第43回
経営者リスクとは?
株式会社TMR 執筆
1. 経営者リスクとは?
2. 経営者リスクの対策
3. 経営者リスクの対策を行うには
経営リスクという言葉はよく耳にしますが、その中にも含まれる経営者のリスクについても対策されていますでしょうか。経営者の健康面のリスクの他、後継者のリスクや経営者による不祥事、経営判断、経営戦略など、会社の方針を決める立場の人だからこそのリスクが存在します。
1.経営者リスクとは?
個人事業主の場合は、自身のリスクは自身で背負うことになりますが、社員を雇用する企業経営者の場合、経営者になんらかの問題が発生した際に企業として困ることや、経営者が問題を起こすリスク、誤った判断を行うリスクなど、経営者のリスクは企業存続にも大きく影響する重要なリスクとなります。
経営者の就業不能リスク
・ 病気やケガ、死亡などにより、経営者が就業不能となるリスク
ワンマン経営や経営者がトップセールス、経営者のコネクションで取引が行われている場合などは特に大きな影響を受けます。事業保証などの保険に加入していても企業経営自体の立て直しには組織的な対策が必要です。
後継者リスク
・ 後継者不在により事業継続が困難となるリスク
事業承継の問題が取り沙汰されているように、引き継ぐ経営者が存在しないことで廃業するケースは増加しています。また、事前準備を行っていないと、事業継承のために、M&Aなどにより事業売却を行う場合でも不利な条件となる可能性があります。
経営者の人的リスク
・ 経営者の能力や人柄による問題発生のリスク
経営者としての能力不足や経営者による違法行為、コンプライアンス意識が薄く統制が取れないなどの他、安全配慮や自然災害など、経営者が対策に携わらなければならないことを怠ることによるリスクや、経営者の責任問題として従業員等から訴訟を起こされるリスクなどがあります。対策するには、経営者への進言等も必要となるため、経営層の組織や監査などの体制が必要となります。
経営戦略リスク
・ 経営者の意向で企業方針が決定されるリスク
経営戦略は企業の今後の方針や目標となるため、誤った方向に進むと取返しのつかない事態にもなりかねません。この判断を経営者独断または、経営者の意向が非常に強く反映される環境の場合、第三者視点がないことにより、誤った方向に進むリスクが存在します。
2. 経営者リスクの対策
経営者のリスクへの備えは、経営者自身が行うことは難しいものもあるため、組織的に対策できる体制や、第三者の意見を取り入れられる体制などが必要となります。
万一、経営者不在となっても経営を継続できる体制
・ 経営者不在時の指示系統の確立や経営判断を行える体制づくり
・ 後継者の確保、引継ぎが行える準備
・ 運転資金を確保できるよう保険への加入や貯蓄、金融機関との関係構築
・ 経営者不在でも取引を維持できる組織力の強化と取引関係の構築
経営方針や経営判断が独断とならない体制
・ 経営者の判断に対し、リスク等の進言が行える組織の構築
・ 不正行為や違法行為を経営者独断で行ってしまわないよう監査できる体制
・ 独断の経営戦略とならないよう、経営者をフォローできる組織体制の構築
経営者に決裁権が集中するとリスクが大きいため、分散するか、経営者をフォローできる体制をつくることが望ましいと言えます。また、組織内部で経営者に対して進言が行いにくい場合なども含め、異なる視点から進言ができる第三者が存在することで、経営者リスクは軽減できる可能性が高いと考えられます。
3. 経営者リスクの対策を行うには
経営者リスクの対策を行うには、経営者自身がそのリスクを認識し、企業としての方針を示す必要があります。そのためには、経営者に進言し、協力し、企業一体となり実行していける組織や社員が必要となります。
リーダー育成や組織構築
・ 進むべき未来や中長期での視野、新しいことへの挑戦心など、リーダー意識やスキルを育む教育
・ メンバーの能力を発揮させるコミュニケケーション力や、次世代を担う経営思考など、リーダーシップ能力の育成
・ 人の動かし方、物やお金の運用など、経営の体系的なスキルが習得できる体制の構築
・ 時代や環境の変化に応じた経営戦略の策定が行える組織の構築
など
経営者リスクの対策を行うには、経営者自身がリスクを把握し、行動指針等により、企業の目指す方向やどこまで回避できるようにするか、回避するための資源をどのように確保するかなどを明確にする必要があります。役員をはじめ、社員や取引先など、関係者とその方針を共有し、理解を得て協力して実施する対策です。
裏を返せば、意識を統一し、経営者も含め、経営層それぞれが自身の役割や責任を認識し、企業の結束を高めるためにコミットメントし、柔軟性のある判断とともに行動することが最大の経営者リスク対策と言えます。
株式会社TMRでは、リスクマネジメント体制の構築支援を行っています。組織体制の最適化支援や内部通報制度、従業員研修による意識改革など、独自のノウハウと事案発生の企業や弁護士事務所からの依頼事案等多岐にわたる問題解決で得た豊富な実績を元に効果的な支援を行っています。また、これらの実績を元にした第三者視点での経営リスクに対するコンサルティングも承っております。
※転載元 株式会社TMR お役立ち情報「経営者リスクとは?」
プロフィール
株式会社TMRはビジネスにおけるあらゆるリスク対応を支援し、企業価値の向上を全力でサポートします。
・信用を第一に「誠意」「正確」「迅速」をモットーにご納得いただくまで親身にご説明いたします。
・マスコミや弁護士事務所、警察関連組織などへの調査協力も行っており、法令遵守で調査情報の秘密厳守、社会正義に即した調査を行います。
・ISO27001認証を取得しており、調査後の調査資料の廃棄に至るまで厳格に管理しています。
取引先や社員、株主などを対象に「反社会的勢力」との関係をチェックします。情報収集と収集した情報の蓄積を行い、独自でデータベースを構築し、情報利用についても熟知しているため、安心してお任せいただけます。
■信用調査
企業の与信調査(不動産や資産など)から採用時の個人 調査、その他、長年のノウハウを活用したきめの細かい各種信用調査を行います。
与信調査・不動産・資産・債権保全・信用調査・採用 入居者審査・身元調査・市場調査・各種マーケティングリサーチ・テナント調査・身元調査・訴訟関連・債権関連など
ISMS認証のノウハウを活用した情報セキュリティ対策支援やネット風評対策、ハラスメント対策などの企業のリスク対策のほか、盗聴対策などの個人向けの対策を含め、あらゆるリスク対策について対応可能です。
企業リスク対策(情報セキュリティ、情報漏洩等)・ネット風評対策・ハラスメント対策・各種相談窓口開設(コールセンター、内部告発等)・その他 盗聴対策、各種セミナー開催など
Webサイト:株式会社TMR
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