第12回
やるべきことを正しく、たっぷり
売り上げ、勉強、ダイエット。皆さんそれぞれ、さまざまなことに取り組んでいると思います。しかし、「頑張っているけど成果が出ない」と思っている人も多いのではないでしょうか。
成果が出ない原因は、いろいろあり得ます。でも原因が自分の中にある場合は、単純に「やるべきことをやっていない」というケースが多いようです。
例えば、新規顧客の獲得がミッションという営業マンの場合。毎日たくさん仕事をしていて、本人としてはとても頑張っているが、成績が伸びない。なぜかというと、実は受注済み顧客のフォローばかりしていて、新規顧客向けの仕事はほとんどしていないことに気付いていない。これは「やっているつもりだが、実はやっていない」ケースです。
あるいは勉強の場合。数学を頑張ると決めて、週に1度3時間勉強しているが、成績が上がらない。実は好成績を挙げている友達は、もともと数学が得意な上に、毎日1時間、週7時間勉強している。これは「やっているつもりだが、実は足りていない」ケースです。
こうした事例は文章で読むと当たり前過ぎると感じてしまいますが、冷静に自分を振り返ってみれば、誰しも思い当たることがあるのではないでしょうか。
成果を挙げる人たちは、成果に直接つながる活動が何かをしっかりと把握し、その活動に着実に取り組んでいます。そして、すごく頑張っています。
個人的な話ですが、私はかれこれ20年以上ギターを弾いています。でもうまくありません。数年前、親しいギタリストに「僕は才能がないからギターがうまくならない」と話しました。すると彼は「え? でも俺はむちゃくちゃ練習したよ」と言いました。そのとき初めて、自分はただ漫然とギターを弾いてきたのであり、工夫して練習したことも、寝食を忘れて練習したこともなかったと気付き、とても恥ずかしい思いをしました。
今は「むちゃくちゃ」とはいきませんが、練習を工夫しつつ、毎日5分を20年続けるつもりで、練習時間を記録した折れ線グラフを励みに頑張っています。
もしあなたが「実はやるべきことをやっていなかったかも」と思うのであれば、今日からやるべきことを始めましょう。あるいはもし「実は足りていなかったかも」と思うなら、シンプルに、もっとやりましょう。その先に必ず、あなたの明るい未来が待っています!
プロフィール
株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司
こまい・けんじ PwCコンサルティング(現IBM)を経てネオレックス副社長。世界79カ国で利用されている自己管理のための無料iPhoneアプリ「MyStats」を発案。
Webサイト:株式会社ネオレックス