第3回
自分の行動を記録してみよう
近年再び脚光を浴びたピーター・ドラッカーさんは、「経営者の条件」という本の中で、時間を「最も欠乏した資源」と呼んでいます。
確かに、誰が何をするにも時間は必ず必要です。そして一方で、「時間が余ってしようがない」と思っている人は、あまり多くはないでしょう。
そこで今回からしばらくは、この大切な「時間」をテーマに話を進めて行きたいと思います。
その第一歩は実態把握。あなたが必要としている時間をどれくらい取れているか、簡単な方法で確認してみましょう。
まず、「何のために自己管理をするのか」という自分なりの目的を思いだしてください。(本連載第1回のテーマです!)そして次に、その目的に直接つながる行動を考えてみます。
例えば目的が「たくさんの新規契約の獲得」という営業マンであれば、その目的に直接つながる行動は「見込み先訪問」や「提案作成」などとなります。あるいは「資格試験に合格する」という目的なら「勉強」がその行動になるでしょう。
こうして、自分の目的に直接つながる行動がはっきりしたら、その行動をしていた時間を記録していきます。
予定を管理している手帳などがあれば、そこに実績を書き込んでいきます。予定と同じ書き方で、違う色のペンを使って記録すると簡単です。あるいは、1日分をまとめて「2.5時間」などとどこかにメモしても構いません。
注意すべき点は、正確に記録しようと思い過ぎないことです。現実の時間は電話やトラブルなどの割り込みにあふれていますし、複数のことを同時進行することも多々あります。ですから、厳密に記録しようとすると悩んだり面倒になったりで、すぐに挫折してしまいます。
大切なことは、まずは1週間記録を続け、ざっと実態を把握することです。数時間の誤差があっても構いません。15分や30分といった大ざっぱな単位で、気軽に取り組んでください。
記録した結果を分析・活用する方法は、次回以降にご紹介します。でも、ただ記録しているだけでも、きっといろいろな「気付き」があるはずです。ぜひ、楽しむことを心掛けて。
そしてくれぐれも、「目的につながる時間が少ない!」などと悩まないように。今回の目的はあくまで実態の把握であり、その改善は次回以降のテーマですから!
プロフィール
株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司
こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。
Webサイト:株式会社ネオレックス