第10回
なぜ、ミャンマーなのか!
合同会社ジーフロッグ 木村 賢嗣
最近では仕事や観光で東南アジアへ行く人が多くなりました。
海外旅行者:約1,500万人(1~9月)
2019年夏休み人気旅行先で東南アジア 3ヶ国がベスト 5 に!
1位:ハワイ
2位:台湾
3位:タイ
4位:シンガポール
5位:ベトナム
歴史を振り返ってみると
日本は高度経済成長(成長率 約10%)から先進国へと発展してきました。
1955~57年:神武景気
1958~61年:岩戸景気
1963~64年:オリンピック景気
1966~70年:いざなぎ景気
1974年:経済成長率マイナスに転落
1986~91年:バブル景気
2008年:リーマンショック
ミャンマーは、これから本格的に経済が成長します。
2014年 8.0%
2015年 7.0%
2016年 5.9%
2017年 6.8%
国交が樹立された年代は
1887年 タイ
1954年 ミャンマー(ビルマ)
1957年 マレーシア
1965年 韓国
1972年 中国
1973年 ベトナム
タイは別格としてミャンマー(ビルマ)と日本の関係は長く、それすらも知られていない状況があります。
相手を思いやる心配り
仏教徒が多く、パゴダ(お寺)と呼ばれる寺院と神社が融合したような特別な象徴があります。お坊さんへの敬意は、信仰心の強さを感じます。
お坊さん、パゴダへの寄付は多くの人が心がけており、困っている人へ寄付する事が当たり前となっています。
どこの国でも楽して、お金を集めようとする不埒な人もいます。そのような人に寄付することはありません。
日本では「おはようございます」、「お疲れさまです」など時と場合によって使い分けている挨拶。
ミャンマーの基本は
「ご飯食べた?」
「家族は元気?」
など、相手を思いやる言葉が挨拶になっています。
両親、先生、上司、先輩から言われたことを素直に受け入れます。
一緒に仕事をするうえで、日本人と同じ部分があります。
昔の日本と同じような国民性があるのがミャンマー人です。
偉大な建国の父
東南アジアは親日国が多く、日本にとって大切な存在です。
特にミャンマーは 1番 の親日国と言えます。
「建国の父」アウン・サン将軍はイギリスの植民地から開放するため、ミャンマー(ビルマ)から出国するために、一説には前歯を抜いて変装したと伝えられています。
母国のためにと思う「不屈の信念」と言葉で書くのは簡単です。
しかし、この痛みは想像に耐えがたく私には表現できません。
そこまでして、向かったのが日本です。
「建国の父」アウン・サン将軍はミャンマー人にとって、他に比べることすらできない偉大な存在です。
アウン・サン将軍が残した言葉
『父親が子供に教え諭すがごとく、その子供を守るがごとく雷将軍は真の愛情をもって、ビルマ独立義勇軍の兵士全員を教え全員をかばい、全員のことに心を砕いてくれた。
ビルマ人は老若男女を問わず、これを忘れることは決してない。たとえ世界が亡ぶとも、われらの感謝の気持が亡ぶことはない。』
これを読んで心動かされる人もいると思います。
この偉大な「建国の父」が残した不屈な信念と、当時のビルマ独立に向け「雷将軍(鈴木敬司大佐)」への気持ちが、親日として根付いているのかも知れません。
豊富な資源
軍事政権の影響で、手付かずの資源があります。
エネルギー資源
天然ガスは約11兆8000億立方フィート
石油は約2億1000万バレル
石炭は約4億6500万トン
他にも発見されていない埋蔵量があると言われています。
鉄鉱石資源
ベースメタル(鉛、亜鉛、錫など)
レアメタル(アンチモン、タングステン、ニッケルなど)
宝石類(翡翠、ルビー、サファイア、キャッツアイ、ラピスラズリ、ガーネットなど)
貴金属(金、銀、銅など)
錫、アンチモン、タングステンなどの鉱石は世界有数の生産量となっています。
観光資源
コータウン、ベイ、ダウェイ、ナパリなど、日本人が好きな白浜ビーチが多数あります。
しかし、中国や韓国からの投資が進み、先進国が望む「無」、「自然」という
本来の自然の豊かさとは異なる開発も進んでいます。
外国人が観光として立ち入るにはリスクの大きな場所も存在します。
豊かな天然の観光資源こそ、ミャンマー発展に欠かせない大切な資源です。
人的資源
平均年齢 28歳(日本46歳)という若さと活気に満ちておりいたるところに若者が溢れかえっています。
平日の日本では、スーパーやデパートに高齢者や浮浪者が多く多くの不安を感じてしまいます。
2014年「メディア法」が成立されたことにより、検閲が廃止されました。
自由に情報を手に入れ、知らない事を自由に学ぶことができる。
知識欲に芽生え、多くの若者が向上心と働く意欲に満ち溢れています。
ミャンマーは「ラストフロンティア」と言われ、低賃金で労働力が得られる国として脚光を浴びています。
しかし、その考えには問題があります。
今、ミャンマーに進出している日系企業の中には、低賃金労働者として扱う企業が多く存在しています。それが間違っているとは言えません。
近い将来、気付くことがあるのではないかと思っています。
地の利を活かした飛躍
アジアの2大国であるインドと中国に国境を接しており、古来から重要な要衝としてミャンマーは位置付けられてきました。
インド洋を望むアダマン海に面して2,832kmの海岸線があります。
ASEAN では、タイを中心に物流網が整備されていきます。
ASEAN から世界への交通、物流の要衝として大きな役割を担うことになります。
驚愕の言語習得スピード!
ソフトウェア開発に関する言語などは
Java、PHP、Python、c、c#、c++、COBOL、Ruby、JavaScript、unity、Swift、Scala、GO、HTML、CSS、SQL、.NET など多数存在しています。
ミャンマーのITエンジニアは言語の習得スピードが早い特徴があります。
これは当社社員のJLPTの合格証明です。
来日から日本での就職時まで、N5 すらも持っていませんでした。
JLPTの日本語能力を何も持たないまま日本で就職後 8ヶ月で N2 合格、1年後 N1 に合格しています。
ミャンマー語は日本語と文法が似ているため、驚愕のスピードで日本語を習得します。
ミャンマー人は日本で働くことで N1 を取得するとこができます。
JLPTだけでミャンマー人材を判断することは不利益になります。
なぜ、ミャンマーなのか!
人口減少の日本において将来を考えた時、共に歩む国はミャンマーと私は考えています。
★酷似した国民性
★親日国
★豊かな資源
有利な地の利を活かして大きく飛躍することは確実です。
特に驚異の日本語習得スピードは、多くの日本人にとって共に仕事をする上で大きな意味を持ちます。
激動する政治と経済、今、ミャンマーを知ることの意味を感じて頂けたらと考えています。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
この連載は今回で終了です。
ミャンマーのことを、少しでもイメージできましたら幸いです。
プロフィール
合同会社ジーフロッグ
代表社員 木村 賢嗣
富士通株式会社へ新卒入社後、日本初の銀行ATM搭載タッチパネル設計に従事(スマホのタッチパネルなど現代に欠かせない礎を築く)、世界初となるプラズマディスプレイ設計に従事。その後、セイコーエプソンにおいて、USB2.0規格に準拠したスキャナーの組み込みソフトウェア開発に従事。リーマンショックの影響により建築業界へ転職、飛び込み営業として営業スキルを習得。
日本の人口減少という課題にミャンマー人材と共に解決に取り組み、ミャンマー発展のために寄与することを経営理念として、2018年3月に合同会社ジーフロッグを設立、CEOに就任。
30年以上のエンジニア経験と過去の実績を活かしたイノベーターとして、ミャンマーと日本の新しい未来を創造するため活動している。
Webサイト:合同会社ジーフロッグ