第4回
時間の記録を分析してみよう
前回は、時間を管理する第一歩として「実態把握」を挙げました。
そして、自分なりの自己管理の目的に直接つながる行動は何かを考え、その時間をどれだけ取れたかを1週間記録してみようという提案をしました。
今回は1週間分の記録を簡単に分析する方法の紹介です。
まず、1週間の中で目的につながる行動を取れる「可能性のある時間」の総量を考えます。
例えば、「たくさんの新規契約の獲得」を目的にしている営業マンで、目的につながる行動が「見込み先訪問」や「提案作成」という前回のケースであれば、可能性のある時間は仕事時間の全てになります。毎日10時間くらい働いていて、週5営業日なら、総量は50時間ですね。
あるいは資格試験の勉強の場合、夕食後などに毎日1時間の自由時間が取れるとして、平日5日分で5時間。ここに週末の日中8時間×2日分を加えるなら、21時間が総量となります。
もちろんこの「可能性のある時間」の総量は、人それぞれに全く異なるものであり、自分なりに決めなければなりません。ただし、難しく考える必要はありません。目的はあくまで概況の把握です。ざっと、気軽に決めてしまいましょう。
可能性のある時間の総量を決めたら、先週1週間の「目的につながる行動」の時間が「総量」に占める割合を計算します。
目的につながる行動の合計が20時間で、可能性のある時間の総量が50時間であれば40%。これが、あなたの目的に対する時間の「有効活用比率」となります。円グラフにすると直感的にとらえやすいでしょう。
いかがですか? あなたの有効活用比率は何%だったでしょうか。そしてその結果を見て、あなたはどう感じましたか? もし「思ったより低いな…」と感じたのであれば「良い発見をした!」と考えて、これから楽しく改善していきましょう。
なおこの際、絶対に注意してほしいのは、有効活用比率の理想を高くし過ぎないことです。
仕事なら、社内会議や伝票処理など、自分なりの目的に直接はつながらなくても、やらなければならないことがあります。
また、自由時間にしても、息抜きや家族とのコミュニケーションなど、大切なことはたくさんあります。
高過ぎる理想はストレスのもと。高過ぎず低過ぎずという、自分なりの最適な有効活用比率を、ぜひ考えてみてください!
プロフィール
株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司
こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。
Webサイト:株式会社ネオレックス