第31回
企業が行うべきリスクヘッジ【第1回 リスクヘッジ能力の高い人材の確保と育成】
株式会社TMR 執筆
1.リスクヘッジとは
2.リスクヘッジを適切に行うために
3.リスクヘッジ能力の必要性
企業の抱えるリスクには資金調達などの財務的なリスクや近年大手企業が危機に陥ることで話題となることも多い法令違反や不祥事などの法務リスク、情報漏えいなどのITリスク等、様々なリスクがあります。
今回は、こういったリスクに備えるリスクヘッジとその方法についてお話したいと思います。
1. リスクヘッジとは
リスク
冒頭の財務リスクや法務リスク、ITリスクの他に、新型コロナやウクライナ紛争のような環境リスク、人材流出などの人事リスクなどがあります。それに加え、リスク発生後の対応による役職員の疲弊なども考慮に入れておく必要があります。
ヘッジ
上記のリスクを回避する対策で、起こり得るトラブルの予測やトラブル発生要因の分析などにより、被害を避けたり最小限に抑えたりするために事前対策をすることです。
「リスクマネジメント」は、自社の抱えるリスクの把握とその重要度や事前対策、発生時の対処などのルール化や規定による統制を行なう活動であるのに対し、「リスクヘッジ」はリスク自体を予想し、事前に回避するための対策を行う活動になります。また、潜在的なリスクを見積り危険性や有害性を特定し、そのリスクの除去、低減措置を行う一連の手順を「リスクアセスメント」といいます。その他に、ビジネス上で得られるリターン獲得のためにリスクを冒す「リスクテイク」と言う言葉も存在します。これらの言葉は混同されやすいので、気を付ける必要があります。
2. リスクヘッジを適切に行うために
リスクヘッジはそれぞれの立場でリスクを予想し、行動することが求められることも多いため、各人の能力への依存度が高いと言えます。そのため、リスクヘッジの対策として最も効果的なのは、リスクヘッジ能力が高い人材を確保することと言えます。人材を確保するには採用または、育成という方法で確保していくことになります。
では、リスクヘッジ能力が高い人材とはどういった人材なのでしょうか。また、どのように育成すればよいのでしょうか。
(1) リスクヘッジ能力の高い人材とは
リスクヘッジ能力とは社内外の多方面の情報収集能力とリスクを予見しその対応策を考え実践できる能力と言えます。そのために必要となる代表的な能力として以下のようなものがあります。
① 想定ができる
因果関係を経験や感覚だけに頼らず定量的、定性的に把握し対処できる
② 計画性
短期、中期、長期の時間軸や要する時間などを踏まえ計画的に行動できる
③ 臨機応変
トラブル時でも冷静に、その場の状況に応じて、適切な手段を講じることができる
④ 視野が広い
多角的な見方や考え方ができ、客観的に物事を捉えることができる
(2) リスクヘッジ能力の育成
リスクヘッジ能力を育成するための具体的な手法を以下に紹介します。これらの取り組みはリスクヘッジだけでなく、自社の人材育成にも役立つ取り組みです。
① ジョブローテーションの実施
自社内の複数の部署を経験することで、それぞれの立場から企業活動を捉えることができるようになり、多角的な考え方を育てます。また、各部署とのリレーション構築もできるため、他部署との協力なども含めた臨機応変な対応力の育成にも役立ちます。
② リスクマネジメント研修の実施
リスクの洗い出しやリスク対策の基本的な考え方を理解するとともに、リスクへの意識付けをすることで、リスクを想定する能力や計画的に回避する能力を育成することができます。また、マネジメント能力の育成にも役立ちます。
③ ロールモデルの設定(リスクヘッジ能力の高い人を他の社員に紹介する)
具体的な成功例をケーススタディとして共有し、行動特性や判断基準、考え方を学ぶことで実践力を養います。また、複数のロールモデルを学ぶことで、より多くのリスクを想定でき、理数対応力が磨かれます。
④ 人事評価制度の再構築
人事評価制度にリスクヘッジ能力を加味した基準を設けることで、各個人のリスクを考慮した取り組みが活性化するだけでなく、管理職が育成にも力を入れることが見込まれます。また、リスクへの意識を維持する効果もあり、人材育成を継続していくことに繋がります。
3. リスクヘッジ能力の必要性
企業は常に成長することが求められ、環境や社会の変化にも対応していかなければなりません。変化にはリスクが伴い、避けることはできません。変化速度の速い現代ではリスクヘッジ能力は企業の成長や存続を左右する能力と言えます。また、リスクヘッジが行えることで、リスクテイクの幅を広げることができ、よりリターンの大きな事業などへの挑戦も可能となってきます。
上記でお話したように、リスクに対する取り組みには人材が重要になります。採用において問題がない人かどうかを調査することも大切ですが、人材を育成する環境と教育の仕組みづくりがより大切になってきています。
株式会社TMRでは、採用候補者の過去の実績を正当に評価し、採用したい人材を判断する採用活動支援や社員の能力育成のしくみづくりの実績が豊富です。リスクマネジメント研修やリスクマネジメントのコンサルティング、能力の高い人材の採用コンサルティングも行っています。長年にわたるリスクマネジメント支援や採用コンサルティング活動で培ってきたネットワークや独自のノウハウをご提供させていただきます。
※転載元 株式会社TMR お役立ち情報「企業が行うべきリスクヘッジ 第1回 リスクヘッジ能力の高い人材の確保と育成」
プロフィール
株式会社TMRはビジネスにおけるあらゆるリスク対応を支援し、企業価値の向上を全力でサポートします。
・信用を第一に「誠意」「正確」「迅速」をモットーにご納得いただくまで親身にご説明いたします。
・マスコミや弁護士事務所、警察関連組織などへの調査協力も行っており、法令遵守で調査情報の秘密厳守、社会正義に即した調査を行います。
・ISO27001認証を取得しており、調査後の調査資料の廃棄に至るまで厳格に管理しています。
取引先や社員、株主などを対象に「反社会的勢力」との関係をチェックします。情報収集と収集した情報の蓄積を行い、独自でデータベースを構築し、情報利用についても熟知しているため、安心してお任せいただけます。
■信用調査
企業の与信調査(不動産や資産など)から採用時の個人 調査、その他、長年のノウハウを活用したきめの細かい各種信用調査を行います。
与信調査・不動産・資産・債権保全・信用調査・採用 入居者審査・身元調査・市場調査・各種マーケティングリサーチ・テナント調査・身元調査・訴訟関連・債権関連など
ISMS認証のノウハウを活用した情報セキュリティ対策支援やネット風評対策、ハラスメント対策などの企業のリスク対策のほか、盗聴対策などの個人向けの対策を含め、あらゆるリスク対策について対応可能です。
企業リスク対策(情報セキュリティ、情報漏洩等)・ネット風評対策・ハラスメント対策・各種相談窓口開設(コールセンター、内部告発等)・その他 盗聴対策、各種セミナー開催など
Webサイト:株式会社TMR
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