第10回
組織のととのえタイム
仕組み経営株式会社 執筆
最近はサウナが流行ってますね。
サウナで心身ともにリラックスさせるのを”ととのえる”というらしいです。
私もジムに行った際、たまにサウナに行くのですが、残念ながらあまり汗が出ない体質なせいか、その境地に至った経験がありません。
さて、今日は、心身ではなく、組織をどうやってととのえていくか?という話をしたいと思います。
会社の人数が増えてくると、
「組織づくりがうまく行っていない気がするけど、具体的にそれが何なのか、何が原因なのかわからない」
といったことが起こります。
たとえば、
• 目標、計画があっても皆に共有&コミットされていない気がする。
• 情報が錯綜し、社員・部門同士の連携が悪い気がする。
• 個人事業の集まりになっており、組織力が活かせていない気がする。
といったようなことです。
これらの課題感は、会社が組織としての基本機能を果たしていないことで起こります。
組織としての基本機能とは、
• 共通の目的
• 分業の仕組み
• 協業の仕組み
の3つです。
それぞれ見てみましょう。
共通の目的:心をととのえる
会社は共通の目的と価値観を共有する人たちの集まりです。
単なる人の集まりである”グループ”に、共通の目的が与えられることで”チーム”となり、”チーム”が組み合わさることで”組織”となります。
そのため、まず目的と価値観を明確化、共有し、心がひとつになっているかどうかを確認することが大切になります。
目的と価値観はいわゆる理念と呼ばれているものです。理念は、大きく3つで成り立っています。
・自社の存在意義
・自社の長期的な姿
・自社が大切にしている価値観
これら3つがいかに社員に浸透しているかが組織が整っているかどうかの最初のポイントになります。
分業の仕組みをととのえる
分業とは、大きな仕事を小さな仕事に分解し、複数人で分担することです。
会社でいえば、組織図や各ポジションの職務内容を明確化することが分業につながります。
分業の仕組みが上手く設計できないと、いわゆるムダ(人員過剰)やムリ(人員不足)が生じます。
どう分業するかは工夫が必要です。大企業の社長は常に、どう分業するかという組織図の問題に頭を悩ませていると言います。
たとえば、担当エリアで分業するか、商品ごとに分業するか、顧客セグメント毎に分業するか等々。
それらの中で、最も生産性が高く、顧客にとって効果がある方法で分業します。
また、どこまで分業するかも大切です。
分業という概念が生まれた時、可能な限り作業を分業化し、一人の人が同じ作業を繰り返し行うことこそが、最も生産性を上げる方法だ、と考えられていました。
しかし、これは真実ではありませんでした。
過度に分業化された仕事は、人の生産性を逆に下げることが分かってきたのです。
むしろ、ひとつの仕事を最初から最後まで自分で担当し、その結果を自分で見届けることが生産性につながることがわかってきました。
一方、分業しなければ組織全体としてはムダが生じ、組織力が発揮できません。
そこで、会社全体で見た時に、最高の生産性を生むレベルにまで分業化するというバランスが求められるわけです。
協業の仕組みをととのえる
分業だけでも組織が成り立ちそうですが、実はそれだけではダメで、協業の仕組みが必要になります。
協業の仕組みが出来ていないと、情報が滞ったり、連絡がうまくいかなかったりして、ミスやトラブル、人間関係の悪化が生じます。
協業の仕組みには、縦と横があります。
縦が上司と部下の協業です。いかに委任をしたり、評価をするか、いかに報告連絡相談を行うか。
そして、横が部門間、チーム間の協業です。野球でいえば、野手のポジションの中間地点に落ちそうなボールをどちらが拾うかを声を掛け合って調整することです。
というわけで、組織が上手く運営されていないと思う場合には、
• 共通の目的
• 分業の仕組み
• 協業の仕組み
のいずれかの仕組み、または複数の仕組みに原因があると言っていいでしょう。
ぜひあなたの会社もチェックしてみてください。
プロフィール
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Webサイト:仕組み経営株式会社
- 第15回 会社の仕組みを変えることで人が自然に変わる
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- 第13回 社内で一番厄介な仕組みとは?
- 第12回 差別化を生み出す仕組み化の手順
- 第11回 「おもてなし」も仕組み化できる
- 第10回 組織のととのえタイム
- 第9回 マニュアル化率98%を目指そう
- 第8回 「企業は人なり」はウソ?
- 第7回 成功裏に社長をリタイアするには?
- 第6回 三位一体の計画を作ろう
- 第5回 会社の仕組み化とは一体何か?
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