第10回
スキマ時間を上手に活用しよう
皆さん、スキマ時間を活用していますか?
会議と会議の間の5分、外出前の10分、次の仕事に取りかかる前の7、8分。こうしたわずかな時間の活用の有無が、そのうち大きな差になってくると考えて、意識的に活用している人も多いのではないでしょうか。
でも、スキマ時間を「ちゃんと」活用できている人は、意外に少ないかもしれません。
スキマ時間を使って取り組んでいる物事が一向にはかどらない。あるいは、スキマ時間のつもりで始めたことが、気が付くと30分や1時間になってしまう-こんな経験、誰でもありますよね。
スキマ時間活用のポイントはずばり、「やってはいけないことをしない」です。
30分のニュース番組を5分ずつ6回に分けて見ても、それほど大きな支障はないし、必要な情報は得られます。でも、30分の討論番組を6回に分けて見たら、何の話なのかさっぱり分かりません。
あるいは、歌番組なら10分で切り上げることは簡単ですが、魅力的なドラマや映画を見始めたら10分で止めるのはなかなか難しいと思いませんか?
同じように、企画書の作成や難しい資料の読み込みなどに、細切れにしたスキマ時間の中で取り組もうとしても、全然進まなかったり、スキマ時間に収まり切らずについ時間を延長してしまうということが起こりがちです。
逆に、机の上に積み上った書類を重要なものとそうでないものにより分けたり、この先1週間の予定をざっと再確認するといったことであれば、5分でも3分でも、そのとき持っている時間の範囲で支障なく取り組むことができます。
このようにスキマ時間に取り組む仕事の中には、やっても成果が出ないもの、スキマに収まり切らないものなど「やってはいけないこと」があるのです。
ちなみに、スキマ時間の対極にあるのは「まとまった時間」です。
以前にも紹介した「経営者の条件」という本の中でピーター・ドラッカーさんは「成果をあげるためには自由に使える時間を大きくまとめる必要がある」と説いています。
スキマ時間は「空いている時間を埋めるため」ではなく「どこかにまとまった時間を創り出すため」に活用する。こんな意識で取り組んでみても、面白いですね。
プロフィール
株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司
こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。
Webサイト:株式会社ネオレックス