企業の抱えるリスクと対策

第12回

オンライン面接へシフトする採用市場における調査専門会社の活用

株式会社TMR  執筆

 
1.採用市場におけるオンライン面接へのシフト
2.オンライン面接へのシフトにみるメリットと課題
(1)オンライン面接のメリット
(2)オンライン面接の限界
3.採用における調査専門会社の活用



1.採用市場におけるオンライン面接へのシフト

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年は説明会や対面での面接が相次いで中止となり、採用市場は混乱に陥りました。感染防止の観点から採用をオンラインに切り替え、オンライン面接に大きくシフトしました。オンライン会議サービスを、採用の現場で活用する企業が相次いだのです。

これまで説明会や就職サイト、SNS、学内セミナーなどリアルで行う採用が主な方法でしたが、限られた働き手のなかからどう優秀な人材を見つけ採用していくかが企業の中長期的な経営課題でした。オンライン面接が加わったことは、自社の求人に興味や関心を持っている学生を集めることやスキルを持つ中途採用の人材採用においても一定の効果を発揮しつつあると言えます。


2.オンライン面接へのシフトにみるメリットと課題

(1)オンライン面接のメリット

応募する側からみると、遠隔地に住む応募者が首都圏にアプローチしようとすると、交通費や宿泊費で1回10万円以上かかることもありました。これがほとんど必要なくなりました。また、採用のグローバル化が進めば、国内だけでなく世界中から応募者が応募したい企業に容易にアプローチできるようにもなります。

採用する企業側でもオンライン面接をポジティブに捉えている企業が多いと考えられます。大企業でも人事部は10人規模のところが多く、限られた人数で大勢の応募者に対応する必要があります。

一般的な対面面接では面接時間は1人につき30分から1時間弱程度かかっていたのですが、オンライン面接では要点をまとめてヒアリングする傾向があることなどから1人15分から20分程度の短い時間で済んでいる企業が多くみられ、双方にとって時間の節約にもなっています。そのため、オンライン面接は対面面接に比べ、1日に対応できる人数も増え、採用活動における面接コストが各段に下がっていると言えます。また、録画機能などを使用し、採用担当者全員で再チェックを行うなど、採用担当者の俗人的判断を防止することも行いやすくなったなど、こういった面でもオンライン面接のメリットはあるようです。

(2)オンライン面接の限界

応募側と採用する企業側を問わず、画面のフリーズなどのアクシデントが発生するケースもあり、従来型の対面面接では想定されなかったトラブルもまた存在します。また対面面接では、余談やジェスチャー、醸し出す雰囲気から得られた情報がオンライン面接だと削ぎ落とされる可能性があり、時間は短縮された反面、オンライン面接の画面上から得られる限られた情報で判断しなくてはならないという限界も存在します。

このような背景から、応募者が実際に入社に入社してみると想像と異なる風土の企業であったとか、採用した企業側が採用者の素性を見抜くことができず、反社会的勢力に関係する者を採用してしまった、といった課題も徐々に浮き彫りになってきています。

日本では犯罪歴などはほとんど公開されないという風潮があり、前科調査や反社との関わりの調査を行うこと自体には違法性がありませんが、採用調査の目的で情報を収集することは現実的には非常に困難を極めます。オンライン面接では限られた情報で判断しなくてはならず、雰囲気から得られる人物像なども把握しにくいため、事前の情報収集の重要性が増しています。

また、外国人労働者の雇用市場が拡大傾向にある中、コミュニケーション能力の把握に重点を置く外国人労働者採用の場面では、応募者本人の素性に関する情報収集は疎かになりがちです。採用市場においてオンライン面接が主となる現在においては、応募者側、企業側を問わず、活動の前に行う対象企業や採用対象者に対して行う情報収集がこれまで以上に重要になっていると言えます。


3.採用における調査専門会社の活用

採用において応募者個人や企業単独で調査を行うには、自ずと限界が発生します。特にオンライン面接で採用を行う場合は、履歴書や経歴書の確認や場合によっては交友関係の確認など採用調査において実績のある専門の調査会社を活用することが有効です。

㈱TMRでは採用調査として、履歴書・職務経歴書などの応募者申告事項の裏付けはもちろん、中途採用者の前職の勤怠、退職理由等の確認、素行不良、経歴詐称や反社チェックまであらゆる人物調査に対応しております。また外国人労働者の調査も承っており、これまで多くの採用調査の実績がございます。その他、特別雇用調査として、重要ポスト登用など指定事項について特に綿密な調査を行うサービスも提供しており、役職者採用などの重要な採用についても安心してお任せいただけます。



 

プロフィール

株式会社TMR

株式会社TMRはビジネスにおけるあらゆるリスク対応を支援し、企業価値の向上を全力でサポートします。


・信用を第一に「誠意」「正確」「迅速」をモットーにご納得いただくまで親身にご説明いたします。
・マスコミや弁護士事務所、警察関連組織などへの調査協力も行っており、法令遵守で調査情報の秘密厳守、社会正義に即した調査を行います。
・ISO27001認証を取得しており、調査後の調査資料の廃棄に至るまで厳格に管理しています。


■反社チェック
取引先や社員、株主などを対象に「反社会的勢力」との関係をチェックします。情報収集と収集した情報の蓄積を行い、独自でデータベースを構築し、情報利用についても熟知しているため、安心してお任せいただけます。


■信用調査
企業の与信調査(不動産や資産など)から採用時の個人 調査、その他、長年のノウハウを活用したきめの細かい各種信用調査を行います。
与信調査・不動産・資産・債権保全・信用調査・採用 入居者審査・身元調査・市場調査・各種マーケティングリサーチ・テナント調査・身元調査・訴訟関連・債権関連など


■リスクマネジメント
ISMS認証のノウハウを活用した情報セキュリティ対策支援やネット風評対策、ハラスメント対策などの企業のリスク対策のほか、盗聴対策などの個人向けの対策を含め、あらゆるリスク対策について対応可能です。
企業リスク対策(情報セキュリティ、情報漏洩等)・ネット風評対策・ハラスメント対策・各種相談窓口開設(コールセンター、内部告発等)・その他 盗聴対策、各種セミナー開催など


Webサイト:株式会社TMR

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