第1回
Varonis誕生ものがたり
Varonis Systems, Inc. 執筆
このコラムでは、サイバーセキュリティ、プライバシー、データ保護についての最新のトレンドや知見、分析情報、事例などを皆様にご紹介していきたいと考えております。
第1回目となる今回は、弊社の成り立ちをご紹介するとともに、私どもが取り組むデータセキュリティの重要性がこれまでになく増している背景を解説していきます。
Varonis創業までの物語
2003年、ある巨大な石油ガス企業で大事故が起きました。その企業は数百万ドルもの資金を投じて海底の高解像度の画像を撮影し、自社のファイルサーバーに保管していました。ある日、安全に保管されていたはずのこれらの画像が消失してしまったのです。
なぜ突然画像が削除されてしまったのでしょうか?計画的に盗まれたのでしょうか?その答えを追求する以前に、2名のセキュリティとシステムの専門家は、何が起きたのかについて何も記録が存在しないこと、容疑者を絞り込むのも容易でないことを知りました。
この大事故になりかねない事件から、2人の専門家が機会を見出したのです。データはこれまでよりもずっと価値があるものになってきており、企業のデータへの依存性も高まってきていました。ファイルシステムの複雑性とサイズは飛躍的に増大していましたが、企業でのデータの作成速度が上がるにつれ、データのセキュリティは見落とされるようになりました。
2005年、この2人の専門家、Yaki FaitelsonとOhad Korkusは、組織の非常に重要なデータに対する可視性とコントロールを高めるために、Varonisを設立しました。
現代に話を戻しましょう。セキュリティ侵害やランサムウェアがメディアの見出しを埋めています。いったい攻撃者は何を求めているのでしょう。ずばりデータです。より厳格で、重大な結果をもたらす規制の対象となっている、あらゆる場所に保管されているデータです。CEOや経営陣、取締役会が次の見出しに載らないように頭を悩ませている理由はここにあります。
Varonisが提供することとその重要性がこれまでになく増している理由
Varonisは10年以上前に、企業がデータを作成し共有する能力がデータを保護する能力を大幅に上回っていることに気づきました。膨大な量の情報がアナログメディアからデジタルメディアへ移行することを見通して、容量やアクセシビリティのニーズが高まるだろうと予測していたのです。また、徹底的なデジタル変革とデータへの依存性の高まりが相まって、世界経済を変化させ、企業や政府のリスクプロファイルを揺るがすと予想していました。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックはこの動きを加速したにすぎません。
データの価値が増すにつれ、データを盗む側の意欲は高まり洗練されていきました。この傾向は、暗号通貨により、盗んだデータで匿名の恐喝をし、身代金を要求し、データを販売できるようになった今、特に顕著です。かつては国家機関のみが知っていたツールやテクニックは広く利用可能になり、濫用されるようになりました。また、新しい脆弱性やセキュリティ上の弱点が毎日出現しています。
こういった前線での衝突による大混乱が頻繁になり、企業や消費者に多大な損害を与えるようになると、必然的に新しい規制や罰則が登場します。GDPR、CCPA、およびそれに続く無数の規制が施行されたことで、独りよがりだったチームは、役員室でひっきりなしに語られる最大のデータリスクへの対応を迫られています。
すべてが同時に進行しているように見えるのは、実際にそうだからです。取締役会はその意思を汲み取り、トップダウンで行動を起こします。Varonisプラットフォームは、データの価値がこれまで以上に高く、脆弱性が最も高まっている現代の市場状況に最適です。この完璧な嵐のおかげで、データを後回しにするのではなく、最初にデータを保護するための自動化を導入することが避けられなくなったのです。
(以上、弊社「Varonis Message Map」からの抄訳)
プロフィール
Varonis Systems, Inc. (NASDAQ: VRNS) はデータセキュリティと分析の先駆者で、データ保護、脅威の検出と対応、およびコンプライアンスに特化したソフトウェアを開発しています。Varonisはデータのアクティビティや境界テレメトリー、ユーザーの振る舞いを分析することにより企業のデータを保護し、機密性の高いデータのロックダウンにより事故を防ぎ、また、自動化によりセキュアな状態を効率的に維持します。
Webサイト:Varonis Systems, Inc.
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