校 2年 14才~
大学 4~8年 16才~ (大学による)
最短で大学4年を卒業すると 20才です。
ミャンマー語は基本文字と発音記号があり、日本語と文法が似ているため習得が早い特徴があります。
進学試験
小学生から毎年進学試験があり、試験の成績で大学が決まります。
最近では再試験などの救済措置も進み始めています。
高校から教科書が英語版しか存在しないため、英語ができないと中学校までの学歴となってしまいます。
低学年の生徒は文房具すら無い状態で必死に授業を受けていました。
グレード
学年ではなく、グレードと呼ばれています。
グレードは0~10 で、中学3年はグレード7 です。
グレード10(セーダン)試験という高校卒業試験があります。
ミャンマー語、英語、数学が必須 3科目、理系は物理、化学、生物の3科目
文系は経済、歴史、地理の3科目、全6科目で40点以上が合格になります。
理系ではミャンマー語以外の科目は全て英語で出題され、1科目でも点数が足りないと落第です。
落第すると、中学校卒業までの学歴になってしまい就職が厳しくなります。
ヤンゴン市内だけで、200校を超える日本語学校が存在すると言われています。
学歴が低くても日本へ行って働きたいと願う若者が多い現実があります。
教育内容
軍事政権の名残から教育内容は、暗記方式になっています。
( a ) is famous in China.
例えば試験では、このような出題になるのですが答えられますか?
a = 万里の長城? 黄河? 揚子江? 北京?
「教科書」に書いてあることが正解になるため、暗記しなくては回答できないのです。
今後の課題
暗記方式教育のため「発想、創造」などが苦手な人が多い現実があります。
大学の進学率 約30%、「中学卒」という学歴の人が多く働ける職種が限られています。
ミャンマーの教育には、大きな課題があります。
日本、ミャンマー、、、どの国に生まれても子供に差別があってはならない。
発展途上国にとって「教育」が最大の課題です。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
プロフィール
合同会社ジーフロッグ
代表社員 木村 賢嗣
富士通株式会社へ新卒入社後、日本初の銀行ATM搭載タッチパネル設計に従事(スマホのタッチパネルなど現代に欠かせない礎を築く)、世界初となるプラズマディスプレイ設計に従事。その後、セイコーエプソンにおいて、USB2.0規格に準拠したスキャナーの組み込みソフトウェア開発に従事。リーマンショックの影響により建築業界へ転職、飛び込み営業として営業スキルを習得。
日本の人口減少という課題にミャンマー人材と共に解決に取り組み、ミャンマー発展のために寄与することを経営理念として、2018年3月に合同会社ジーフロッグを設立、CEOに就任。
30年以上のエンジニア経験と過去の実績を活かしたイノベーターとして、ミャンマーと日本の新しい未来を創造するため活動している。
Webサイト:合同会社ジーフロッグ