第7回
ダイエットは焦らずじっくり
ダイエットに失敗したことは、ありますか?
以前、何度も失敗しました。同じ経験をされている方も、きっと、とても多いはず。
でもあるとき、東京大学で筋肉の研究に取り組んでおられる石井直方教授の「10年かけて身に付けた脂肪は、10年かけて落とすつもりで」という言葉がきっかけとなり、順調にダイエットに取り組めるようになりました。
それまでのダイエットは、「短い期間に大きな成果を出そうとし過ぎていた」ということに気付いたのです。
あれから4年。6キロのダイエットに成功し、今は高校時代以来の体重になっています。
さてこの実績ですが、実は平均すれば月々わずか125グラムの減量です。この程度ですから、つらい思いをしたことはありません。「大盛りをやめる」とか、「満腹になったら一口残す」といったことから始め、少しずつ無理なく取り組んできました。ほんの少しずつであっても、何年も続けていけば大きな成果が出てくるのです。
ではどうしたらこうした取り組みを継続することができるのか。その秘訣(ひけつ)が、「実績の見える化」です。
体重は毎日変動するので、数字を眺めているだけでは成果が出ているのかどうかがなかなか分かりません。まして、数カ月前の体重を100グラム単位で覚えていられるわけもなく、「記憶」に頼って小さな変化をつかむことは不可能と言ってよいと思います。しかし、体重の推移を折れ線グラフにすれば、ジグザグしながらも下降(または上昇)していることが確実に分かり、成果を実感することができるようになります。そしてわずかでも成果を実感できれば、もっとやる気が出て、楽しくなり、ダイエットを続けていくことが容易になります。
この4年間、体重が毎月着実に減ったわけではありません。上がったり、下がったりの繰り返しです。
でも、折れ線グラフで眺めてきたことによって、数カ月単位でジグザグが少しずつ下に移動していることが分かっていたので、挫折することなくダイエットを続けることができました。ダイエットは本当に大変です。でも、焦らずじっくりと自己管理することさえできれば、必ず実現できるものでもあります。
「折れ線グラフでのんびりダイエット」。今日からぜひ、始めてみてください! 私もあと2キロくらい、がんばります。
プロフィール
株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司
こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。
Webサイト:株式会社ネオレックス