企業の抱えるリスクと対策

第11回

採用時にネガティブ情報をつきとめるバックグラウンドチェック

株式会社TMR  執筆

 
1.バックグラウンドチェックとは
(1)採用時におけるバックグラウンドチェックの必要性
(2)採用時にバックグラウンドチェックが行われている事例
2.ネガティブ情報をつきとめるためのバックグラウンドチェックの調査とは
(1)学歴や職歴についてのバックグラウンドチェック
(2)反社チェックや犯罪歴についてのバックグラウンドチェック
3.バックグラウンドチェックを実施する上での留意点と専門調査会社活用の必要性


1.バックグラウンドチェックとは

(1)採用時におけるバックグラウンドチェックの必要性

バックグラウンドチェックは採用時に実施する身元調査で、採用候補者の経歴をチェックします。つまり、応募者が経歴詐称を行っていないかをチェックするということです。

万が一、反社会的勢力との関与ある人物を採用してしまった場合などは、会社の信用性を失うなど大きな経営上の不利益につながります。こうした事態を避けるため、応募者から提供された経歴に関する情報が真実であるかどうかの裏付けを取るための調査としてバックグラウンドチェックが必要とされています。

(2)採用時にバックグラウンドチェックが行われている事例

某IT関連の大手企業では、採用活動におけるプライバシーポリシー上で「バックグラウンドチェック、その他確認手続きを通じて、採用選考に関連した情報収集を行う。」と公表している企業も存在します。

また別の企業では「委託先によるバックグラウンドチェックなど、追加情報を取得するケースがあります。」と記載されており、外部の専門調査会社を活用したバックグラウンドチェックを実施していると考えられます。加えて利用目的には、「応募者の適格性を評価するため」とされており、応募者の適性評価のために、バックグラウンドチェックを行っていることが分かります。すでに多数の企業の採用ページ上に記載がみられることから、バックグラウンドチェックは、採用時に行う身元調査・前職調査として一定の認知度を得ている取り組みと言えます。

 

2.ネガティブ情報をつきとめるためのバックグラウンドチェックの調査とは

(1)学歴や職歴についてのバックグラウンドチェック

バックグラウンドチェックでは、候補者の学歴を調査します。履歴書に記載されている学歴が事実かどうか、採用候補者に対する卒業証明書の提出依頼や、学校に対し在籍確認を行います。履歴書・職務経歴書に記載されている職歴に詐称がないかも確認します。雇用形態、在籍期間、職務内容などについて、過去の勤務先に確認します。こうした調査を通して勤務に際しての素行不良の有無などのネガティブ情報をつきとめることが可能です。

採用候補者の民事訴訟歴や破産の履歴調査も実施します。民事訴訟歴は公的機関でデータベース化されていないため、委託された専門調査会社が持つ独自のデータベースで確認することが主です。

(2)反社チェックや犯罪歴についてのバックグラウンドチェック

採用候補者が反社会勢力と関係を持っていないかをチェックします。反社会的勢力とは「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して、経済的利益を追求する集団または個人」とされています。暴力団だけではなく「半グレ」や「詐欺」の集団・個人との関係がないか、犯罪への関与はないかを調査します。

主に警察や裁判所のデータベースで照会しますが、日本では犯罪歴が原則非公開となっているため、ニュース報道などのメディアリサーチと専門調査会社の独自のネットワークによる調査となります。

加えて、ネガティブ情報のチェックとして、SNSなどのインターネット上にある採用候補者の情報調査も行います。SNS等で過去に不適切な投稿をしていないかも確認します。

 

3.バックグラウンドチェックを実施する上での留意点と専門調査会社活用の必要性

バックグラウンドチェックで採用する側の企業に認められるのは、職業法規にも明記されている通り「業務の目的達成に必要な範囲内」での個人情報収集です。犯罪歴や訴訟記録の調査は、就職差別につながる恐れがあり、職業安定法に抵触する可能性があるため留意する必要があります。

職業安定法(第五条の四)では求職者等の個人情報の取扱いとして、「その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。」と規定されています。労働大臣指針(平成11年労働省告示第141号)では「職業紹介事業者等は、原則として次に掲げる個人情報を収集してはならない。」と記されており、その範囲も明確に定められています。

バックグラウンドチェックに取り組む際には、コンプライアンス面で十分留意して取り組むことが欠かせません。そのため、企業独自で取り組むには自ずと限界が生じ、法的なリスクも発生します。バックグラウンドチェックにおいては、外部の専門調査会社を活用することが非常に有効な手段と言えます。

 

専門調査会社である㈱TMRでは独自の調査方法で、履歴書・職務経歴書などの応募者申告事項について踏み込んだ裏付けを行います。中でも身元調査では反社会的勢力とのつながりがないかどうかについて入念なチェックを行います。さらに、勤怠、退職理由等の確認を通して、素行不良、経歴詐称などのネガティブ情報がないかどうかを突き止め、客観的な判断材料を提供することで安心・安全な採用活動の実現が可能です。

特別雇用前職調査として、取締役など重要なポストへ登用など指定事項について特に綿密な前職調査を行うサービスも提供しており、反社チェックも踏まえて行う役職者採用など重要な経営判断の材料として利用できます。



※転載元 株式会社TMR お役立ち情報 「採用時にネガティブ情報をつきとめるバックグラウンドチェック


 

プロフィール

株式会社TMR

株式会社TMRはビジネスにおけるあらゆるリスク対応を支援し、企業価値の向上を全力でサポートします。


・信用を第一に「誠意」「正確」「迅速」をモットーにご納得いただくまで親身にご説明いたします。
・マスコミや弁護士事務所、警察関連組織などへの調査協力も行っており、法令遵守で調査情報の秘密厳守、社会正義に即した調査を行います。
・ISO27001認証を取得しており、調査後の調査資料の廃棄に至るまで厳格に管理しています。


■反社チェック
取引先や社員、株主などを対象に「反社会的勢力」との関係をチェックします。情報収集と収集した情報の蓄積を行い、独自でデータベースを構築し、情報利用についても熟知しているため、安心してお任せいただけます。


■信用調査
企業の与信調査(不動産や資産など)から採用時の個人 調査、その他、長年のノウハウを活用したきめの細かい各種信用調査を行います。
与信調査・不動産・資産・債権保全・信用調査・採用 入居者審査・身元調査・市場調査・各種マーケティングリサーチ・テナント調査・身元調査・訴訟関連・債権関連など


■リスクマネジメント
ISMS認証のノウハウを活用した情報セキュリティ対策支援やネット風評対策、ハラスメント対策などの企業のリスク対策のほか、盗聴対策などの個人向けの対策を含め、あらゆるリスク対策について対応可能です。
企業リスク対策(情報セキュリティ、情報漏洩等)・ネット風評対策・ハラスメント対策・各種相談窓口開設(コールセンター、内部告発等)・その他 盗聴対策、各種セミナー開催など


Webサイト:株式会社TMR

企業の抱えるリスクと対策

同じカテゴリのコラム

おすすめコンテンツ

商品・サービスのビジネスデータベース

bizDB

あなたのビジネスを「円滑にする・強化する・飛躍させる」商品・サービスが見つかるコンテンツ

新聞社が教える

プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。

広報機能を強化しませんか?

広報(Public Relations)とは?

広報は、企業と社会の良好な関係を築くための継続的なコミュニケーション活動です。広報の役割や位置づけ、広報部門の設置から強化まで、幅広く解説します。