第14回
思い切ってやめることも大切
この連載のタイトルは「今日から始める自己管理術」です。でも今回は思い切って、自己管理をやめてしまおうという話です。
これまでさまざまな自己管理のテーマに触れ、毎回、すぐに始められる、いろいろな取り組みを紹介してきました。
例えば、毎朝自分の体調を4段階で自己評価し、折れ線グラフにしようというもの。
あるいは、いつ、何をしたかを記録し、どんなことに、どれくらいの時間を使っているかを円グラフにして分析しようというもの。
体重を折れ線グラフにして推移を把握しようという話や、自分との間で必ず守れる約束をして、それを守ろうという話もありました。
その他にも、「重要でないメールを処理する時間」をあえて持とうとか、スキマ時間に「やってはいけないこと」をしないようにしようとか、自分一人でする仕事を「アポ」にしてスケジュールに入れていこう、という提案もありました。
皆さんの中には、これらのいくつかに実際に取り組んでみた人もいるでしょう。その中にはもちろん、途中でやめてしまった人もいるでしょう。
一方で、こうした取り組みを今でも続けている人もいると思います。
もしあなたが「続けている人」ならば、今ここで一度立ち止まって、少し考えてみてください。
果たしてあなたの取り組みは、今でも十分な効果を生んでいるでしょうか。
以前は「会議が多過ぎること」が課題だったけれど、今は「どの種類の会議に参加しているか」が問題だということであれば、時間を記録する切り口を変える必要があります。
重要でないメールを処理する時間を持つようにしたら、以前は無視していた無駄なメールまで読むようになってしまったというのであれば、やり方を変える必要があります。
私たちの状況は常に変化します。だから自己管理の取り組みは、始めたころには大きく効果が出たものでも、時間がたつと、それほど効果的でなくなるものも多々あるのです。
これまでの連載では、繰り返し「続けること」の大切さを紹介してきました。
でも、続けることができているのであれば、今度は変化させること、ときにはやめてしまうことも考えてみる必要がある、と伝えたくて今回の記事を書きました。何かの参考になればうれしいです。
プロフィール
株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司
こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。
Webサイト:株式会社ネオレックス